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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
January 17, 2019
Vol. 380 No. 3
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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三日熱マラリア原虫マラリアの根治治療のためのタフェノキン
Tafenoquine for Radical Cure of Plasmodium vivax三日熱マラリア原虫の肝臓での休眠体が消失することは,感染の再発を予防するうえで重要である.今回の無作為化臨床試験では,タフェノキンの単回投与は,三日熱マラリア原虫の休眠体に対し顕著な活性を有することが示された.
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三日熱マラリア原虫の根治治療のためのタフェノキンの安全性
Safety of Tafenoquine for Radical Cure of Plasmodium vivaxマラリアは依然としてグローバルヘルスの負担になっている.三日熱マラリア原虫に感染した患者では,再発を予防するために休眠体の殺滅が必要である.この報告では,グルコース-6-リン酸脱水素酵素活性が正常値の患者で,タフェノキンの単回投与の安全性は,プリマキンの 14 日間投与と同程度であった.
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新生児における血小板輸血の閾値
Platelet Transfusion Thresholds in Neonates重度の血小板減少症の早産児で,血小板数の閾値をより高くし(50,000/mm3)輸血を行った例では,より低い閾値(25,000/mm3)で輸血を行った例よりも,死亡または大出血の発生率が有意に高かった.
SPECIAL ARTICLE
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人工関節置換術に対する強制的包括支払制度
Mandatory Bundled Payments for Joint Replacement2016 年,メディケアは,無作為抽出された地域で,人工関節置換術に対する強制的包括支払制度を開始した.病院は退院後 90 日までの支出に基づき,報奨金を受け取るか罰金を支払う.開始後 2 年間で,支出はわずかに減少した.
CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH
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CAR-T 細胞と固形腫瘍
CAR-T Cells and Solid TumorsCAR-T 細胞は,最近,人々に驚きを与えながら造血器腫瘍治療の「医療装備」に加わった.最近の膠芽腫モデルマウスの研究で,CAR-T 細胞への工学的操作により,固形腫瘍の細胞に侵入し殺傷する能力をもたせられる可能性が示唆された.
MEDICINE AND SOCIETY
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風邪とともに入って来たスパイ
The Spy Who Came In with a Cold医師兼指導医の妻が,休暇中にひどい咳が出て,ショッピングモールのエクスプレスケアクリニックを利用した.クリニックのスタッフは,肺炎を除外するための X 線撮影をしたがるだけであるが,その(誤読された)X 線写真をもって,小売の,営利目的の医療の欠点に関する教訓を得る.
CORRESPONDENCE
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HTLV-1 感染と腎移植
HTLV-1 Infection and Kidney Transplantation日本で行われた腎移植レシピエントの調査で,HTLV-1 陽性ドナーから腎移植を受けた HTLV-1 陰性患者 10 例のうち,4 例が HTLV-1 関連脊髄症を発症した.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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肛門癌に伴った匍行性迂回状紅斑
Erythema Gyratum Repens Associated with Anal Cancer73 歳の女性が,瘙痒を伴い拡大する紅斑で受診し,肛門癌を有することが判明した.匍行性迂回状紅斑の診断がなされた.
REVIEW ARTICLE
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気候変動に関連する健康リスク
Health Risks Associated with Climate Change双方向性の図に,気候変動の影響を受けうる健康転帰をまとめている.可能性のある健康転帰と,気候変動がヒトの健康に結び付く曝露経路の例を,リスクの大きさとパターンに影響を与える可能性のある因子とともに示す.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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皮疹,腹痛,リンパ節腫脹を呈した男性
A Man with Rash, Abdominal Pain, and Lymphadenopathy36 歳の男性が,腹痛,皮疹,リンパ節腫脹で受診した.びまん性の丘疹と色素沈着性結節,右腋窩のリンパ節腫脹を認めた.画像検査にて,縦隔リンパ節腫脹と肝病変が明らかになった.診断がなされた.
NEJM QUICK TAKE
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三日熱マラリア原虫マラリアの根治治療
Radical Cure of P. vivax Malaria潜伏する検出不能な三日熱マラリア原虫の休眠体は,何度も臨床的再発を引き起こす可能性がある.これによりマラリアによる負担が増大し,マラリア根絶のための取組みが妨げられる可能性がある.プリマキンの 14 日間の投与は有効であるが,アドヒアランスが問題である.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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過剰な投獄と健康
Hyperincarceration and HealthGeorge Karandinos が,米国における健康格差の因子としての,人種・民族的マイノリティにおける投獄率の高さについて論じている.