The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

  • 目 次
  • This Week at NEJM.org

    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

December 25, 2003
Vol. 349 No. 26

ORIGINAL ARTICLE

  • 多発性骨髄腫における Wnt シグナル伝達拮抗物質 DKK1 と骨溶解性病変
    Wnt-Signaling Antagonist DKK1 and Osteolytic Lesions in Multiple Myeloma

    多発性骨髄腫における Wnt シグナル伝達拮抗物質 DKK1 と骨溶解性病変

    この研究では,骨溶解性病変を有する骨髄腫患者の骨髄から得た形質細胞には高レベルの DKK1 遺伝子の発現と DKK1 蛋白の発現がみられたが,骨病変がない患者の形質細胞では遺伝子の過剰発現も蛋白発現もみられないことが明らかになった.
    DKK1 は,骨芽細胞の成長と発達に必須な Wnt シグナル伝達を阻害する.骨髄腫細胞で産生される DKK1 は,骨芽細胞と破骨細胞のバランスを骨吸収の方向に傾けると考えられる.この研究は,多発性骨髄腫ではどのように骨溶解性病変が形成されるかについて,新たな光を投じている.

  • 多発性骨髄腫に対する自己幹細胞の 1 回の移植と 2 回の移植の比較
    Single versus Double Autologous Stem-Cell Transplantation for Multiple Myeloma

    多発性骨髄腫の治療に関するこの研究では,1 サイクルの大量化学療法後の 1 回の自家幹細胞移植と,2 サイクルの大量化学療法の各サイクル後の幹細胞移植とを比較した.移植 2 回のレジメンでは,生存に関する大きな利益が得られた.
    この適切に行われた大規模試験は,2 回の移植が,60 歳未満の骨髄腫患者,とくに 1 回の移植後に十分な奏効が得られなかった患者に有益である可能性を示唆している.

  • マッカードル病におけるショ糖経口摂取と運動耐容能
    Oral Sucrose and Exercise Tolerance in McArdle's Disease

    マッカードル病患者では,グリコーゲンホスホリラーゼ欠損により筋肉におけるグリコーゲン分解が阻害され,その結果運動耐容能が低下し,しばしば筋損傷がとくに運動開始後の最初の数分間に生じる.この単盲検無作為プラセボ対照試験を行った研究者らが立てた仮説のように,運動前にショ糖を摂取することで利用可能なグルコースが増加し,それによってマッカードル病患者の運動耐容能が改善した.
    ショ糖経口摂取は,マッカードル病患者の運動能力と健康感を改善すると考えられ,運動によって生じる横紋筋融解症から保護する可能性がある.

  • 外傷患者におけるカナダ頸椎規定と NEXUS 低リスク判定基準の比較
    The Canadian C-Spine Rule versus the NEXUS Low-Risk Criteria in Patients with Trauma

    この前向きコホート研究では,頸椎損傷を評価するための 2 つの臨床決定基準の性能を比較した.NEXUS 低リスク判定基準(広く推奨されている)と比較して,カナダ頸椎規定は,臨床的に重大な損傷に対して感度と特異度がより高く,また頸椎 X 線撮影のオーダー回数の減少につながると考えられた.
    これらのデータは,救急診療部で頸椎損傷が疑われる例の評価に対して重要な影響を与える.

CURRENT CONCEPTS

  • 違法薬物の体内隠匿
    Body Packing 一 The Internal Concealment of Illicit Drugs

    違法薬物の体内隠匿

    体内への隠匿による違法薬物の輸送は,いまや一般的な方法であるが,これは臨床ケアを必要とすることが多い.体内に隠匿し運搬する者は,生命を脅かす量のヘロイン,コカイン,アンフェタミンが入った包みを大量に飲み込む可能性がある.そしてこれらの密輸入者は,法的監護下での鑑定のため,あるいは薬物誘発性の毒性作用,消化管の閉塞や穿孔のため,医師の診察を受けることがある.この総説は,しばしば臨床医に倫理的・法的な難題をも提起する,この臨床問題の認識と管理に対する指針を提供している.

MECHANISMS OF DISEASE

  • 肺胞蛋白症
    Pulmonary Alveolar Proteinosis

    後天性の肺胞蛋白症では,肺胞のマクロファージが界面活性物質を代謝分解できないため,脂質と蛋白が肺胞内に蓄積する.意外なことに肺胞のマクロファージは,この機能を行うために顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)を必要とする.GM-CSF に対する自己抗体が肺胞蛋白症を引き起す可能性がある.
    このまれな疾患の研究は,肺胞マクロファージの重要な機能と肺自身が感染を防御する方法を明らかにしている.この総説は,肺胞蛋白症が自己免疫疾患であるという有力な論拠をあげている.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • インスリンシグナル伝達の抑制
    Putting the Brakes on Insulin Signaling

    インスリンシグナル伝達の抑制

    インスリンシグナル伝達経路の構成要素を阻害する分子の発見から,薬物開発の標的が得られる.