The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

June 25, 2020 Vol. 382 No. 26

慢性腎臓病の進行に対するアロプリノールの効果
Effects of Allopurinol on the Progression of Chronic Kidney Disease

S.V. Badve and Others

背景

血清尿酸高値は慢性腎臓病の進行と関連する.進行するリスクのある慢性腎臓病患者にアロプリノールを用いた尿酸降下療法を行うことで,推算糸球体濾過量(eGFR)の低下を抑制することができるかどうかは明らかにされていない.

方 法

無作為化比較試験で,ステージ 3 または 4 の慢性腎臓病を有し,痛風の既往がなく,尿中アルブミン/クレアチニン比(mg/g クレアチニン)が 265 以上であるか,過去 1 年間に eGFR が 3.0 mL/分/1.73 m2 体表面積以上低下した成人を,アロプリノール(100~300 mg/日)群とプラセボ群に無作為に割り付けた.主要評価項目は無作為化から 104 週までの eGFR の変化量とし,慢性腎臓病疫学共同研究(CKD-EPI)のクレアチニン式を用いて算出した.

結 果

予定していた患者数 620 例のうち 369 例がアロプリノール群(185 例)とプラセボ群(184 例)に無作為に割り付けられた時点で,登録が遅れていたため登録は中止された.無作為化直後に各群 3 例が同意を撤回した.残りの 363 例(平均 eGFR 31.7 mL/分/1.73 m2,尿中アルブミン/クレアチニン比の中央値 716.9,平均血清尿酸値 8.2 mg/dL)を主要評価項目の評価対象とした.eGFR の変化量にアロプリノール群とプラセボ群とのあいだで有意差は認められなかった(それぞれ -3.33 mL/分/1.73 m2/年 [95%信頼区間 {CI} -4.11~-2.55] と -3.23 mL/分/1.73 m2/年 [95% CI -3.98~-2.47],差の平均 -0.10 mL/分/1.73 m2/年 [95% CI -1.18~0.97],P=0.85).重篤な有害事象はアロプリノール群の 182 例中 84 例(46%)とプラセボ群の 181 例中 79 例(44%)で報告された.

結 論

進行するリスクの高い慢性腎臓病患者にアロプリノールによる尿酸降下療法を行っても,プラセボと比較して eGFR の低下速度は抑制されなかった.(オーストラリア国立保健医療研究評議会,ニュージーランド保健研究評議会から研究助成を受けた.CKD-FIX 試験:Australian New Zealand Clinical Trials Registry 番号 ACTRN12611000791932)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 382 : 2504 - 13. )