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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

November 7, 2002
Vol. 347 No. 19

  • 自閉症と麻疹・流行性耳下腺炎・風疹の予防接種
    Autism and Measles, Mumps, and Rubella Vaccination

    麻疹・流行性耳下腺炎・風疹(MMR)のワクチンは,生きた弱毒化麻疹ウイルスを含有しており,そのためワクチンが幼児における自閉症の原因であるという主張がある.この研究には,1991~98 年までにデンマークで出生したすべての小児が組み入れられた.研究者らは,自閉症障害に関する全国的な登録データを使用して,MMR 予防接種とその後の自閉症診断のあいだ(相対リスク 0.92;95%信頼区間 0.68~1.24)または関連障害の診断とのあいだ(相対リスク 0.83;95%信頼区間 0.65~1.07)に関連がないことを見出した.
    この全国的なコホート研究には,537,303 人の小児が対象となっており,選択バイアスや誤分類のバイアスに関係する問題を未然に防いだ.結果は,MMR 予防接種が自閉症の原因ではないという強力な根拠を示している.

  • 運動の量と強度がリポ蛋白に与える影響
    Effects of the Amount and Intensity of Exercise on Lipoproteins

    運動の量と強度がリポ蛋白に与える影響

    定期的な運動による健康上の利益は十分に確立されており,その一部は血漿リポ蛋白の変化を介している.この研究では,血漿リポ蛋白に変化をもたらす,定期的運動の量と強度の相対的重要性を検討した.1 週間当りの運動量が,運動強度よりも,リポ蛋白に対してより大きな効果があることを示した.
    公衆衛生的に重要なメッセージは,中程度の速度で 1 週間当り 17~18 マイルジョギングをするのに相当する運動が,血漿リポ蛋白に臨床上意義のある変化を起させるのに十分であるということである.より量の少ない同強度の運動は,それほど有益ではない.

  • システイニルロイコトリエン受容体とアスピリン感受性
    Cysteinyl Leukotriene Receptor and Aspirin Sensitivity

    システイニルロイコトリエン受容体とアスピリン感受性

    アスピリン過敏症患者には,喘息,鼻副鼻腔炎および鼻ポリープといった症状がある.これらの所見は,システイニルロイコトリエンの,それらの受容体の 1 つにおける作用に一部起因すると考えられている.アスピリンはこの反応を起すこともあるが,アスピリンへの長期曝露により脱感作状態が誘導されることから,アスピリンは効果的な治療にもなりうる.この研究において著者らは,アスピリン感受性の鼻副鼻腔炎患者では,鼻生検標本の炎症細胞におけるシステイニルロイコトリエン受容体 CysLT1 の発現が上昇しており,アスピリンによる脱感作がこれらの細胞におけるこの受容体の発現低下と関連していることを示している.
    これらのデータは,アスピリン感受性というパズルのもう 1 つの鍵となるピースを明らかにしているが,全体の構想はまだ完成していない.炎症細胞上のアスピリンに制御された CysLT1 受容体の発現とアスピリン感受性に起因する臨床症状との関連は,依然として推測の域にとどまる.

  • 短報:水痘‐帯状疱疹ウイルスによる血管症
    Brief Report: Vasculopathy Due to Varicella--Zoster Virus

    短報:水痘‐帯状疱疹ウイルスによる血管症

    71 歳の男性は,仙骨に帯状疱疹が発現してから数ヵ月後,右前大脳動脈の閉塞に伴う一過性脳虚血発作を起した.また,76 歳の女性は,帯状疱疹が眼部周辺に発現してから 6 ヵ月後,左目の視力を突然喪失した.両症例とも,急性の血管系イベントが水痘‐帯状疱疹ウイルスにより引き起され,症状はアシクロビルの静脈内投与後に消散した.

  • Clinical Practice:非糖尿病性腎疾患
    Clinical Practice: Nondiabetic Kidney Disease

    糖尿病ではない 66 歳の男性は,高血圧が悪化している.血清クレアチニン濃度は 1.8 mg/dL(159 μ mol/L),蛋白尿(2+),空腹時の血清低比重リポ蛋白コレステロール濃度は 140 mg/dL(3.6 mmol/L)である.患者はたばこを 1 日に半箱吸う.超音波検査では,水腎症や嚢胞のない,小さくて左右対称な腎臓を示した.腎疾患の進行を遅延させるためには,この患者をどのように評価し,治療するべきだろうか?
    この論文では,非糖尿病性腎疾患の分類と疾患進行の遅延へのアプローチを概説している.

  • ゲノム医学:ゲノム医学 ― 入門
    Genomic Medicine: Genomic Medicine -- A Primer

    ゲノム医学:ゲノム医学 ― 入門

    この論文は,本誌のゲノム医学に関するシリーズの第 1 弾である.遺伝学でよく用いられている用語の定義を提供し,遺伝学とゲノム学の相違を概説し,日々の患者のケアに遺伝情報が利用できる方法の例をあげている.わずか約 30,000 個の遺伝子から 100,000 個以上の蛋白質が得られる機序を述べ,よくみられるさまざまなタイプの突然変異を確認して定義し,遺伝様式――単純なメンデル遺伝から複雑なミトコンドリア遺伝まで――を詳述している.