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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

November 28, 2002
Vol. 347 No. 22

  • 内臓リーシュマニア症に対する経口薬
    An Oral Agent against Visceral Leishmaniasis

    内臓リーシュマニア症に対する経口薬

    ミルテホシンは,インドの内臓リーシュマニア症に対して活性のあることが明らかになっており,経口投与することができる.このインドにおける無作為試験では,ミルテホシン治療と,もっとも効果的な標準治療であるアムホテリシン B の静脈内投与とを比較した.初回治癒率は,両群ともに 100%であった.6 ヵ月後,ミルテホシン群の患者 299 例中 94%が治癒したと思われた.
    ほとんどの内臓リーシュマニア症患者は,治療されないままにされると,この疾患により死亡してしまう.ミルテホシンはアムホテリシン B と同程度の効果があるようだが,アムホテリシン B は非経口的に投与しなければならない.有効な経口薬は,有用でもあることが判明するであろう.小児に関しては,さらにすすんだ研究が必要である.

  • 水銀,魚油と心筋梗塞
    Mercury, Fish Oils, and Myocardial Infarction

    水銀,魚油と心筋梗塞

    魚類に含まれている水銀が,魚の n-3 系脂肪酸の有益な効果を相殺するかどうかは明らかではない.男性を対象とした今回の症例対照研究では,n-3 系脂肪酸濃度とその他の冠動脈リスク因子で補正すると,足指爪標本中の水銀含有量の高値が,初回心筋梗塞のリスク上昇と関連していた.
    これらの知見は,一部の魚類における高い水銀含有量が,魚類の摂取による心臓保護効果を低下させる可能性を示唆している.

  • 水銀と冠動脈心疾患
    Mercury and Coronary Heart Disease

    歯科医とその他の医療専門職から構成されるコホートを用いた,今回のコホート内症例対照研究では,足指爪の水銀含有量と冠動脈心疾患のリスクとの関連性を評価した.全体として,水銀と冠動脈心疾患イベントのあいだに有意な関連性は認められなかった.しかし,著者らは,元素の状態の水銀(歯科医が職業上曝露される水銀)による影響は,魚類に含まれるメチル水銀の影響とは異なる可能性を指摘している.
    この研究では,水銀含有量と心筋梗塞リスクとの関連性は認められなかったが,弱い関連性は否定できなかった.

  • 痴呆の予測因子としての神経学的歩行異常
    Neurologic Gait Abnormality as a Predictor of Dementia

    不安定歩行や失調歩行のような神経学的歩行異常は,さまざまなタイプの非アルツハイマー型痴呆と関連している.この前向き研究では,研究者らは,75 歳を超え,痴呆所見のない被験者 422 例を対象に歩行異常を分析した.追跡期間中,125 例に痴呆が発症した.ベースライン時での歩行異常の存在は,有意な痴呆予測因子であったが(ハザード比 1.96),主にアルツハイマー病(ハザード比 1.07)とではなく,むしろ非アルツハイマー型痴呆(ハザード比 3.51)と関連があった.
    不安定歩行または正面歩行のような影響を伴う神経学的異常を有する高齢患者は,痴呆 ―― とくに脳血管疾患に続発する痴呆 ―― のリスクが増大している.

  • 医学の進歩:腸チフス
    Medical Progress: Typhoid Fever

    医学の進歩:腸チフス

    腸チフスの苦難は,発展途上国にもっとも大きく降りかかっている.サルモネラ属感染に対する簡単な診断検査がないため,腸チフスの重要性がしばしば過小評価されている.合併症は,消化管出血,腸管穿孔,脳障害などである.何十年ものあいだ,安価で効果的な経口抗菌剤が使用されているが,耐性菌の出現により状況は変化している.新規の結合 Vi ワクチンを用いた集団予防接種プログラムが魅力的な選択肢であるかもしれない.

  • Legal Issues in Medicine:倫理の向上,精神遅滞,そして死刑
    Legal Issues in Medicine: Moral Progress, Mental Retardation, and the Death Penalty

    2002 年 6 月,米国最高裁判所は,精神遅滞の犯罪者に死刑を執行することは違憲であると裁定した.この論文では,この決定について概説し,医師へ及ぼす影響について述べている.裁定の結果,より多くの医師や心理学者が,犯罪者が死刑の適格者であるかどうかを判断する評価を行うよう,求められるであろう.