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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

November 9, 2006
Vol. 355 No. 19

ORIGINAL ARTICLE

  • マラウイにおけるクロロキンの抗マラリア効果
    Antimalarial Efficacy of Chloroquine in Malawi

    クロロキン耐性は,熱帯熱マラリアの治療における重要な問題である.1993 年,マラウイでは,抗マラリア薬をクロロキンからスルファドキシン・ピリメタミン合剤に切り替えた.マラウイでクロロキン感受性熱帯熱マラリアが再度発生したため,研究者らがクロロキンの臨床効果が再び得られるかどうかを検討した結果,約 99%に有効であることが示された.

  • 腎移植におけるウサギ抗胸腺細胞グロブリンとバシリキシマブの比較
    Rabbit Antithymocyte Globulin vs. Basiliximab in Renal Transplantation

    導入療法により,急性拒絶反応と移植後腎機能障害の発生頻度が低下する.死体腎移植を受け,急性拒絶反応や移植後腎機能障害のリスクが高い患者を対象としたこの研究では,ウサギ抗胸腺細胞グロブリンによる導入療法は,インターロイキン 2 受容体に対するモノクローナル抗体と比較して,急性拒絶反応の発生率と重症度を低下させたが,移植後腎機能障害の発生率は低下させなかった.患者の生存期間と移植腎の生着期間は,両群で同程度であった.

  • 原発性全身性ジストニアまたは分節性ジストニアに対する淡蒼球脳深部刺激
    Pallidal Deep-Brain Stimulation in Primary Generalized or Segmental Dystonia

    原発性ジストニアに対する内節淡蒼球神経刺激を偽刺激と比較したこの試験では,神経刺激によって運動,身体障害,QOL スコアが改善した.有害事象の発生頻度は高く,患者の 18%に,刺激装置の埋め込み部位での感染症,漿液腫,リードの破損や脱落が発生し,12%に構音障害が発現した.

  • 女性における低炭水化物食スコアと冠動脈性心疾患リスク
    Low-Carbohydrate-Diet Score and the Risk of Coronary Heart Disease in Women

    看護師健康調査において,20 年間の追跡期間中の冠動脈性心疾患リスクは,炭水化物摂取量がもっとも少ない群でも上昇することはなかった.今回の知見が,とくに体重減少のために実施されている低炭水化物食に適用できるかどうかは明らかではない.

SPECIAL ARTICLE

  • 細胞シグナリングと医薬品開発における一酸化窒素と cGMP
    Nitric Oxide and Cyclic GMP in Cell Signaling and Drug Development

    第 116 回 Shattuck 講演では,ノーベル賞受賞者の Ferid Murad が,一酸化窒素が生物学的に重要な分子であることがいかにして発見されたかを説明し,その多彩な役割について概説している.

CURRENT CONCEPTS

  • 脊髄硬膜外膿瘍
    Spinal Epidural Abscess

    脊髄硬膜外膿瘍は,とくに神経障害のない患者では,初期診断で誤診されることが多い.硬膜外感染は脊髄の損傷を引き起す可能性がある.脊髄固定術,血管アクセス,注射薬の使用が増加するに伴い,これらの感染症の発生率も増加している.この総説では,診断と治療の問題,および脊髄梗塞を防ぐ方法について述べている.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 悪心に続き低血圧と呼吸不全を呈した女性
    A Woman with Nausea Followed by Hypotension and Respiratory Failure

    72 歳の女性が悪心のために目を覚まし,その症状は 24 時間のあいだに悪化した.検査により肺浸潤,顆粒球数増加,低酸素血症,低血圧が明らかになり,抗菌薬が投与された.後の血液検査で心筋酵素値の上昇が認められ,心電図検査で ST 上昇がみられた.低酸素血症と低血圧が悪化した.診断検査が行われた.

HEALTH POLICY REPORT

  • 医療処置の特許 ― 医療行為の独占化
    Medical-Process Patents - Monopolizing the Delivery of Health Care

    研究者らは,ホモシステイン値の上昇はビタミン B12 欠乏および葉酸欠乏と関連していることを発見し,特許を得た.基礎的な科学的関連性に関して特許を保有する権利に異議が唱えられ,この問題(LabCorp v. Metabolite)は最高裁へ上訴された.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 遺伝子発現プロファイルを用いて点と点を結ぶ
    Connecting the Dots Using Gene-Expression Profiles

    検索可能で新たな遺伝子発現データを集積することで,新規の医薬品候補ならびに薬剤標的が明らかになる.

VIDEOS IN CLINICAL MEDICINE

  • 穿刺術
    Paracentesis

    穿刺術

    腹腔穿刺により,腹水貯留のある患者で腹水の原因を特定することや,特発性細菌性腹膜炎を除外することが可能になる.また,大量穿刺により,緊張性の腹水や難治性腹水の貯留があり,血行動態が安定している患者の不快感や呼吸困難を軽減することができる.この手技ビデオでは,穿刺術を実演している.