February 13, 2025 Vol. 392 No. 7
進行神経内分泌腫瘍を治療するためのカボザンチニブの第 3 相試験
Phase 3 Trial of Cabozantinib to Treat Advanced Neuroendocrine Tumors
J.A. Chan and Others
進行神経内分泌腫瘍患者に対する治療選択肢は限られている.治療歴のある,進行性の膵外神経内分泌腫瘍または膵神経内分泌腫瘍の治療における,カボザンチニブの有効性は明らかにされていない.
ペプチド受容体放射性核種療法,標的療法,またはその両方による治療歴のある患者から成る,独立した 2 つのコホート(膵外神経内分泌腫瘍患者のコホートと,膵神経内分泌腫瘍患者のコホート)を登録した.各コホート内で,患者を,カボザンチニブ 60 mg/日を投与する群と,プラセボを投与する群に 2:1 の割合で無作為に割り付けた.主要評価項目は,盲検下独立中央判定により評価した無増悪生存とした.重要な副次的評価項目は,客観的奏効,全生存,安全性とした.
膵外神経内分泌腫瘍患者 203 例のコホートにおいて,無増悪生存期間の中央値は,カボザンチニブ群で 8.4 ヵ月,プラセボ群で 3.9 ヵ月であった(病勢進行または死亡の層別化ハザード比 0.38,95%信頼区間 [CI] 0.25~0.59,P<0.001).膵神経内分泌腫瘍患者 95 例のコホートにおいて,無増悪生存期間の中央値は,カボザンチニブ群で 13.8 ヵ月,プラセボ群で 4.4 ヵ月であった(層別化ハザード比 0.23,95% CI 0.12~0.42,P<0.001).カボザンチニブによる確定された客観的奏効割合は,膵外神経内分泌腫瘍患者で 5%,膵神経内分泌腫瘍患者で 19%であったのに対し,プラセボによる客観的奏効割合は,いずれのコホートでも 0%であった.グレード 3 以上の有害事象は,カボザンチニブの投与を受けた患者では 62~65%に認められ,プラセボの投与を受けた患者では 23~27%に認められた.グレード 3 以上の治療関連有害事象で頻度が高かったのは,高血圧,倦怠感,下痢,血栓塞栓イベントなどであった.
治療歴のある,進行性の膵外神経内分泌腫瘍または膵神経内分泌腫瘍の患者に対して,カボザンチニブを投与した場合,プラセボを投与した場合と比較して無増悪生存期間が有意に延長した.有害事象は,カボザンチニブの既知の安全性プロファイルと一致していた.(米国国立がん研究所ほかから研究助成を受けた.CABINET 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03375320)