The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

December 23, 2021 Vol. 385 No. 26

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

結核に対する現場での分子検査を用いた多項目戦略
Multicomponent Strategy with Decentralized Molecular Testing for Tuberculosis

A. Cattamanchi and Others

背景

結核の疾病負担の大きい国々では,結核の迅速な診断と治療をより容易にするための効果的な戦略が必要である.

方 法

クラスター無作為化試験を行い,ウガンダの地域医療センターを,多項目診断戦略群(現場での結核の分子検査,診療所のワークフローの指導に基づく再構築,質の指標の月 1 回のフィードバック)と,通常診療群(現場での喀痰塗抹顕微鏡検査,紹介に基づく分子検査)に割り付けた.主要転帰は,16 ヵ月の介入期間中,評価のための医療センター受診後 14 日以内に,診断が確定した結核の治療が行われた成人の数とした.副次的転帰は,結核検査の完了,当日の診断,当日の治療などとした.転帰は割合に基づく評価も行った.

結 果

20 の医療センターが無作為化され,各群に 10 施設が割り付けられた.データを評価しえた 10,644 例の適格な成人(年齢中央値 40 歳)のうち,60.1%が女性であり,43.8%がヒト免疫不全ウイルスに感染していた.介入戦略によって,受診後 14 日以内に診断の確定した結核の治療が行われた患者の数が多くなった(10 の介入医療センター 342 例 対 10 の対照医療センター 220 例,調整率比 1.56,95%信頼区間 [CI] 1.21~2.01).介入センターのほうが,対照センターよりも結核検査を完了した患者が多く(調整率比 1.85,95% CI 1.21~2.82),当日診断された患者も多く(調整率比 1.89,95% CI 1.39~2.56),診断が確定した結核の治療が当日行われた患者も多かった(調整率比 2.38,95% CI 1.57~3.61).結核の診断が確定した 706 例のうち,当日に治療された患者の割合は,介入群のほうが対照群よりも高く(調整率比 2.29,95% CI 1.23~4.25),受診後 14 日以内に治療が行われた患者も同様であった(調整率比 1.22,95% CI 1.06~1.40).

結 論

現場での分子検査と,質の高い結核評価サービスを届ける際の障壁に対処するための実行面での支援が含まれる多項目診断戦略によって,検査を受けた患者,診断された患者,診断が確定した結核の治療が行われた患者の数は対照よりも多くなった.(米国国立心臓・肺・血液研究所から研究助成を受けた.XPEL-TB 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03044158)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2021; 385 : 2441 - 50. )