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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
August 16, 2012
Vol. 367 No. 7
ORIGINAL ARTICLE
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前立腺特異抗原スクリーニングによる QOL への影響
Quality-of-Life Effects of PSA Screening55~69 歳の男性を対象とした前立腺特異抗原(PSA)スクリーニングによって,前立腺癌による死亡が減少した.しかし,過剰診断と治療の後遺症を考慮すると,スクリーニングによる獲得質調整生存年も減少した.
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硝子体黄斑牽引と黄斑円孔に対する硝子体融解
Vitreolysis for Vitreomacular Traction and Macular Holes硝子体黄斑界面の構成成分を標的とする遺伝子組換えプロテアーゼの硝子体内注射によって,プラセボ注射よりも高い頻度で硝子体黄斑牽引が解消し,黄斑円孔が閉鎖したが,主に一過性の眼の有害事象を伴った.
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活動性潰瘍性大腸炎に対するトファシチニブ
Tofacitinib in Active Ulcerative Colitis潰瘍性大腸炎患者を,トファシチニブの 4 用量のうち 1 用量,またはプラセボに割り付けた.トファシチニブの最大用量には反応率と寛解率の上昇との関連が認められたが,トファシチニブの使用によりコレステロール値が上昇し,好中球数が減少した.
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心房細動における慢性腎臓病
Chronic Kidney Disease in Atrial Fibrillationデンマークの全国登録データを用いた研究において,慢性腎臓病は心房細動患者の脳卒中や出血のリスク上昇と関連していた.ワルファリンによってこのような患者の脳卒中リスクは低下した.ワルファリンとアスピリンのいずれによっても,出血リスクは上昇した.
EPSTEIN LECTURE
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イヌゲノムとヒト疾患
The Canine Genome and Human Disease今回の Franklin H. Epstein 講演は,ヒトの疾患について,イヌにおける同様の疾患の研究から発した多くの洞察を概説している.さらに,イヌ疾患の遺伝子治療は,同様の疾患を有するヒト患者への応用に成功しつつある.
MECHANISMS OF DISEASE
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癌治療の標的としてのクロマチンの「読み取り」
Chromatin “Readers” as Targets of Cancer Treatment遺伝子発現の多くは,クロマチンによって制御される.クロマチンは転写を許可または阻害する.ある種の癌における遺伝子発現を左右するクロマチンの変化は,薬物によって影響を与えることが可能である.臨床試験が待望されている.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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腹痛,血便,貧血を呈する男児
A Boy with Abdominal Pain, Hematochezia, and Anemia15 歳の男児が,8 ヵ月にわたり間欠的な腹痛と下痢を呈している.腹部に軽度の圧痛を認めたほか,鉄欠乏と便潜血が認められた.診断検査が行われた.
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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結節性多発動脈炎における両側下垂足
Bilateral Foot Drop in Polyarteritis Nodosa38 歳の患者が,発熱,倦怠感,体重減少,体の両側の進行性の脱力が 2 ヵ月間続いたため受診した.足と足趾の背屈筋力の低下のため,患者は脚を高く上げて歩行していた.
VIDEOS IN CLINICAL MEDICINE
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新生児陰茎包皮環状切除術
Neonatal Circumcision新生児陰茎包皮環状切除術は,施行頻度の高い外科手技の一つである.このビデオでは,鉗子を用いて行う環状切除術を実演する.
INTERACTIVE MEDICAL CASE
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つながりがない
Disconnectedこの双方向性の特集記事では,動悸,頭のふらつき,深呼吸時に胸痛を呈する,58 歳の女性の症例を紹介する.受診 2 ヵ月前に,両膝関節に腫脹,こわばり,疼痛があったという.NEJM.org でご自身の診断・治療技術を試してください.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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医療機器の安全性と有効性を保証する
Ensuring Medical Device Safety and EfficacyRita Redberg 博士が,米国と欧州における医療機器の承認過程について論じる.
ANNIVERSARY
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終わらぬ旅 ― 米国の医療制度改革の 1 世紀
Unfinished Journey ― A Century of Health Care Reform in the U.S.1915 年に,改革論者が,国民健康保険に関する米国で最初の重要な提言を行った.ほぼ 1 世紀が経ったが,米国民は,医療保険制度改革,「社会化された医療」がはらむ危険,個人の自由と政府援助との対立について,いまだに論争を続けている.