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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

July 13, 2006
Vol. 355 No. 2

ORIGINAL ARTICLE

  • ラロキシフェンと心血管イベントおよび乳癌
    Raloxifene and Cardiovascular Events and Breast Cancer

    冠動脈イベントリスクの高い閉経後女性を対象としたこの多施設共同プラセボ対照無作為化試験では,ラロキシフェンは,主要な冠動脈イベントに対して有意な効果を示さなかったが,浸潤性乳癌と椎体骨折のリスクを減少させ,致死的な脳卒中と静脈血栓塞栓症のリスクを増加させた.乳癌と椎体骨折の予防を目的としたラロキシフェンの使用は,個々の患者ごとに効果と可能性のあるリスクとを比較検討して判断すべきである.

  • 親の心不全と子の心不全リスクとの関連
    Parental Heart Failure and Heart-Failure Risk in Offspring

    フラミンガム心臓研究の子孫コホートにおける横断分析では,片方または両方の親が臨床的に心不全であることと,心エコー検査で子に左室機能不全の所見が認められる可能性の増加,左室心筋重量の増加,左室内径の拡大とのあいだに,相関がみられた.

  • ダニ媒介性回帰熱予防のためのダニ曝露後のドキシサイクリン投与
    Postexposure Doxycycline to Prevent Tick-Borne Relapsing Fever

    この二重盲検プラセボ対照試験では,ダニ媒介性回帰熱のリスクが高い兵士に対して,ヒメダニ科のダニへの高リスク曝露後に,ドキシサイクリンまたはプラセボを 5 日間投与した.ダニ曝露後の予防的治療は,症候性の疾患を予防するうえで効果が高いことが明らかになった.

  • 胎児貧血の診断における超音波ドップラー検査と羊水検査の比較
    Doppler Ultrasonography versus Amniotic-Fluid Measurements in the Diagnosis of Fetal Anemia

    この多施設共同試験では,Rh 同種免疫を伴う妊娠での重篤な胎児貧血の診断に関して,非侵襲的なドップラー検査で中大脳動脈の最大収縮期血流速度を測定する方法と,羊水穿刺を行い羊水の 450 nm における吸光度変化からビリルビン値を測定する方法とを比較した.侵襲的検査と比較して,中大脳動脈の超音波ドップラー検査は,感度と精度が有意に高かった.

CLINICAL PRACTICE

  • 再発性アフタ性口内炎
    Recurrent Aphthous Stomatitis

    20 歳の女性が,この 10 年間に有痛性の口腔潰瘍が繰り返し発生したと訴えている.女性はそれ以外は健康で,性器や肛門部の潰瘍,皮膚病変,消化管障害,関節障害,発熱はないという.身体診察では,頬粘膜に直径 3 mm の潰瘍が数個認められる.皮膚や他の粘膜表面に病変は認められない.この女性をどのように評価し,治療すべきであろうか?

CURRENT CONCEPTS

  • HIV 感染患者の集中治療
    Intensive Care of Patients with HIV Infection

    ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染患者に対する集中治療はますます複雑化しており,抗レトロウイルス療法の開始もしくは継続について,むずかしい決定が必要になる場合がある.重症患者の中には HIV の診断が確定していない例もあり,多くの重要な臨床的判断には法律とのかかわり合いが生じてくる.また,HIV に関連した肺や心臓,腎臓の障害により,治療が複雑になることもある.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 左顔面痛のある 61 歳の男性
    A 61-Year-Old Man with Left-Sided Facial Pain

    61 歳の男性が,顔面痛のため神経外科クリニックを受診した.痛みは 8 ヵ月前に始り,物を食べたり口ひげを触ったりすることで生じる顔面左側全体の激しい痙攣を特徴とした.同じ部分に鈍い拍動痛もあった.神経学的検査は正常であった.診断と治療が行われた.

HEALTH POLICY REPORT

  • 雇用者の提供する医療保険
    Employer-Sponsored Health Insurance

    医療費の増加は,従業員に医療保険を提供する雇用者にとって深刻な問題となっている.この 2 部構成の“Health Policy Report”の第 2 部では,Blumenthal が,医療費を削減し,米国の医療制度の効率を向上させるために雇用者と医療保険会社が採用している一連の方策について論じている.