The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

July 4, 2002
Vol. 347 No. 1

  • 不安定狭心症における広汎な冠動脈の炎症
    Widespread Coronary Inflammation in Unstable Angina

    不安定狭心症における広汎な冠動脈の炎症

    不安定冠動脈プラーク内の炎症は,びらんや破裂を引き起して不安定狭心症の原因となる可能性がある.この研究では,好中球ミエロペルオキシダーゼ測定値を用いて,大動脈,大腿静脈および大心臓静脈から得た血液中の好中球の活性化を評価した.このデータは,不安定狭心症では,単独の原因プラークだけではなく,冠動脈床に広範な炎症があるという概念を支持している.
    これらの知見は,不安定冠動脈疾患は,冠動脈樹全般における炎症反応と関連していることを示す多くの知見に加わるものである.単一の不安定プラークの治療が広汎な冠動脈の炎症の問題を解決しない可能性があることから,治療的に重要な意味があるかもしれない.

  • 蚊の刺咬に対する防虫剤の有効性の比較
    Comparative Efficacy of Insect Repellents against Mosquito Bites

    昆虫媒介疾患は,世界中で病気と死亡の主因である.防虫薬は,昆虫に刺されるリスクを低減させることができる.この研究では,米国で消費者が入手できるどの防虫剤がもっとも完全で信頼できる防御を与えるかを評価するため,ボランティアが蚊を入れた規格ケージの中へ腕を入れ,最初に刺されるまでの経過時間を研究者らが測定した.高濃度の N,N -ジエチル- 3 -メチルベンズアミド(DEET)を含む製品がもっとも有効であり,IR3535 や植物成分を含む他の製品は,防御効果がずっと低かった.
    DEET をベースとする防虫薬のみから,長時間持続する十分な防御が得られる.蚊媒介疾患が大きな脅威となる環境では,非 DEET ベースの防虫剤は信頼できない.

  • 血栓性素因に関連した多型
    Polymorphisms Associated with Thrombophilia

    女性の血栓性素因の多型が,その子供における子宮内発育抑制のリスク増加と関連しているかどうかは不明である.この大規模症例対照研究では,母親または新生児におけるメチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)C677T または A1298C,第 V 因子 Leiden G1691A あるいはプロトロンビン G20210A の多型の存在は,子宮内発育抑制(10 パーセンタイル未満の出生体重と定義)のリスク増加と関連していなかった.
    より少数の対象者を用いた以前の本誌報告とは対照的に,今回の知見では,母親の血栓性素因に関連した数種類の多型と子宮内発育抑制リスクのあいだに関連性を示していない.新生児におけるそうした多型も,子宮内発育抑制のリスクを増加させているとは考えられない.

  • 造血細胞移植レシピエントにおける不活化水痘ワクチン
    Inactivated Varicella Vaccine in Hematopoietic-Cell Recipients

    造血細胞移植レシピエントにおける不活化水痘ワクチン

    造血細胞移植レシピエントにおける熱不活化水痘ワクチンの有効性を,ワクチン接種群をワクチン非接種群と比較した無作為試験において評価した.ワクチン接種患者は,対照群患者よりも帯状疱疹の発生率が有意に低く,また,臨床的に有意な水痘帯状疱疹ウイルスに対する T 細胞免疫を,ワクチン非接種患者よりも早く回復した.
    この試験は,最初のワクチン接種が移植後ではなく移植前に行われたという点で,造血細胞移植レシピエントにおける帯状疱疹を予防するこれまでの試みと異なっている.今回の結果は,ワクチンによって惹起された予防効果をもった記憶 T 細胞が,骨髄破壊的前処置を行っても残存できることを示している.

  • Images in Clinical Medicine(Web のみ):マラリアと鎌状赤血球症
    Images in Clinical Medicine (Web only):Malaria and Sickle Cell Disease

    Images in Clinical Medicine(Web のみ):マラリアと鎌状赤血球症

    ヘモグロビン S は P. falciparum を防御すると考えられるが,これは常に当てはまるわけではない.

  • Clinical Practice:造血細胞移植後の長期ケア
    Clinical Practice: Long-Term Care after Hematopoietic-Cell Transplantation

    Clinical Practice:造血細胞移植後の長期ケア

    急性骨髄性白血病のため 2 年前に同種造血細胞移植を受けた 35 歳の男性が,最近新しい町に引っ越してきた.男性は疲れやすく,副鼻腔炎が頻発するため,総合検診の目的で来院した.身体診察では小中軸白内障,いくつかの点在白斑および口渇がみられた.造血細胞移植成功後の患者の長期追跡において,何が大きな問題点であろうか?
    現在 2 万人以上の患者が造血細胞移植後 5 年以上生存しており,そのような患者の多くはプライマリケア提供者により追跡されている.この論文では,この集団特有の医療問題と管理に対するアプローチについて概説している.

  • 医学の進歩:低炭酸ガス血
    Medical Progress: Hypocapnia

    動脈血における二酸化炭素の低分圧と定義される低炭酸ガス血は,通常耐容性があり明らかな作用がないことが多い.低炭酸ガス血への一時的な誘導は,重症の頭蓋内高血圧患者あるいは新生児の肺動脈圧上昇おける救命処置となりうるが,長期の低炭酸ガス血は転帰に悪影響を与える可能性がある.この論文において Laffey と Kavanagh は,低炭酸ガス血の有病率と病因,および臨床医学における低炭酸ガス血の役割について概説している.
    著者らは,超低炭酸ガス血あるいは長期低炭酸ガス血の誘導に対する以前からの勧告を再検討するための強力な議論を提示している.