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November 14, 2024 Vol. 391 No. 19

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中等度~重度の僧帽弁閉鎖不全症を伴う心不全に対する経カテーテル弁修復術
Transcatheter Valve Repair in Heart Failure with Moderate to Severe Mitral Regurgitation

S.D. Anker and Others

背景

経カテーテル僧帽弁修復術が,心不全と機能性僧帽弁閉鎖不全症を有する患者の転帰を改善するかは明らかでない.

方 法

9 ヵ国 30 施設で,心不全と中等度~重度の機能性僧帽弁閉鎖不全症を有する患者を対象に無作為化比較試験を行った.患者を,経カテーテル僧帽弁修復術とガイドラインが推奨する内科的治療を行う群(デバイス群)と,内科的治療のみを行う群(対照群)に,1:1 の割合で割り付けた.主要評価項目は,心不全による初回入院/再入院または心血管死の複合の 24 ヵ月発生率,心不全による初回入院/再入院の 24 ヵ月発生率,ベースラインから 12 ヵ月までのカンザスシティ心筋症質問票の全体サマリー(KCCQ-OS)のスコア(0~100 で,値が高いほど健康状態が良好であることを示す)の変化の 3 つとした.

結 果

505 例が無作為化され,250 例がデバイス群,255 例が対照群に割り付けられた.24 ヵ月の時点で,心不全による初回入院/再入院または心血管死の発生率は,デバイス群で 100 患者年あたり 37.0 件,対照群で 100 患者年あたり 58.9 件であった(率比 0.64,95%信頼区間 [CI] 0.48~0.85,P=0.002).心不全による初回入院/再入院の発生率は,デバイス群で 100 患者年あたり 26.9 件,対照群で 100 患者年あたり 46.6 件であった(率比 0.59,95% CI 0.42~0.82,P=0.002).KCCQ-OS スコアは,デバイス群では平均(±SD)で 21.6±26.9 ポイント増加し,対照群では 8.0±24.5 ポイント増加した(平均差 10.9 ポイント,95% CI 6.8~15.0,P<0.001).デバイス特異的な安全性事象が 4 例(1.6%)に発現した.

結 論

中等度~重度の機能性僧帽弁閉鎖不全症を伴う心不全を有し,内科的治療にもかかわらず症状が持続する患者に経カテーテル僧帽弁修復術を追加することで,内科的治療のみを行った場合と比較して,24 ヵ月の時点での心不全による初回入院/再入院または心血管死の発生率,および心不全による初回入院/再入院の発生率は低く,12 ヵ月の時点での健康状態は良好であった.(アボット・ラボラトリーズ社から研究助成を受けた.RESHAPE-HF2 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02444338)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 391 : 1799 - 809. )