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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
April 21, 2016
Vol. 374 No. 16
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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虚血性心筋症に対する冠動脈バイパス術
CABG for Ischemic Cardiomyopathy虚血性心筋症に対し,薬物療法に冠動脈バイパス術を追加施行した例では,薬物療法を単独で行った例と比較して,10 年間の全死因死亡率と心血管系死亡率が有意に低下した.
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心不全に対するアリスキレン,エナラプリル,両剤併用の比較
Aliskiren, Enalapril, or Both in Heart Failureこの試験では,心不全患者 7,016 例を,アリスキレン群,エナラプリル群,両剤併用群に割り付けた.36 ヵ月の時点での心血管系死亡または心不全による入院の発生率は,併用療法群がエナラプリル群よりも低いという結果は示されなかった.アリスキレンのエナラプリルに対する非劣性は示されなかった.
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一過性脳虚血発作または軽症脳卒中から 1 年後の脳卒中リスク
One-Year Risk of Stroke after TIA or Minor Stroke一過性脳虚血発作または軽症脳卒中を発症し,脳卒中専門医による緊急評価を受けた患者の国際登録研究において,1 年後の脳卒中再発リスクは 5.1%であり,歴史的コホートで報告されているものよりも低かった.
SPECIAL ARTICLE
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再入院,経過観察,再入院削減プログラム
Readmissions, Observation, and the HRRP医療費負担適正化法(ACA)による再入院削減プログラムは,再入院率が高い病院にペナルティを課す.ACA 施行後,メディケア受給者の再入院率は低下している.経過観察室滞在率の変化と再入院率の変化とのあいだに有意な関連は認められなかった.
REVIEW ARTICLE
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ジカウイルス
Zika Virusジカウイルスへの感染が,アメリカ大陸全土,カリブ海地域で急速に拡大している.小頭症との関連から,世界保健機関(WHO)は公衆衛生上の緊急事態を宣言した.この総説では,ジカウイルス感染症の現在わかっている特徴を述べている.
SOUNDING BOARD
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ATMOSPHERE 試験における規制当局の介入
Regulatory Intervention in the ATMOSPHERE Trial心不全に対するアリスキレン,エナラプリル,あるいはその併用を比較する ATMOSPHERE 試験が行われているなか,別の 2 つの試験で糖尿病患者に対するアリスキレンの有害性が示唆され,規制当局は ATMOSPHERE 試験の糖尿病患者に対するアリスキレン投与を中止させた.データモニタリング委員会(DMC)は,規制当局は,進行中の臨床試験では DMC によって患者の安全性が確保されるということを信じるべきであると提案している.試験のスポンサー(Novartis 社)と規制当局から,これに対する返信が寄せられた.
PERSPECTIVE
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米国疾病管理予防センターによるオピオイド処方ガイドライン
The CDC Opioid-Prescribing Guideline米国疾病管理予防センター(CDC)は,慢性疼痛に対するオピオイド処方ガイドラインを発表した.これは,癌治療,緩和ケア,終末期医療以外の患者のケアにあたる医師を支援することで,より安全で有効な疼痛管理とオピオイド使用が行われることを目的としている.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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運動中の食道胃バイパス
Esophagogastric Bypass in Motion幼少時にアルカリ熱傷で食道胃バイパス術を受けた 60 歳の男性が,整容面を懸念し受診した.水飲みテストで,水が皮下の結腸部を正常に通過している様子を動画に示す.
VIDEOS IN CLINICAL MEDICINE
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小児に処置を行う際の不安管理
Managing Procedural Anxiety in Children小児が治療を必要とするとき,その状況は本人にも親にもストレスとなりうる.この動画では,小児の急性不安症状の徴候を示し,不安を最小限に抑え,最大限の協力が得られるようにするための小児との触れあい方を実演している.
NEJM QUICK TAKE
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一過性脳虚血発作後の脳卒中リスク
Risk of Stroke after TIA一過性脳虚血発作後に上昇する脳卒中または急性冠症候群のリスクは,スコアリングシステムで推定可能とされ,スコアが高ければ緊急評価の必要性があるとされる.このようなアプローチでリスクは低下してきたのであろうか? 最新の研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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オピオイドに関する新たなガイドライン
New Guidance on OpioidsDebra Houry が,米国疾病管理予防センター(CDC)が発表したオピオイド処方に関する新たなガイドラインについて論じている.