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日本語アブストラクト

July 23, 2020 Vol. 383 No. 4

米国の小児・青年における多臓器炎症症候群
Multisystem Inflammatory Syndrome in U.S. Children and Adolescents

L.R. Feldstein and Others

背景

小児多臓器炎症症候群(MIS-C)の疫学と臨床経過,および新型コロナウイルス感染症(Covid-19)との時間的関連を理解することは,この症候群が臨床と公衆衛生に及ぼす影響を考慮すると重要である.

方 法

米国内の小児病院で,MIS-C を対象としたサーベイランスを 2020 年 3 月 15 日~5 月 20 日に行った.症例の定義には,入院にいたる重症化,年齢 21 歳未満,24 時間以上続く発熱,炎症の臨床検査所見,多臓器症状,重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)感染の証拠という 6 つの基準が含まれた.SARS-CoV-2 感染の証拠は,逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)陽性,抗体検査陽性,または過去 1 ヵ月以内の Covid-19 患者への曝露とした.臨床家がデータを標準化されたフォームにまとめた.

結 果

26 州の MIS-C 患児 186 例について報告する.年齢の中央値は 8.3 歳,115 例(62%)は男性で,135 例(73%)は生来健康であり,131 例(70%)が RT-PCR または抗体検査で SARS-CoV-2 陽性,164 例(88%)が 2020 年 4 月 16 日以降に入院した.臓器系の症状は,消化器 171 例(92%),循環器 149 例(80%),血液 142 例(76%),皮膚粘膜 137 例(74%),呼吸器 131 例(70%)であった.入院期間の中央値は 7 日(四分位範囲 4~10)で,148 例(80%)が集中治療,37 例(20%)が人工呼吸管理,90 例(48%)が血管作動薬による補助を受け,4 例(2%)が死亡した.冠動脈瘤(z スコア 2.5 以上)が 15 例(8%)に認められ,川崎病様の症状が 74 例(40%)に認められた.ほとんどの患者(171 例 [92%])で,炎症を示すバイオマーカーが 4 つ以上上昇していた.免疫調節療法が用いられることが多く,144 例(77%)に免疫グロブリン静注,91 例(49%)にグルココルチコイド,38 例(20%)にインターロイキン-6 阻害薬またはインターロイキン-1RA 阻害薬の投与が行われた.

結 論

小児における SARS-CoV-2 に関連した多臓器炎症症候群は,生来健康であった小児・青年において重篤化し,生命を脅かした.(米国疾病対策予防センターから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 383 : 334 - 46. )