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December 12, 2024 Vol. 391 No. 23

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B 細胞急性リンパ芽球性白血病の成人に対するオビカブタジーン オートリューセル
Obecabtagene Autoleucel in Adults with B-Cell Acute Lymphoblastic Leukemia

C. Roddie and Others

背景

自家 41BB-ζ抗 CD19 キメラ抗原受容体(CAR)T 細胞療法であるオビカブタジーン オートリューセル(obecabtagene autoleucel [obe-cel])では,毒性を減少させ,持続性を高める目的で,中等度の親和性の CAR が使用されている.

方 法

再発または難治性の B 細胞急性リンパ芽球性白血病(ALL)の成人(18 歳以上)を対象に,obe-cel の第 1b・2 相多施設共同試験を行った.主要コホートであるコホート 2A には,形態学的病変を有する患者が組み入れられ,コホート 2B の患者には測定可能な残存病変があった.主要評価項目は,コホート 2A における全寛解(完全寛解,または血球数の回復が不完全な完全寛解)とした.副次的評価項目は,無イベント生存,全生存,安全性などとした.

結 果

登録された 153 例のうち,127 例(83.0%)が obe-cel の注入を 1 回以上受け,評価可能であった.コホート 2A(94 例,追跡期間の中央値 20.3 ヵ月)では,全寛解割合は 77%(95%信頼区間 [CI] 67~85)であり,完全寛解割合は 55%(95% CI 45~66),血球数の回復が不完全な完全寛解割合は 21%(95% CI 14~31)であった.事前に規定した帰無仮説は,全寛解(40%以下),完全寛解(20%以下)ともに棄却された(P<0.001).obe-cel の注入を 1 回以上受けた 127 例(追跡期間の中央値 21.5 ヵ月)では,無イベント生存期間の中央値は 11.9 ヵ月(95% CI 8.0~22.1)であり,6 ヵ月無イベント生存割合は 65.4%,12 ヵ月無イベント生存割合は 49.5%と推定された.全生存期間の中央値は 15.6 ヵ月(95% CI 12.9~評価不能)であり,6 ヵ月全生存割合は 80.3%,12 ヵ月全生存割合は 61.1%と推定された.グレード 3 以上のサイトカイン放出症候群が 2.4%に発現し,グレード 3 以上の免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群が 7.1%に発現した.

結 論

再発または難治性の B 細胞 ALL の成人では,obe-cel により,持続的奏効が高い割合で得られ,グレード 3 以上の免疫関連毒性の発現率は低かった.(オートラス セラピューティクス社から研究助成を受けた.FELIX 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号NCT04404660)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 391 : 2219 - 30. )