心房細動に対するアブレーション後の左心耳閉鎖術
Left Atrial Appendage Closure after Ablation for Atrial Fibrillation
O.M. Wazni and Others
脳卒中リスクの高い患者に対する心房細動アブレーション後は,経口抗凝固療法が推奨されている.左心耳閉鎖術は,抗凝固療法の機械的な代替治療であるが,心房細動アブレーション後に用いた場合のデータは少ない.
国際共同無作為化試験を行い,心房細動を発症し,CHA2DS2-VASc スコア(0~9 で,値が高いほど脳卒中リスクが高いことを示す)が高く(男性 2 以上,女性 3 以上),カテーテルアブレーションを受けた患者 1,600 例を組み入れた.患者を,左心耳閉鎖術を行う群と,経口抗凝固療法を行う群に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要安全性評価項目は,手技に関連しない大出血または臨床的に重要な非大出血とし,優越性を検定した.主要有効性評価項目は,36 ヵ月の時点での全死因死亡,脳卒中,全身性塞栓症の複合とし,非劣性を検定した.副次的評価項目は 36 ヵ月までの大出血(手技に関連する出血を含む)とし,非劣性を検定した.
803 例が左心耳閉鎖術群,797 例が抗凝固療法群に割り付けられた.平均(±SD)年齢は 69.6±7.7 歳で,34.1%が女性であり,CHA2DS2-VASc スコアの平均は 3.5±1.3 であった.36 ヵ月の時点で,主要安全評価項目イベントは,左心耳閉鎖術群(デバイス群)の 65 例(8.5%)と抗凝固療法群の 137 例(18.1%)に発生し(優越性の P<0.001),主要有効性評価項目イベントはそれぞれ 41 例(5.3%)と 44 例(5.8%)に発生し(非劣性の P<0.001),副次的評価項目イベントは 3.9%と 5.0%に発生していた(非劣性の P<0.001).心耳閉鎖デバイスまたは手技に関連する合併症は 23 例に発生した.
心房細動のカテーテルアブレーションを受けた患者において,左心耳閉鎖術を施行した場合,経口抗凝固療法と比較して,手技に関連しない大出血または臨床的に重要な非大出血のリスクが低かった.また,36 ヵ月の時点での全死因死亡,脳卒中,全身性塞栓症の複合に関して,経口抗凝固療法に対して非劣性を示した.(ボストン・サイエンティフィック社から研究助成を受けた.OPTION 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03795298)