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April 17, 2025 Vol. 392 No. 15

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発作性心房細動に対するパルスフィールドアブレーションとクライオバルーンアブレーションとの比較
Pulsed Field or Cryoballoon Ablation for Paroxysmal Atrial Fibrillation

T. Reichlin and Others

背景

肺静脈隔離術は,発作性心房細動に対する有効な治療法である.パルスフィールドアブレーション(PFA)は,非熱的アブレーション法であり,心筋以外に有害作用をもたらすことは少ない.PFA 施行後の転帰を持続リズムモニタリングで評価し,クライオバルーンアブレーションと比較したデータはない.

方 法

スイスで無作為化非劣性試験を行い,有症状の発作性心房細動患者を,PFA を行う群と,クライオアブレーションを行う群に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.心房性頻脈性不整脈を検出するため,全例に植込み型心臓モニターを植え込んだ.主要評価項目は,アブレーション後 91~365 日目の期間における心房性頻脈性不整脈の初回再発とした.累積再発率の差 20 パーセントポイントをマージンとして,非劣性を評価した.安全性評価項目は手技関連合併症の複合とした.

結 果

105 例が PFA 群,105 例がクライオアブレーション群に割り付けられた.91~365 日目の期間中,心房性頻脈性不整脈の再発は,PFA 群では 39 例,クライオアブレーション群では 53 例に認められた(Kaplan–Meier 累積発生率はそれぞれ 37.1%と 50.7%,群間差 -13.6 パーセントポイント,95%信頼区間 -26.9~-0.3,非劣性の P<0.001,優越性の P=0.046).安全性評価項目は,PFA 群では 1 例(1.0%),クライオアブレーション群では 2 例(1.9%)に発生した.

結 論

有症状の発作性心房細動患者において,PFA は,持続リズムモニタリングで評価した心房性頻脈性不整脈の初回再発率に関して,クライオバルーンアブレーションに対して非劣性であった.(インセルスピタル [ベルン大学病院] ほかから研究助成を受けた.SINGLE SHOT CHAMPION 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT05534581)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2025; 392 : 1497 - 507. )