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February 27, 2025 Vol. 392 No. 9

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軟骨無形成症の小児に対する経口インフィグラチニブ療法
Oral Infigratinib Therapy in Children with Achondroplasia

R. Savarirayan and Others

背景

軟骨無形成症は,生涯にわたる著明な低身長と内科的合併症をきたす遺伝性骨系統疾患である.インフィグラチニブ(infigratinib)は,軟骨無形成症の治療薬として開発中の,経口投与で生物学的利用能を示す FGFR1~3 選択的チロシンキナーゼ阻害薬である.

方 法

第 2 相用量設定試験で,3~11 歳の軟骨無形成症の小児を対象に,経口インフィグラチニブの安全性と有効性を評価した.72 例を,インフィグラチニブを 1 日あたり 0.016 mg/kg 体重投与するコホート 1,0.032 mg/kg 投与するコホート 2,0.064 mg/kg 投与するコホート 3,0.128 mg/kg 投与するコホート 4,0.25 mg/kg投与するコホート 5 に組み入れ,6 ヵ月間投与した.その後 12 ヵ月間継続投与した.継続投与期には,コホート 1 と 2 は 6 ヵ月と 12 ヵ月の時点で次に高い用量への漸増を可能とした.主要安全性転帰は,インフィグラチニブの減量または中止にいたった有害事象の発現とした.主要有効性転帰は,年間成長率のベースラインからの変化量とした.

結 果

投与期間中,全例に有害事象が 1 件以上発現した.大部分は軽度または中等度であり,投与中止にいたった有害事象はなかった.コホート 5 では,年間成長率が高く,その高さは試験期間中持続し,18 ヵ月の時点でのベースラインからの変化量の平均は,2.50 cm/年(95%信頼区間 [CI] 1.22~3.79,P=0.001)であった.18 ヵ月の時点で,未治療の軟骨無形成症の参照集団と比較した身長の z スコアのベースラインからの変化量の平均は 0.54(95% CI 0.35~0.72)であり,座高/下肢長比のベースラインからの変化量の平均は -0.12(95% CI -0.18~-0.06)であった.

結 論

インフィグラチニブの経口投与に明白かつ重大な安全性シグナルは認められず,コホート 5 では,投与開始後 18 ヵ月の時点における年間成長率と z スコアが高く,座高/下肢長比が低かった.(ブリッジバイオ ファーマ社から研究助成を受けた.PROPEL2 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04265651)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2025; 392 : 865 - 74. )