November 7, 2024 Vol. 391 No. 18
超早期薬剤中絶の無作為化試験
Randomized Trial of Very Early Medication Abortion
K. Brandell and Others
ミフェプリストンとミソプロストールの併用による薬剤中絶は,有効性が高く安全である.しかし,超音波検査で妊娠が確認できる前の,妊娠超初期における有効性と安全性に関するエビデンスは不十分である.
妊娠 42 日以下で薬剤中絶を希望しており,超音波検査で子宮内妊娠が確認されていない(子宮腔が空,または卵黄囊・胚子極のない囊様構造物を認める)女性を対象に,多施設共同非劣性無作為化比較試験を行った.参加者を,ただちに中絶を開始する群(早期開始群)と,標準的治療を子宮内妊娠が確認されるまで待機する群(標準群)に無作為に割り付けた.主要転帰は完全な中絶とした.群間差の絶対値の非劣性マージンは 3.0 パーセントポイントに設定した.
9 ヵ国 26 施設で計 1,504 例が組み入れられ,早期開始群(754 例)と標準群(750 例)に無作為に割り付けられた.intention-to-treat 解析で,完全な中絶は,早期開始群では 710 例中 676 例(95.2%)に発生し,標準群では 688 例中 656 例(95.3%)に発生した.群間差の絶対値は -0.1 パーセントポイント(95%信頼区間 -2.4~2.1)であった.早期開始群の 741 例中 10 例(1.3%),標準群の 724 例中 6 例(0.8%)が異所性妊娠であり,1 例(早期開始群)では診断前に破裂した.重篤な有害事象は,早期開始群では 737 例中 12 例(1.6%),標準群では 718 例中 5 例(0.7%)に発現し(P=0.10),その大部分は,異所性妊娠または不完全な中絶の治療のための,合併症を伴わない入院であった.
子宮内妊娠が確認される前の薬剤中絶は,完全な中絶に関して,標準的な待機的治療に対して非劣性であった.(スウェーデン研究評議会ほかから研究助成を受けた.VEMA 試験:EudraCT 登録番号 2018-003675-35,ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03989869)