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July 22, 2021 Vol. 385 No. 4

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BNT162b2 ワクチンおよび mRNA-1273 ワクチンによる Covid-19 の予防と症状の抑制
Prevention and Attenuation of Covid-19 with the BNT162b2 and mRNA-1273 Vaccines

M.G. Thompson and Others

背景

2 回接種のメッセンジャー RNA(mRNA)ワクチン,BNT162b2(ファイザー社–ビオンテック社)と mRNA-1273(モデルナ社)が,リアルワールドで投与された場合の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)感染予防,および新型コロナウイルス感染症(Covid-19)症状の抑制に対する有効性に関する情報は限られている.

方 法

医療従事者,第一対応者,その他のエッセンシャルワーカーおよびフロントラインワーカー 3,975 例を対象として,前向きコホート研究を行った.2020 年 12 月 14 日~2021 年 4 月 10 日に,参加者は中鼻甲介ぬぐい液を週 1 回提出し,定性的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法と定量的 RT-PCR 法による SARS-CoV-2 検査を受けた.ワクチン有効率の計算式は,100%×(1 から,ワクチン接種者 対 非接種者の SARS-CoV-2 感染のハザード比を引いた値)とし,接種を受ける傾向,研究施設,職業,地域のウイルス流行状況で補正した.

結 果

SARS-CoV-2 は 204 例(5%)で検出された.接種状況は 5 例が完全接種(2 回目の接種後 14 日以上経過),11 例が部分接種(1 回目の接種後 14 日以上経過,2 回目の接種後 14 日未満),156 例が未接種であり,分類不能(1 回目の接種後 14 日未満)の 32 例は除外した.補正後のワクチン有効率は,完全接種で 91%(95%信頼区間 [CI] 76~97),部分接種で 81%(95% CI 64~90)であった.SARS-CoV-2 に感染した参加者のうち,部分接種者・完全接種者では,未接種者と比較してウイルス RNA 量の平均値が 40%(95% CI 16~57)低かった.さらに,部分接種者・完全接種者では発熱症状のリスクが 58%低く(相対リスク 0.42,95% CI 0.18~0.98),罹病期間が短く,臥床日数が 2.3 日(95% CI 0.8~3.7)少なかった.

結 論

承認済みの 2 つの mRNA ワクチンは,リアルワールドで投与された場合,生産年齢の成人における SARS-CoV-2 感染の予防に非常に有効であり,また,接種を完了しているにもかかわらず感染(ブレイクスルー感染)した人のウイルス RNA 量,発熱症状のリスク,罹病期間を抑制した.(米国国立予防接種・呼吸器疾患センター,米国疾病対策予防センターから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2021; 385 : 320 - 9. )