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March 13, 2025 Vol. 392 No. 11

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血流感染患者に対する抗菌薬の 7 日間投与と 14 日間投与との比較
Antibiotic Treatment for 7 versus 14 Days in Patients with Bloodstream Infections

The BALANCE Investigators

背景

血流感染は,高い合併症発生率および死亡率と関連している.早期の適切な抗菌薬治療が重要であるが,投与期間は明らかにされていない.

方 法

多施設共同非劣性試験を行い,血流感染を有する入院患者(集中治療室 [ICU] 患者を含む)を,抗菌薬を 7 日間投与する群と,14 日間投与する群に無作為に割り付けた.抗菌薬の種類,用法・用量,投与経路は,治療チームの判断により決定された.重度の免疫抑制状態にある患者,長期の治療を必要とする病巣を有する患者,培養が 1 セットのみでコンタミネーションの可能性がある患者,培養から黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)が分離された患者は除外した.主要転帰は血流感染の診断後 90 日までの全死因死亡とし,非劣性マージンは 4 パーセントポイントとした.

結 果

7 ヵ国 74 病院で無作為化され,intention-to-treat 解析の対象となったのは 3,608 例であった.1,814 例が 7 日間投与群,1,794 例が 14 日間投与群であった.組入れ時に,患者の 55.0%が ICU に入室しており,45.0%が病棟に入院していた.感染場所は,市中(75.4%),病棟(13.4%),ICU(11.2%)に分類された.菌血症の感染源は,尿路(42.2%),腹部(18.8%),肺(13.0%),血管カテーテル(6.3%),皮膚または軟部組織(5.2%)の順で多かった.診断後 90 日までに,抗菌薬投与を 7 日間受けた 261 例(14.5%)と,14 日間受けた 286 例(16.1%)が死亡しており(差 -1.6 パーセントポイント [95.7%信頼区間 {CI} -4.0~0.8]),短い投与期間の非劣性が示された.割り付けられた期間より長く投与された患者の割合は,7 日間群で 23.1%,14 日間群で 10.7%であった.per-protocol 解析でも非劣性が示された(差 -2.0 パーセントポイント [95% CI -4.5~0.6]).これらの結果は,副次的臨床転帰全体と,患者・病原体・病態の特性別に事前に規定したサブグループ全体で,おおむね一致していた.

結 論

血流感染を有する入院患者において,抗菌薬の 7 日間投与は,14 日間投与に対して非劣性であった.(カナダ健康研究所ほかから研究助成を受けた.BALANCE 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03005145)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2025; 392 : 1065 - 78. )