The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

April 3, 2003
Vol. 348 No. 14

ORIGINAL ARTICLE

  • 心筋梗塞後のアルドステロン遮断薬エプレレノン
    Eplerenone, an Aldosterone Blocker, after Myocardial Infarction

    心筋梗塞後のアルドステロン遮断薬エプレレノン

    スピロノラクトンによるアルドステロン受容体の遮断は,慢性心不全患者に対し有益である.この研究では,心筋梗塞後の左室機能不全および心不全患者において選択的アルドステロン遮断薬エプレレノン(eplerenone)を評価した.エプレレノンにより全死亡率および心血管系が原因の死亡率が約 15%低下した.

    アルドステロン遮断は心不全治療への新規のアプローチである.この新しい研究では,心筋梗塞および心室機能不全患者の大規模グループに有益性を広げており,治療上重要な進歩である.

  • インフルエンザワクチンの接種と入院率の減少
    Vaccination against Influenza and Reductions in Hospitalization

    3 つの大規模なマネージド・ケアプランでは,65 歳以上の加入者の約 58%がインフルエンザワクチンを接種していた.1998~99 年と 1999~2000 年のインフルエンザの流行時期にワクチン接種を受けていた人では,受けていなかった人に比べて,心疾患,脳血管疾患,およびインフルエンザや肺炎による入院のリスクが有意に低かった.ワクチン接種は,全死因死亡のリスクがより低いこととも関連していた.

    286,000 人以上のデータを用いたこの観察研究では,インフルエンザワクチンの接種を受けている人は,ベースライン時に,平均してより多くの合併症を有していた.ワクチン接種は,心疾患や脳血管疾患による入院のリスクを減少させるといった重要な利益と関連している.

  • 中等度から重度のアルツハイマー病におけるメマンチン
    Memantine in Moderate-to-Severe Alzheimer's Disease

    グルタミン酸による N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体の過剰刺激が,神経変性疾患に関係している.この 28 週間の試験では,中等度から重度のアルツハイマー病を有する人を対象に,NMDA 受容体拮抗薬であるメマンチン(memantine)をプラセボと比較した.試験を終了した患者では,メマンチンは日常生活動作や他の指標に関して利益になると考えられた;欠損値に対して直近の測定値を代入した対象者全体での分析が,この結論を支持していた.

    抗グルタミン酸薬による治療が,中等度から重度のアルツハイマー病において衰退の速度を遅延させるのに役立つと証明される可能性がある.

BRIEF REPORT

  • バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌
    Vancomycin-Resistant Staphylococcus aureus

    糖尿病,末梢血管疾患,持続性の足潰瘍を有する患者の一時透析用カテーテルの出口部分から,バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌が培養された.この菌は vanA 耐性遺伝子を保有しており,同じ患者から分離されたバンコマイシン耐性 Enterococcus faecalis に由来する可能性がある.患者は数週間のバンコマイシン投与を受けていた.

    この患者はバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌に感染していたが,その患者と接触した者で耐性細菌に感染した者はいなかった.バンコマイシンは,ブドウ球菌感染に対して一様に有効な治療薬であったため,この症例は懸念を引き起している.

SPECIAL ARTICLE

  • 大地震後の病院における避難
    Evacuating Hospitals after a Major Earthquake

    1994 年のカリフォルニア州ノースリッジ地震のあと,8 ヵ所の急性期病院が患者の一部または全員を避難させた.研究者らは,緊急時に勤務していた病院職員に直接面談を行い,避難過程を評価した. 6 ヵ所の病院が,水道関係の被害や停電などの非構造的被害のため地震直後に患者を避難させた.2 ヵ所の病院は,後に大きな構造的被害が明らかになった時点で患者を避難させた.

    この南部カリフォルニアでの経験は,あらゆる突然の大災害に対処するための病院の計画を立案するうえで意義があるだろう.

  • アルツハイマー病とパーキンソン病
    Alzheimer's and Parkinson's Disease

    アルツハイマー病とパーキンソン病の症例のほとんどは散発性であるが,症例の中には明らかに家族性のものもある.この総説は“ゲノム医学”シリーズの一部であり,これらの家族性症例の遺伝的特徴について検討している.遺伝型はまれであるが,その病態生物学の研究から得られた知識が,より一般的な,散発型疾患の病態生物学の理解を深めている.

    • 神経変性疾患におけるアポトーシスとカスパーゼ
      Apoptosis and Caspases in Neurodegenerative Diseases

      アポトーシスと呼ばれる細胞死は,脳卒中からハンチントン病まで,神経変性疾患の幅広い疾患における顕著な特徴である.低酸素症,毒性のサイトカイン,ミトコンドリアへの損傷,有害なペプチドは,アポトーシスを誘発する;これらのそれぞれのメカニズムによって,神経変性疾患における特定の種類のニューロンの死を説明することができる.アポトーシスの誘発あるいは完了を薬理学的に妨害することによって,これらの疾患に対する治療が期待でき,そのような薬剤の 1 つに関する臨床試験がすでに始っている.

    • CORRESPONDENCE

      • ヒトパピローマウイルス 16 型ワクチン

      • ワクチン接種にもかかわらず生じた水痘の集団発生

      • 脳卒中の遺伝学

      • アルカプトン尿症

      • 市中感染性肺炎

      • 健康保険制度崩壊の危機

      • 有害事象の報告

      • 1907 年に Whipple 博士の患者から採取された腸管組織中に存在する Tropheryma whipplei の免疫学的検出