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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
April 2, 2020
Vol. 382 No. 14
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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急性上部消化管出血に対する内視鏡検査のタイミング
Timing of Endoscopy for Acute Upper GI Bleeding急性上部消化管出血の患者が,内視鏡検査を消化器科コンサル後 6 時間以内に受ける群,または 6~24 時間以内に受ける群に割り付けられた.30 日死亡率は前者で 8.9%,後者で 6.6%であり,より早期の内視鏡検査によって死亡率は低下しなかった.
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2012~17 年の米国における多剤耐性菌感染症
MDR Bacterial Infection in the U.S., 2012–2017この論文は,米国内における 6 種の一般的な院内病原菌に関する推定を提示している.感染症の発生率が減少したのは 4 種(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌,バンコマイシン耐性腸球菌,カルバペネム耐性アシネトバクター属,多剤耐性緑膿菌),変わらなかったのは 1 種(カルバペネム耐性腸内細菌科細菌),増加したのは 1 種(基質拡張型β-ラクタマーゼ産生菌)であった.
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米国における C. difficile 感染症の負担,2011~17 年
U.S. Burden of C. difficile Infection, 2011–2017Clostridioides difficile 感染症は院内疾患・市中疾患の主な原因である.米国疾病管理予防センターの「新興感染症プログラム」からの報告で,米国における 2011~17 年の C. difficile 感染症の負担が推定されている.2017 年に C. difficile 感染症は,推定で 462,100 例発生した.
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難治性マントル細胞リンパ腫に対する CD19 を直接標的とする CAR-T 細胞
CD19-Directed CAR T Cells in Refractory MCLマントル細胞リンパ腫を有し,化学療法や,抗 CD20 モノクローナル抗体,ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬による治療後に再発した患者の予後は不良である.CD19 を直接標的とする CAR-T 細胞の 1 回の注射で,患者の 59%で完全寛解が導入された.完全寛解が得られた患者の 78%は 1 年の時点で寛解状態にあった.患者の約 2/3 で重篤な有害事象が発現し,以前のデータに一致する知見であった.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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進行期菌状息肉症
Advanced Mycosis Fungoides53 歳の男性が,顔面・全身の急速に進行する病変を訴えて受診した.皮膚生検が行われ,大細胞転化した菌状息肉症と診断された.
INTERACTIVE PERSPECTIVE
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2020 年における結核
Tuberculosis in 2020この双方向性の図は,結核の歴史,疫学,臨床的特徴を案内し,感染抑制にあたっての障壁や戦略を重点的に検討する.
CLINICAL PRACTICE AUDIO
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神経性食欲不振症
Anorexia Nervosa神経性食欲不振症は,精神疾患の併存率が高く,著しい治療抵抗性を示し,内科的合併症の頻度が高く,相当な死亡リスクを伴う.いくつかの心理療法的アプローチが用いられるが,思春期患者には通常家族療法が用いられている.
NEJM QUICK TAKE
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消化管出血により早期の内視鏡検査?
Earlier Endoscopy for GI Bleeding?急性上部消化管出血後の院内死亡率は 10%と推定されている.内視鏡検査は,出血源を同定することができ,コンサルテーション後 24 時間以内に行うことが推奨されている.より早期の内視鏡検査が死亡率を低下させるかどうかは明らかにされていない.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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スティグマと物質使用
Stigma and Substance UseNora Volkow が,薬物使用者に対するスティグマと,それが診療の提供と物質使用障害の負担に及ぼす影響について論じている.
AUDIO INTERVIEW
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Covid-19 に対する可能性のある治療に関する新たな研究
New Research on Possible Treatments for Covid-19この音声インタビューで本誌編集者らは,Covid-19 に対する可能性のある治療を評価するため,支持療法の先に目を向けている.