September 17, 2020 Vol. 383 No. 12
ループス腎炎に対するベリムマブの 2 年間の無作為化比較試験
Two-Year, Randomized, Controlled Trial of Belimumab in Lupus Nephritis
R. Furie and Others
活動性ループス腎炎の成人において,標準治療(ミコフェノール酸モフェチル,またはシクロホスファミド+アザチオプリン)に加えてベリムマブを静脈内投与した場合の,プラセボを投与した場合と比較した有効性と安全性は明らかにされていない.
21 ヵ国 107 施設で行われた 104 週間の第 3 相多国間多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験で,生検で確定診断された活動性ループス腎炎の成人を,標準治療に加えてベリムマブ(10 mg/kg 体重)を静脈内投与する群と,マッチさせたプラセボを投与する群に 1:1 の割合で割り付けた.主要評価項目は,104 週の時点での主要有効性としての腎反応(尿蛋白/クレアチニン比 0.7 以下,推算糸球体濾過量 [eGFR] の低下量が腎炎再燃前の値 [再燃前値] の 20%未満または eGFR 60 mL/分/1.73 m2 体表面積以上,救済治療なし)とし,主な副次的評価項目は腎機能の完全寛解(尿蛋白/クレアチニン比 0.5 未満,eGFR の低下量が再燃前値の 10%未満または eGFR 90 mL/分/1.73 m2 以上,救済治療なし)とした.腎関連事象または死亡までの期間を評価した.
448 例が無作為化された(ベリムマブ群 224 例,プラセボ群 224 例).104 週の時点で,主要有効性としての腎反応が得られた患者は,ベリムマブ群のほうがプラセボ群よりも有意に多く(43% 対 32%,オッズ比 1.6,95%信頼区間 [CI] 1.0~2.3,P=0.03),腎機能の完全寛解についても同様であった(30% 対 20%,オッズ比 1.7,95% CI 1.1~2.7,P=0.02).腎関連事象または死亡のリスクは,ベリムマブ投与を受けた患者のほうがプラセボ投与を受けた患者よりも低かった(ハザード比 0.51,95% CI 0.34~0.77,P=0.001).ベリムマブの安全性プロファイルは先行試験と一致していた.
活動性ループス腎炎患者を対象としたこの試験では,標準治療に加えてベリムマブの投与を受けた患者のほうが,標準治療のみを受けた患者よりも主要有効性としての腎反応が得られた患者が多かった.(グラクソ・スミスクライン社から研究助成を受けた.BLISS-LN 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01639339)