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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
March 22, 2012
Vol. 366 No. 12
ORIGINAL ARTICLE
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急性骨髄性白血病における変異解析と予後
Mutational Analysis and Prognosis in AML急性骨髄性白血病患者の大部分では悪性細胞に変異を認める.細胞遺伝学的分類によっていくつかの予後情報が得られるが,中間リスク群は不均一である.変異解析によって,高用量療法から利益が得られる可能性のある中間リスク患者が同定された.
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二次性急性骨髄性白血病のクローン進化
Clonal Evolution of Secondary AML二次性急性骨髄性白血病(AML)患者 7 例から採取した検体の全ゲノム配列決定により,体細胞変異が同定された.これらのデータは,先行する骨髄異形成症候群(MDS)の遺伝子型解析結果とともに,MDS と二次性 AML のクローン進化を明らかにした.
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急性期脳梗塞に対するテネクテプラーゼとアルテプラーゼとの比較
Tenecteplase vs. Alteplase for Ischemic Stroke急性期脳梗塞患者 75 例を対象としたこの第 2B 相試験では,テネクテプラーゼは 24 時間後に再灌流と臨床的改善を達成するうえで,アルテプラーゼよりも有効であった.出血性合併症は両群で同程度であった.
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LDL コレステロールに対する PCSK9 抗体の効果
Effect of PCSK9 Antibody on LDL Cholesterol抗 PCSK9 モノクローナル抗体に関して,健常ボランティアを対象とした単回投与試験 2 件と,家族性または非家族性高コレステロール血症患者を対象とした反復投与試験 1 件が行われた.3 件すべての群において,この抗体により LDL コレステロール値が低下した
MEDICAL PROGRESS
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膜性増殖性糸球体腎炎
Membranoproliferative Glomerulonephritis膜性増殖性糸球体腎炎は,生検により確認された糸球体腎炎症例の 7~10%を占めるが,この総説はその原因,発症機序,臨床管理について論じている.現行の分類は,この病態の解明が進歩していることを反映している.
MECHANISMS OF DISEASE
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ミトコンドリア病の理解における進歩
Progress in Understanding Mitochondrial Disordersミトコンドリアのまれな単一遺伝子疾患がミトコンドリアの機能の解明に役立っている.これらの疾患の治療薬が開発されれば,ミトコンドリアの機能不全を特徴とするより頻度の高い散発性疾患に応用できる可能性がある.
CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH
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腫瘍細胞免疫を食べる
Devouring Tumor-Cell Immunity自食作用は,細胞が自己成分を消化することで生体を維持するという,プログラムされた生き残り戦略であるが,それが,化学療法で誘発される細胞死と抗腫瘍免疫応答の誘導とを結びつけていることが明らかになった.
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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ウィルソン病によるカイザー-フライシャー角膜輪
Kayser-Fleischer Rings in Wilson's Disease18 歳の女性が,両手の色と温度の変化,および間欠性の振戦が 3 年前から続いているため受診した.また,右腕が不随意に動き,集中が困難であるという.
VIDEOS IN CLINICAL MEDICINE
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緊急心膜穿刺術
Emergency Pericardiocentesis心タンポナーデ患者の心嚢液を吸引するための緊急心膜穿刺術の施行は,心機能と末梢循環を回復させる救命処置となりうる.このビデオではその処置を実演 する.
PERSPECTIVE INTERACTIVE TIMELINE
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医療保険改革法訴訟
Affordable Care Act Litigation医療保険改革法に対して意義を申し立てる訴訟は,3 月に最高裁の口頭弁論に進む.その経過を記した双方向の年表をご覧ください.それぞれの判決をクリックすると詳細が表示されます.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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医療機器の規制
Medical Device RegulationSharon-Lise Normand 教授が,医療機器の承認と市販後調査について論じる.
ANNIVERSARY
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米国医療経済における 1950 年以降の主要動向
Major Trends in the U.S. Health Economy since 1950米国が経済危機から脱しようと苦闘するなか,政策立案者と国民は急上昇する医療支出を標的にし始めた.著者 Victor Fuchs は,1950 年以降にみられた,医療費における支払源と支出用途の漸進的変化から,どのような教訓を引き出せるかを問うている.