February 6, 2025 Vol. 392 No. 6
6 歳以上 12 歳未満の肥満の小児に対するリラグルチド ― 無作為化試験
Liraglutide for Children 6 to <12 Years of Age with Obesity — A Randomized Trial
C.K. Fox and Others
12 歳未満の小児には,非単一遺伝子性,非症候群性の肥満に対して,現在承認されている治療薬はない.リラグルチドは,肥満の成人と思春期児に使用した場合,体重減少をもたらすことが示されているが,小児における安全性と有効性は確立されていない.
投与期間 56 週間,追跡期間 26 週間の第 3a 相試験を行い,肥満の小児(6 歳以上 12 歳未満)を,リラグルチド 3.0 mg(または最大耐用量)を 1 日 1 回皮下投与する群と,プラセボを投与する群に 2:1 の割合で無作為に割り付けた.生活習慣介入も行った.主要評価項目は体格指数(BMI;体重 [kg]/身長 [m]2)の変化量(%)とした.体重の変化量(%)と BMI の 5%以上の低下を検証的副次的評価項目とした.
82 例が無作為化され,56 例がリラグルチド群,26 例がプラセボ群に割り付けられた.56 週の時点で,BMI のベースラインからの変化量(%)の平均値は,リラグルチド群で -5.8%,プラセボ群で 1.6%であり,推定差は -7.4 パーセントポイント(95%信頼区間 [CI] -11.6~-3.2,P<0.001)であった.体重の変化量(%)の平均値は,リラグルチド群で 1.6%,プラセボ群で 10.0%であり,推定差は-8.4 パーセントポイント(95% CI -13.4~-3.3,P=0.001)であった.BMI の 5%以上の低下は,リラグルチド群の 46%とプラセボ群の 9%に認められた(補正オッズ比 6.3 [95% CI 1.4~28.8],P=0.02).有害事象は,リラグルチド群の 89%とプラセボ群の 88%に発現した.消化器系有害事象は,リラグルチド群のほうが頻度が高く(80% 対 54%),重篤な有害事象は,リラグルチド群の 12%とプラセボ群の 8%で報告された.
肥満の小児(6 歳以上 12 歳未満)に対して,リラグルチドの 56 週間の投与と生活習慣介入を行った場合,プラセボ投与と生活習慣介入を行った場合と比較して,BMI が大きく低下した.(ノボ ノルディスク社から研究助成を受けた.SCALE Kids 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04775082)