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September 14, 2023 Vol. 389 No. 11

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再発・難治性多発性骨髄腫に対するメジグドミドとデキサメタゾンの併用
Mezigdomide plus Dexamethasone in Relapsed and Refractory Multiple Myeloma

P.G. Richardson and Others

背景

多発性骨髄腫は,最近の進歩にもかかわらず,いまだに治癒困難である.メジグドミド(mezigdomide)は,新規セレブロン E3 ユビキチンリガーゼ修飾薬であり,レナリドミド抵抗性,ポマリドミド抵抗性のモデルを含む多発性骨髄腫の前臨床モデルにおいて,強力な増殖抑制活性と抗腫瘍活性をもつことが示されている.

方 法

第 1・2 相試験で,再発・難治性多発性骨髄腫患者に,メジグドミドをデキサメタゾンとの併用で経口投与した.第 1 相(用量漸増コホート)の主要目的は,安全性と薬物動態を評価することと,第 2 相の用量と投与スケジュールを決定することであった.第 2 相(用量拡大コホート)の目的は,第 1 相で設定した用量と投与スケジュールで投与したメジグドミド+デキサメタゾンの,全奏効(部分奏効以上),安全性,有効性を評価することなどであった.

結 果

第 1 相では,77 例が試験に組み入れられた.用量制限毒性でとくに頻度が高かったのは,好中球減少症と発熱性好中球減少症であった.第 1 相の結果に基づき,メジグドミドの第 2 相推奨用量を 1.0 mg とし,デキサメタゾンとの併用で 1 日 1 回,21 日間投与し,その後 7 日間休薬する,28 日サイクルで投与を行った.第 2 相では,101 例に,第 1 相で決定した用量を,同じスケジュールで投与した.用量拡大コホートは,全例が 3 クラス抵抗性の多発性骨髄腫であり,30 例(30%)に抗 B 細胞成熟抗原(抗 BCMA)療法歴があり,40 例(40%)が形質細胞腫を有していた.有害事象でとくに頻度が高かったのは,好中球減少症(患者の 77%)と感染症(65%;グレード 3 が 29%,グレード 4 が 6%)であり,ほぼすべてが可逆的であった.予期せぬ毒性は発生しなかった.全奏効は患者の 41%(95%信頼区間 [CI] 31~51)で得られ,奏効期間の中央値は 7.6 ヵ月(95% CI 5.4~9.5,データ未出),無増悪生存期間の中央値は 4.4 ヵ月(95% CI 3.0~5.5),追跡期間の中央値は 7.5 ヵ月(範囲 0.5~21.9)であった.

結 論

複数の前治療歴のある多発性骨髄腫患者において,メジグドミドとデキサメタゾンの併用投与(いずれも経口投与)は有望な有効性を示し,治療関連有害事象は主に骨髄毒性によるものであった.(セルジーン社 [ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の子会社] から研究助成を受けた.CC-92480-MM-001 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03374085,EudraCT 登録番号 2017-001236-19)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2023; 389 : 1009 - 22. )