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July 14, 2022 Vol. 387 No. 2

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骨髄腫に対する 3 剤併用療法,移植,病勢進行まで継続する維持療法
Triplet Therapy, Transplantation, and Maintenance until Progression in Myeloma

P.G. Richardson and Others

背景

新たに診断された多発性骨髄腫患者に対して,3 剤併用療法(レナリドミド,ボルテゾミブ,デキサメタゾン [RVD])に加えて自家幹細胞移植(ASCT)を行い,その後病勢が進行するまでレナリドミドの維持療法を行うことの効果は明らかにされていない.

方 法

第 3 相試験で,症候性骨髄腫の成人(18~65 歳)に RVD の投与を 1 サイクル行った.これらの患者を,RVD 単独群と移植群に 1:1 の割合で無作為に割り付け,両群にさらに 2 サイクルの RVD 投与と幹細胞動員を行い,RVD 単独群にはさらに 5 サイクルの RVD 投与を行い,移植群には高用量メルファラン投与と ASCT を行い,さらに 2 サイクルの RVD 投与を行った.両群に,病勢進行,または許容できない副作用の発現,あるいはその両方まで,レナリドミドの投与を行った.主要エンドポイントは無増悪生存期間とした.

結 果

357 例が RVD 単独群,365 例が移植群に割り付けられ,追跡期間中央値 76.0 ヵ月の時点で,病勢進行または死亡は 328 件発生した.そのリスクは RVD 単独群のほうが移植群よりも 53%高く(ハザード比 1.53,95%信頼区間 [CI] 1.23~1.91,P<0.001),無増悪生存期間の中央値はそれぞれ 46.2 ヵ月と 67.5 ヵ月であった.部分奏効以上は,RVD 単独群の 95.0%,移植群の 97.5%で得られ(P=0.55),完全奏効以上はそれぞれ 42.0%と 46.8%で得られた(P=0.99).グレード 3 以上の治療関連有害事象はそれぞれ 78.2%と 94.2%に発現し,5 年生存率は 79.2%と 80.7%であった(死亡のハザード比 1.10,95% CI 0.73~1.65).

結 論

多発性骨髄腫の成人において,RVD と ASCT の併用は,無増悪生存期間が RVD 単独よりも長いことに関連していた.全生存への利益は認められなかった.(米国国立心臓・肺・血液研究所ほかから研究助成を受けた.DETERMINATION 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01208662)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 387 : 132 - 47. )