- 目 次
-
This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
April 8, 2010
Vol. 362 No. 14
ORIGINAL ARTICLE
-
世界貿易センターの崩壊に対応した救助隊員における 7 年後の肺機能
Lung Function in Rescue Workers at the World Trade Center after 7 Years2001 年 9 月 11 日にニューヨークの世界貿易センタービルの崩壊に対応した消防隊員と救急医療隊員の肺機能を測定した.肺機能の測定値は当初著しく低下し,7 年経っても大きな回復は認められなかった.
-
胆道癌治療のためのシスプラチン+ゲムシタビン併用療法とゲムシタビン単独療法の比較
Cisplatin plus Gemcitabine versus Gemcitabine for Biliary Tract Cancer胆道癌の治療法として,シスプラチン+ゲムシタビン併用投与とゲムシタビン単独投与を比較したこの無作為化試験では,シスプラチン+ゲムシタビンの併用により全生存期間と無増悪生存期間が延長した.有害事象の発生率は両群で同程度であった.
-
妊娠高血圧の合併症予防を目的としたビタミン C とビタミン E の補給
Vitamins C and E to Prevent Complications of Pregnancy-Associated Hypertension酸化ストレスが妊娠高血圧腎症の発現の基礎にあるという仮説が立てられている.低リスクの未経産婦を対象としたこの多施設共同無作為化二重盲検試験では,妊娠 9~16 週目にビタミン C 1,000 mg とビタミン E 400 IU の補給を開始しても,妊娠高血圧に関連した母体・胎児・新生児の有害転帰の発生率に低下はみられなかった.
-
治療歴のある慢性 HCV 感染患者に対するテラプレビル
Telaprevir for Previously Treated Chronic HCV Infection遺伝子型 1 の C 型肝炎ウイルスに感染し初回治療ではウイルス排除が得られなかった患者を対象としたこの無作為化試験では,再治療としてペグインターフェロン α-2a+リバビリンにテラプレビルを併用した患者のほうが,ペグインターフェロン α-2a+リバビリンのみの患者に比べて,ウイルス排除が得られる割合が高かった.
SPECIAL ARTICLE
-
内科研修の見直しイニシアチブの評価
Evaluation of a Redesign Initiative in an Internal-Medicine Residency内科教育研修の見直しに関するこの実証実験において,指導医を 2 人配置して研修医に対する患者数を制限するモデルでは,標準的な教育研修で実施される方法に比べて研修医・指導医の双方で満足度が向上することが明らかにされた.
DRUG THERAPY
-
腎不全患者に対する経口リン吸着薬
Oral Phosphate Binders in Patients with Kidney Failure高リン血症は,腎不全患者のほぼ全例でみられ,血清ビタミン D 濃度の低下と低カルシウム血症を伴う.治療しなければ,重度の続発性副甲状腺機能亢進症をきたし,痛みを伴う骨折,褐色腫,全身の骨減少症が生じる可能性がある.この論文では,経口リン吸着薬による治療の論理的根拠を概説し,既存薬の使用を支持するエビデンスについて論じ,臨床のためのアプローチを提案している.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
-
脱力と脳腫瘤を呈する女性
A Woman with Weakness and a Mass in the Brain37 歳の右利きの女性に,当院入院の 3 日前,めまい,左半身の脱力としびれ,左下肢の振戦がみられた.他院で行われた脳 MRI では,右頭頂葉に腫瘤が認められた.入院の 2 週間前に子宮内膜生検を受け,1.5 週間前には歯科処置を受けていた.当院への移送時に,発熱,悪寒,疼痛はなかった.触診で左半身の感覚低下が認められた.再度行った MRI で脳病変の拡大が明らかになった.診断手技が行われた.
CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH
-
薬物相互作用のシステムにおけるバランスの原理
Life in Balance薬物相互作用は,薬剤の組合せによって異なる細胞成分の代謝のバランスがとれたり,失われたりする程度により説明できる可能性がある.