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November 7, 2024 Vol. 391 No. 18

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切除可能な病期 III 悪性黒色腫に対するニボルマブとイピリムマブによる術前補助療法
Neoadjuvant Nivolumab and Ipilimumab in Resectable Stage III Melanoma

C.U. Blank and Others

背景

切除可能な肉眼的病期 III 悪性黒色腫患者を対象とした第 1 相,第 2 相試験では,術前補助免疫療法は,術後補助免疫療法よりも有効であった.

方 法

第 3 相試験を行い,切除可能な肉眼的病期 III 悪性黒色腫患者を,イピリムマブ+ニボルマブによる術前補助療法を 2 サイクル行ったあとに手術を行う群と,手術を行ったあとにニボルマブによる術後補助療法を 12 サイクル行う群に無作為に割り付けた.術前補助療法群では,部分奏効または無効の患者のみに術後補助療法を行った.主要評価項目は無イベント生存とした.

結 果

423 例が無作為化された.追跡期間中央値 9.9 ヵ月の時点で,12 ヵ月無イベント生存率は術前補助療法群 83.7%(99.9%信頼区間 [CI] 73.8~94.8),術後補助療法群 57.2%(99.9% CI 45.1~72.7)と推定された.制限付き平均生存期間の差は 8.00 ヵ月(99.9% CI 4.94~11.05,P<0.001)であった(進行,再発,死亡のハザード比 0.32,99.9% CI 0.15~0.66).術前補助療法群では,患者の 59.0%が病理学的大奏効,8.0%が部分奏効,26.4%が無効(残存生存腫瘍の割合が 50%超),2.4%が進行であった.4.2%は,手術がまだ行われていなかったか,中止されていた.12 ヵ月無再発生存率は,術前補助療法群で病理学的大奏効が得られた患者で 95.1%,部分奏効が得られた患者で 76.1%,無効の患者で 57.0%と推定された.全身療法に関連するグレード 3 以上の有害事象は,術前補助療法群の 29.7%と,術後補助療法群の 14.7%に発現した.

結 論

切除可能な肉眼的病期 III 悪性黒色腫患者において,イピリムマブ+ニボルマブによる術前補助療法後に手術を行い,奏効状態に基づいて術後補助療法を行った場合,手術後にニボルマブによる術後補助療法を行った場合よりも,無イベント生存期間が長かった.(ブリストル・マイヤーズ スクイブ社ほかから研究助成を受けた.NADINA 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04949113)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 391 : 1696 - 708. )