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September 16, 2021 Vol. 385 No. 12

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マラウイの小児における腸チフス結合型ワクチンの安全性と有効性
Safety and Efficacy of a Typhoid Conjugate Vaccine in Malawian Children

P.D. Patel and Others

背景

チフス菌(Salmonella Typhi)の多剤耐性株 H58 による腸チフスは,サハラ以南のアフリカで増大している公衆衛生上の脅威である.

方 法

マラウイのブランタイヤで,腸チフス Vi 多糖体結合型ワクチン(Vi-TCV)の有効性を評価するための第 3 相二重盲検試験を行った.生後 9 ヵ月~12 歳の小児を,Vi-TCV を単回接種する群と髄膜炎菌莢膜 A 群結合型(MenA)ワクチンを単回接種する群に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要転帰は血液培養で確認された腸チフスとした.18~24 ヵ月間の追跡調査後の,ワクチンの有効性と安全性転帰を報告する.

結 果

intention-to-treat 解析の対象は 28,130 例で,内訳は Vi-TCV 群 14,069 例,MenA ワクチン群 14,061 例であった.血液培養で確認された腸チフスは,Vi-TCV 群では 12 例(100,000 人年あたり 46.9 件),MenA 群では 62 例(100,000 人年あたり 243.2 件)に発生した.全体での Vi-TCV の有効率は,intention-to-treat 解析では 80.7%(95%信頼区間 [CI] 64.2~89.6),per-protocol 解析では 83.7%(95% CI 68.1~91.6)であった.全体で,ワクチン接種後の 6 ヵ月間に重篤な有害事象が 130 件(Vi-TCV 群 52 件,MenA 群 78 件)発現し,6 例の死亡(全例が MenA 群)が含まれた.試験担当医師がワクチン接種に関連すると判断した重篤な有害事象はなかった.

結 論

マラウイの生後 9 ヵ月~12 歳の小児のうち,Vi-TCV を接種した児のほうが,MenA ワクチンを接種した児よりも血液培養で確認された腸チフスの発生率が低かった.(ビル&メリンダ・ゲイツ財団から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03299426)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2021; 385 : 1104 - 15. )