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December 5, 2024 Vol. 391 No. 22

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女性における炎症,コレステロール,リポ蛋白(a)と 30 年後の心血管転帰
Inflammation, Cholesterol, Lipoprotein(a), and 30-Year Cardiovascular Outcomes in Women

P.M. Ridker and Others

背景

高感度 C 反応性蛋白(CRP)値,低比重リポ蛋白(LDL)コレステロール値,リポ蛋白(a)値は,5 年および 10 年心血管リスクの予測に寄与し,薬理学的介入の特異な指標となっている.早い段階での介入は重要なリスク低減策であるため,これらのバイオマーカーの,女性のより長期の心血管リスク予測における有用性について,さらなる情報が必要である.

方 法

当初健康であった米国人女性 27,939 例の高感度 CRP 値,LDL コレステロール値,リポ蛋白(a)値をベースライン時に測定し,その後 30 年間追跡した.主要評価項目は初回主要有害心血管イベントとし,心筋梗塞,冠血行再建,脳卒中,心血管系の原因による死亡の複合と定義した.各バイオマーカーの五分位群の補正ハザード比と 95%信頼区間,ならびに年齢と競合リスクを補正した 30 年累積発生率曲線を求めた.

結 果

ベースライン時の平均年齢は 54.7 歳であった.30 年の追跡期間中,初回主要心血管イベントは 3,662 件発生した.高感度 CRP,LDL コレステロール,リポ蛋白(a)のいずれも,ベースライン値が上がるごとの五分位群は 30 年リスクを予測した.最高五分位群と最低五分位群とを比較した主要評価項目の共変量補正後のハザード比は,高感度 CRP が 1.70(95%信頼区間 [CI] 1.52~1.90),LDL コレステロールが 1.36(95% CI 1.23~1.52),リポ蛋白(a)が 1.33(95% CI 1.21~1.47)であった.冠動脈心疾患と脳卒中に関する知見は,主要評価項目に関する知見と一致すると思われた.各バイオマーカーは,全体のリスクに対して独立した寄与を示した.3 つのバイオマーカーをすべて組み入れたモデルで,リスクはもっとも大きく開いた.

結 論

当初健康であった米国人女性において,高感度 CRP 値,LDL コレステロール値,リポ蛋白(a)値の同時単回測定は,30 年間の心血管イベントの新規発生を予測した.これらのデータは,アテローム性動脈硬化イベントの一次予防戦略を,従来の 10 年リスク推定値を超えて,拡大させてゆくことを支持している.(米国国立衛生研究所から研究助成を受けた.Women’s Health Study:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00000479)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 391 : 2087 - 97. )