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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

December 12, 2002
Vol. 347 No. 24

  • ワクチンを接種した小児での水痘の集団発生
    An Outbreak of Varicella among Vaccinated Children

    ワクチンを接種した小児での水痘の集団発生

    ニューハンプシャー州の保育所で,水痘ワクチンの接種を受けていた 17 例を含む健常な幼児 25 例で,水痘感染が集団発生した.初発患者は 4 歳で,3 年前にワクチン接種を受けていた.今回の集団発生では,以前に受けた水痘ワクチンの有効性は,あらゆる重症度の水痘に対してはわずか 44%であったが,中等度または重度の水痘に対しては 86%であった.
    ワクチン接種率の高い集団におけるこの集団発生は,水痘が,ワクチン接種を受けた健常な小児に対しても高い感染性をもつ可能性を示している.ワクチンの有効性は,いままでの研究による 71~100%という推測値をかなり下回った.

  • 心筋梗塞のリスクと候補遺伝子多型
    Risk of Myocardial Infarction and Polymorphisms in Candidate Genes

    心筋梗塞のリスクと候補遺伝子多型

    心筋梗塞のリスクは,遺伝的要因に影響されることが知られているが,そのような要因はほとんど同定されていない.この研究では,男性においてコネキシン 37 遺伝子の多型,女性においてプラスミノーゲン活性化阻害因子 1 型遺伝子とストロメリシン 1 遺伝子の多型が,心筋梗塞のリスクの増大と関連していることが判明した.
    それぞれの蛋白質の細胞機能に基づいて考えると,これらおのおのの蛋白の変異が心筋梗塞のリスクに影響を与えることが予測される.そのような遺伝的危険因子を明らかにすることが,一次予防の取り組みの向上につながるかもしれない.

  • 脚を脅かす損傷を負ったさいの再建と切断の比較
    Reconstruction versus Amputation after Leg-Threatening Injuries

    この観察研究では,脚を脅かす損傷を負い,再建または切断を受けた患者の 2 年転帰を比較した.再建を受けた患者と切断を受けた患者の健康状態(多次元調査票により評価)は,ほぼ同じであった.
    この研究の非無作為デザインは,未解決の交絡が存在する可能性を残しているが,結果は,下肢再建を受けた患者における,健康およびその他の機能的転帰が,切断を受けた患者とほぼ同じである可能性が高いことを示唆している.

  • 患者の安全シリーズのSpecial Article:医療過誤に対する臨床医と一般市民の見方
    Special Article in the Patient Safety Series: Views of Practicing Physicians and the Public on Medical Errors

    この全国調査によると,一般市民も医師も,医療過誤を米国の医療システムにおけるもっとも重要な問題の 1 つとはみていない.臨床医および一般市民は,ほとんどの過誤の責任が個々の医療従事者にあると考えている.医療過誤が広汎に存在し,個人ではなくシステムの欠陥の結果であるという全米科学アカデミー医学部会の報告と,これらの知見は著しく対照的である.これらの意見の食い違いは,医療過誤を減らすための努力が成功することの妨げとなる可能性がある.

  • 医学の進歩:跛行のための運動トレーニング
    Medical Progress: Exercise Training for Claudication

    医学の進歩:跛行のための運動トレーニング

    跛行は,全身性の動脈硬化とそれに伴う末梢性血管疾患の症状であり,歩行により誘発される片足または両足の疼痛が特徴である;跛行は,主にふくらはぎを冒す.跛行は,通常,持続歩行では改善されず,安静でのみ軽減される.承認された薬物の効果は通常限られているため,この苦痛を伴う状態を治療するために運動プログラムが開発されてきた.この総説では,病態生理学とトレーニングの効果を中心に,跛行患者のための運動プログラムに関する理論的根拠について論じている.

  • Clinical Implications of Basic Research:エリスロポエチン
    Clinical Implications of Basic Research: Erythropoietin

    Clinical Implications of Basic Research:エリスロポエチン

    アポトーシスは,黄斑変性症や色素性網膜炎における光受容体細胞の死,および緑内障における網膜神経節細胞の死を引き起す.エリスロポエチン受容体は,両タイプの細胞に存在し,マウスでは,エリスロポエチンがこれらの細胞の光誘発性アポトーシスを阻止する.エリスロポエチンには,変性網膜疾患に対する治療法としての可能性がある.

  • Sounding Board:蓄えのない恒常性― 健康保険制度崩壊の危機
    Sounding Board: Homeostasis without Reserve --The Risk of Health System Collapse

    この“Sounding Board”で,著者は,過去 10 年間にわたり米国の健康保険制度に重圧を与えている公共政策と市場の変化について述べている.健康保険制度はかなりの恒常性を示しており,その構造は劇的には変化していない.しかし著者は,われわれが根本的な問題に取り組んでいないこと,そして過去 10 年間の混乱により健康保険制度にはほとんど蓄えが残っておらず,崩壊の恐れがあることを主張している.