The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

December 26, 2002
Vol. 347 No. 26

  • 小児のインフルエンザによる入院
    Hospitalizations of Children for Influenza

    香港では,インフルエンザと RS ウイルス(RSV)感染の時期が重ならないことがときどきあるため,小児におけるインフルエンザ関連の急性呼吸器疾患の影響について,比較的正確に推定することができる.明確に定義された集団からのデータを用いて,研究者らは,小児においてインフルエンザが原因と考えられる入院率が高いことを見出した:1998 年入院率は, 1 歳未満の小児では 1 万人当り 278.5 人,1 歳以上 2 歳未満では 1 万人当り 218.4 人であった.
    インフルエンザは小児において重大な影響を与えるが,その影響は一般に正しく認識されていない.このような知見は,小児におけるインフルエンザワクチン接種の必要性の検討を促進させるかもしれない.

  • 関節炎患者における再発性潰瘍出血のリスクを減少させるためのセレコキシブ療法とジクロフェナク+オメプラゾール併用療法の比較
    Celecoxib versus Diclofenac plus Omeprazole to Reduce the Risk of Recurrent Ulcer Bleeding in Patients with Arthritis

    関節炎患者における再発性潰瘍出血のリスクを減少させるためのセレコキシブ療法とジクロフェナク+オメプラゾール併用療法の比較

    この無作為対照試験では,関節炎と潰瘍出血を呈する患者を対象に,セレコキシブ療法とジクロフェナク+オメプラゾール併用療法とを比較した.6 ヵ月の追跡期間中における再発性潰瘍出血の発生率は,両群で同程度であった(セレコキシブ群では 4.9%,ジクロフェナク+オメプラゾール併用群では 6.4%).
    COX-2 選択的 NSAID による療法は,非選択的 NSAID とプロトンポンプ阻害薬の併用療法に比べて,再発性潰瘍出血のリスクを減少させるうえで 劣ってはいなかった.しかし,再発性潰瘍出血の発生率は,両群ともに高かった.

  • アルカプトン尿症
    Alkaptonuria

    アルカプトン尿症

    アルカプトン尿症は,HGO 遺伝子における変異やホモゲンチジン酸 1,2-ジオキシゲナーゼ欠損により引き起され,ホモゲンチジン酸(HGA)の蓄積や組織褐変症,結合組織の破壊につながる.この疾患に対する効果的治療法はない.アルカプトン尿症の自然経過に関するこの研究では,患者 58 例(うち 57 例で HGO 変異を検出)における所見を検討している.データは,治療に関する今後の試験のベースラインとすることを意図している.HGA 産生酵素を阻害する nitisinone を患者 2 例に短期間投与したところ,明らかな有害作用を伴わずに,尿中 HGA 濃度は減少し,血漿チロシン濃度は上昇した.
    nitisinone は,患者 2 例において HGA 産生を減少させたが,この治療の長期的安全性と有効性は明らかではない.

  • テトラヒドロビオプテリン反応性と高フェニルアラニン血症
    Tetrahydrobiopterin Responsiveness and Hyperphenylalaninemia

    テトラヒドロビオプテリン反応性と高フェニルアラニン血症

    フェニルアラニン水酸化酵素欠損による高フェニルアラニン血症患者は,軽度の疾患であっても,低フェニルアラニン食を必要とする.この研究では,このような患者 38 例における,補酵素テトラヒドロビオプテリンに対する反応性を検討した.テトラヒドロビオプテリンにより,軽度の高フェニルアラニン血症患者 10 例および軽度のフェニルケトン尿症患者 21 例のほとんどで血中フェニルアラニン濃度が有意に低下したが,古典的フェニルケトン尿症患者 7 例には効果が認められなかった.7 種類の突然変異がテトラヒドロビオプテリン反応性におそらく関連し,6 種類の突然変異が関連する可能性があると考えられた.
    テトラヒドロビオプテリン反応性は,軽度の高フェニルアラニン血症の表現型を示す患者で,よく認められる.

  • Special Article:癌の第 I 相臨床試験のための同意文書における利益とリスクの記載
    Special Article: Descriptions of Benefits and Risks in Consent Forms for Phase 1 Oncology Trials

    化学療法薬の第 I 相臨床試験は,研究者が使用する同意文書が,利益を約束し,リスクを無視していると考えられているため批判されている.癌研究センター 37 施設と大手製薬会社 6 社から入手した同意文書 272 例に関するこの研究では,癌の実験的治療における同意文書は不十分であり,倫理的に欠陥があるという懸念を裏付けてはいない.

  • 疾患のメカニズム:肺機能における疎水性サーファクタント蛋白と疾患
    Mechanisms of Disease: Hydrophobic Surfactant Proteins in Lung Function and Disease

    疾患のメカニズム:肺機能における疎水性サーファクタント蛋白と疾患

    肺サーファクタントは,リン脂質および疎水性蛋白質であるサーファクタント蛋白 B とサーファクタント蛋白 C から成る.サーファクタントは,肺の中の肺胞を空気に対し開放しておく.これらの蛋白質をコードする遺伝子の突然変異が,さまざまな肺症候群を引き起す.こういった突然変異の一部が関与する肺疾患は,組織中に適切に作られなかった蛋白質が蓄積した結果を実証している.

  • Legal Issues in Medicine:健康維持機構(HMO)による医学的必要性の決定に対する独立外部審査
    Legal Issues in Medicine: Independent External Review of HMOs'Medical-Necessity Decisions

    専門的な外科手術に対する保険給付を拒否された患者が,加入している健康維持機構(HMO)を訴えて勝訴した.米国最高裁への控訴では,HMO は,治療の医学的必要性についての論争において,ERISA 法(米国の従業員退職所得保障法で規定される雇用者健康保険)のように,外部審査を必要とするイリノイ州の法律の適用から免除されることを主張した.最高裁は,ERISA 法の保険に関する側面は州法からは免除されず,HMO は外部審査を申し出なければならないという判決をくだした.