The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

May 2, 2002
Vol. 346 No. 18

  • 腫瘍壊死因子 α の阻害による強直性脊椎炎の治療
    Treatment of Ankylosing Spondylitis by Inhibition of Tumor Necrosis Factor α

    腫瘍壊死因子 α の阻害による強直性脊椎炎の治療

    強直性脊椎炎は治療が困難である.罹患した患者は,疾患の発現から数十年経っても,しばしば急性炎症を起し,不快感を感じる.腫瘍壊死因子 α が脊椎関節炎に関与していると考えられているため,著者らは,組換えヒト腫瘍壊死因子受容体:Fc 融合蛋白質であるエタナーセプト(etanercept)を用いて,無作為プラセボ対照試験およびその後オープンラベルの延長試験を実施した.エタナーセプトによる治療の結果,有意な持続する改善をもたらした;4 ヵ月後,エタナーセプトを投与した患者の 80%が主要エンドポイントに達し,治療の奏効が認められたのに対し,プラセボ群は 30%であった.当初プラセボ投与を受けた患者は,両群がエタナーセプトの投与を受けた 6 ヵ月間の延長試験のあいだに,迅速な改善を示した.
    この試験の結果は,腫瘍壊死因子 α の阻害が,強直性脊椎炎患者を臨床的に改善するという概念を裏付けている.この治療法の長期転帰は不明である.

  • 拡張型心筋症における心筋遺伝子の発現
    Myocardial Gene Expression in Dilated Cardiomyopathy

    拡張型心筋症における心筋遺伝子の発現

    β 遮断薬療法は拡張型心筋症患者に有益である可能性がある.この研究では,心収縮性と心肥大に影響を及ぼす心筋遺伝子の発現について β 遮断薬療法開始前と開始後に検討した.治療に対する反応は,α ミオシン重鎖と筋小胞体中のカルシウム ATPase をコードする遺伝子の発現増加を伴った.
    心不全の効果的な治療法,この場合 β 遮断薬による治療は,心収縮性の調節に関与する重要な心筋遺伝子の発現の変化を伴う.

  • ネイルサロンでのフットバス後のマイコバクテリア性症
    Mycobacterial Boils after Footbaths at a Nail Salon

    ネイルサロンでのフットバス後のマイコバクテリア性 症

    北カリフォルニアの医師が,同じネイルサロンでペディキュアをしたあと,下肢に多発性培養陰性症を発症した女性 4 例を報告した.調査により,さらに 106 名の客が,同様な持続性皮膚感染症を発症していることが明らかになった.全員がペディキュアの前に渦流式フットバスを使用していた.患者 14 例と 3 個のフットバスから,同じ株の Mycobacterium fortuitum が単離された.
    この大規模な流行は,数ヵ月間認識されなかった.ネイルサロンにおいて,汚染源が,渦流式フットバスの吸水口にあるスクリーンの背後にたまった髪の毛と皮膚の残骸であることが突き止められた.このような状況での感染を防ぐために新たな規制が必要かもしれない.

  • Special Article:HIV 感染に対する実験的治療の利用
    Special Article: Access to Experimental Treatments for HIV Infection

    Special Article:HIV 感染に対する実験的治療の利用

    少数民族や女性は,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染に対する研究試験への参加が少なく,実験的治療を受ける可能性が小さいのではないかとの懸念がある.米国における HIV 感染患者を対象としたこの研究により,黒人とヒスパニック系の人は白人よりも試験に参加する可能性が小さく,実験的治療を受けた可能性が低いことが明らかとなった.女性は,試験において数が少ないことはなく,また男性と同程度に実験的治療を受ける可能性があった.
    この研究によると,HIV 治療を受けている成人の推定 14%が投薬試験に参加した経験をもち,約 1/4 が実験的投薬を受けたことがある.この割合は,他の疾患患者における割合よりも高いが,人種や民族集団間で利用に関してかなりの差が存在する.

  • 医学の進歩:気管支拡張症
    Medical Progress: Bronchiectasis

    医学の進歩:気管支拡張症

    気管支拡張症(気管支の恒久的拡張)は,現在ではまれであるが,重篤な疾患を引き起す可能性がある.慢性感染がその病理学的機序に重要な役割を果しており,免疫不全状態,嚢胞性線維症,および原発性線毛運動障害は,患者にこの疾患の素因を与える可能性がある.診断は高解像度 CT により非常に容易になっている.この総説は,最近の治療法を含めた,この疾患のすべての面を扱っている.

  • Clinical Problem-Solving:1 歩離れて
    Clinical Problem-Solving: One Foot Away

    Clinical Problem-Solving:1 歩離れて

    全身性エリテマトーデスの既往がある 59 歳の女性は,ヒドロキシクロロキン 200 mg/日とプレドニゾン 20 mg/日の投与を受けていたが,発熱,腹痛,血尿で受診した.患者はループス腎炎の既往のためシクロホスファミドの投与を受けたことがある.健康診断では血圧は 90/50 mmHg で,クッシング様様相,恥骨上の圧痛,左足背部に腫瘤が認められている.