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June 26, 2025 Vol. 392 No. 24

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代謝機能障害関連脂肪肝炎による代償性肝硬変に対するエフルキシフェルミン
Efruxifermin in Compensated Liver Cirrhosis Caused by MASH

M. Noureddin and Others

背景

2 価線維芽細胞増殖因子 21(FGF21)アナログのエフルキシフェルミン(efruxifermin)は,代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)によるステージ 2 または 3 の肝線維化を有する患者を対象とした第 2 相試験で,肝線維化を改善し,MASH を消失させた.MASH による代償性肝硬変(肝線維化ステージ 4)の患者における,エフルキシフェルミンの有効性と安全性に関するデータが必要である.

方 法

第 2b 相無作為化プラセボ対照二重盲検試験で,生検で代償性肝硬変(肝線維化ステージ 4)が確認された MASH 患者を,エフルキシフェルミン(28 mg を週 1 回または 50 mg を週 1 回)を皮下投与する群と,プラセボを投与する群に割り付けた.主要転帰は,36 週の時点での MASH の悪化を伴わない肝線維化ステージの 1 段階以上の改善とした.副次的転帰は,96 週の時点での MASH の悪化を伴わない肝線維化ステージの 1 段階以上の改善などとした.

結 果

無作為化された患者のうち,181 例がエフルキシフェルミンまたはプラセボの投与を 1 回以上受けた.このうち,肝生検は 36 週の時点では 154 例,96 週の時点では 134 例に行われた.36 週の時点で,MASH の悪化を伴わない肝線維化の改善は,プラセボ群では 61 例中 8 例(13%)に認められ,エフルキシフェルミン 28 mg 群では 57 例中 10 例(18%)に認められ(層別化因子で補正後の,プラセボとの差 3 パーセントポイント;95%信頼区間 [CI] -11~17;P=0.62),エフルキシフェルミン 50 mg 群では 63 例中 12 例(19%)に認められた(プラセボとの差 4 パーセントポイント,95% CI -10~18,P=0.52).96 週の時点では,MASH の悪化を伴わない肝線維化の改善は,プラセボ群では 61 例中 7 例(11%)に認められ,エフルキシフェルミン 28 mg 群では 57 例中 12 例(21%)に認められ(プラセボとの差 10 パーセントポイント,95% CI -4~24),エフルキシフェルミン 50 mg 群では 63 例中 18 例(29%)に認められた(プラセボとの差 16 パーセントポイント,95% CI 2~30).消化器系有害事象がエフルキシフェルミン群でより高頻度に発現したが,大部分が軽度または中等度であった.

結 論

MASH による代償性肝硬変の患者において,エフルキシフェルミンは,36 週の時点で肝線維化を有意に改善しなかった.(アケロ セラピューティクス社から研究助成を受けた.SYMMETRY 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT05039450)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2025; 392 : 2413 - 24. )