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December 9, 2021 Vol. 385 No. 24

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尋常性乾癬に対するタピナロフクリームの第 3 相試験
Phase 3 Trials of Tapinarof Cream for Plaque Psoriasis

M.G. Lebwohl and Others

背景

タピナロフ(tapinarof)クリームは,乾癬の治療薬として検討されている外用のアリル炭化水素受容体調節薬である.タピナロフは,インターロイキン-17 と,皮膚バリア蛋白であるフィラグリンとロリクリンの発現を調節する.

方 法

軽症~重症の尋常性乾癬患者を対象に,タピナロフに関する 2 件の同一の第 3 相無作為化試験を行った.ベースライン時の「医師による全般的評価(PGA)」スコア(0~4 で,スコアが高いほど乾癬の重症度が高いことを示す)が 2(軽症)~4(重症)で,皮疹が体表面積の 3~20%を占める成人患者を,タピナロフ 1%クリームを 1 日 1 回 12 週間使用する群と,基剤のみのクリームを使用する群に 2:1 の割合で無作為に割り付けた.主要エンドポイントは「PGA 奏効」とし,12 週の時点における PGA スコアが 0(病変が消失)または 1(ほぼ消失)で,ベースライン時から 2 ポイント以上低下していることとした.12 週の時点における副次的有効性エンドポイントは,乾癬の面積・重症度指数(PASI)スコアの 75%以上の低下,PGA スコア 0 または 1,皮疹が体表面積に占める割合のベースラインからの平均変化量,PASI スコアの 90%以上の低下とした.患者報告アウトカムは,瘙痒数値評価尺度(PP-NRS)スコア(0 [痒みなし]~10 [想像しうるもっとも強い痒み])がベースライン時から 12 週目までに 4 ポイント以上低下した患者の割合,PP-NRS の総スコア,皮膚科 QOL 指数の総スコア,乾癬症状日誌スコアのベースラインから 12 週の時点までの平均変化量とした.

結 果

試験 1 では 692 例,試験 2 では 674 例がスクリーニングを受け,それぞれ 510 例と 515 例が登録された.PGA 奏効は,試験 1 ではタピナロフ群の 35.4%と基剤群の 6.0%,試験 2 ではそれぞれ 40.2%と 6.3%に認められた(両比較について P<0.001).副次的エンドポイントと患者報告アウトカムの結果は,主要エンドポイントの結果とおおむね同様の傾向にあった.タピナロフクリームによる有害事象は,毛包炎,鼻咽頭炎,接触皮膚炎,頭痛,上気道感染,瘙痒などであった.

結 論

タピナロフ 1%クリームの 1 日 1 回塗布は,対照の基剤と比較して,12 週間の尋常性乾癬の重症度の低下に関して優れていたが,局所の有害事象と頭痛を伴った.乾癬に対するタピナロフクリームの有効性と安全性を既存の治療薬と比較評価するためには,より大規模かつ長期の試験が必要である.(ダーマバント サイエンシズ社から研究助成を受けた.PSOARING 1 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03956355,PSOARING 2 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03983980)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2021; 385 : 2219 - 29. )