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December 12, 2024 Vol. 391 No. 23

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インスリン治療歴のない 2 型糖尿病に対するインスリンエフシトラとデグルデクとの比較
Insulin Efsitora versus Degludec in Type 2 Diabetes without Previous Insulin Treatment

C. Wysham and Others

背景

インスリンエフシトラアルファ(insulin efsitora alfa [エフシトラ])は,週 1 回投与するデザインの新規の基礎インスリンである.安全性と有効性に関するデータは,小規模の第 1 相又は第 2 相試験のものに限られている.

方 法

2 型糖尿病を有し,インスリン治療歴のない成人を対象に,52 週間の第 3 相並行デザイン非盲検 treat-to-target(目標達成に向けた治療)試験を行った.参加者を,エフシトラを週 1 回投与する群と,デグルデクを 1 日 1 回投与する群に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要評価項目は糖化ヘモグロビン値のベースラインから 52 週目までの変化量とし,エフシトラはデグルデクに対して非劣性である(非劣性マージン 0.4 パーセントポイント)という仮説を検証した.副次的評価項目は,グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬の使用者・非使用者のサブグループにおける糖化ヘモグロビン値の変化量,48~52 週目に血糖値が 70~180 mg/dL の目標範囲内であった時間の割合などとし,安全性評価項目は低血糖エピソードなどとした.

結 果

928 例が無作為化された(エフシトラ群 466 例,デグルデク群 462 例).糖化ヘモグロビン値の平均は,エフシトラ群ではベースライン時の 8.21%から 52 週目に 6.97%に低下し(変化量の最小二乗平均値 -1.26 パーセントポイント),デグルデク群では 8.24%から 7.05%に低下し(変化量の最小二乗平均値 -1.17 パーセントポイント)(推定治療差 -0.09 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] -0.22~0.04),非劣性が示された.GLP-1 受容体作動薬の使用者,非使用者においても,エフシトラは,糖化ヘモグロビン値の変化量に関して,デグルデクに対して非劣性であった.血糖値が目標範囲内であった時間の割合は,エフシトラ群 64.3%,デグルデク群 61.2%であった(推定治療差 3.1 パーセントポイント,95% CI 0.1~6.1).臨床的に意義のある低血糖と,重度の低血糖を合わせた発生率は,エフシトラ群 0.58 件/人年,デグルデク群 0.45 件/人年であった(推定発生率比 1.30,95% CI 0.94~1.78).重度の低血糖は,エフシトラ群では報告されなかったが,デグルデク群では 6 件報告された.有害事象の発現率は 2 群で同程度であった.

結 論

インスリン治療歴のない 2 型糖尿病の成人において,エフシトラの週 1 回投与は,糖化ヘモグロビン値の低下に関して,デグルデクの 1 日 1 回投与に対して非劣性であった.(イーライリリー社から研究助成を受けた.QWINT-2 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT05362058)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 391 : 2201 - 11. )