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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

December 3, 2020
Vol. 383 No. 23

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • マイクロサテライト不安定性大腸癌に対するペムブロリズマブ
    Pembrolizumab in Microsatellite-Unstable Colorectal Cancer

    大腸癌は遺伝学的に不均一である.一部の患者の腫瘍には,ミスマッチ DNA 修復欠損が認められる.このような腫瘍は,免疫認識を引き起こす遺伝子変異量が高い.マイクロサテライト不安定性腫瘍を有する患者集団で,ペムブロリズマブを投与した場合,標準的な化学療法を行った場合と比較して無増悪生存期間が長くなり,毒性は低かった.

  • 慢性腎臓病の転帰に対するフィネレノンの効果
    Effect of Finerenone on Chronic Kidney Disease Outcomes

    二重盲検試験で,慢性腎臓病と 2 型糖尿病を有する患者が,非ステロイド性選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬であるフィネレノンの投与を受ける群と,プラセボの投与を受ける群に無作為に割り付けられた.フィネレノンによる治療により,慢性腎臓病の転帰と心血管転帰のリスクが,プラセボよりも低下した.

  • アンデスウイルスのヒトからヒトへの感染拡大
    Person-to-Person Spread of Andes Virus

    2018 年末に,アンデスウイルスが,アルゼンチンにおけるハンタウイルス肺症候群の集団発生の原因として同定された.この集団発生は,34 例の感染確定例および 11 例の死亡と関連していた.詳細な調査で,有症状者 3 例によって引き起こされたヒトからヒトへの伝播を確認した.

  • サハラ以南のアフリカにおけるマラリアの化学予防
    Malaria Chemoprophylaxis in Sub-Saharan Africa

    マラリア蔓延地域の,重度の貧血を有する 5 歳未満の小児を対象とした無作為化プラセボ対照試験で,退院後にジヒドロアルテミシニン/ピペラキンを投与した場合,プラセボを投与した場合と比較して,退院後 3 ヵ月間の再入院または死亡の発生率が低下した.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 緑色尿
    Green Urine

    緑色尿

    高炭酸ガス性呼吸不全を呈する 62 歳の男性に挿管が行われ,プロポフォールの注入が開始された.入院から 5 日後,尿が緑色になった.

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • アウトサイダーを探す
    Looking for the Outsider

    アウトサイダーを探す

    44 歳の男性が,疲労,意図しない体重減少,2年間続く股関節痛と胸壁痛を訴えて受診した.以前,椅子の肘掛けを押して立ち上がったときに,急激な右鎖骨痛が現れたという.肩の X 線画像で,鎖骨遠位端 1/3 の溶骨病変部位に骨折が認められた.

REVIEW ARTICLE

  • サイトカインストーム
    Cytokine Storm

    サイトカインストーム

    サイトカインストームは,サイトカイン濃度の上昇と免疫細胞の過剰反応を伴う,生命を脅かす障害である.原因はさまざまで,全身症状,全身性炎症,多臓器不全を特徴とする.選択的介入によりこの状態を改善することができる.

INTERACTIVE PERSPECTIVE

  • 健康の不公平性と機会をマッピングする
    Mapping Inequities in Health and Opportunity

    健康の不公平性と機会をマッピングする

    米国全体で,健康状態と健康転帰,医療へのアクセス,社会経済的地位は,人種・民族のグループにより異なる.HOPE イニシアチブ(健康の機会と公平性に関するイニシアチブ)が集計したデータを用いた Interactive Perspective では,州別,6 つの人種・民族グループ別にさまざまな指標のデータを視覚的に確認し,比較することができる.

NEJM QUICK TAKE

  • 慢性腎臓病における転帰の改善
    Improving Outcomes in CKD

    慢性腎臓病における転帰の改善

    2 型糖尿病は,世界中で慢性腎臓病(CKD)の主な原因となっている.2 型糖尿病患者における CKD の管理ガイドラインでは,高血圧と高血糖のコントロールのほか,アンジオテンシン変換酵素阻害薬またはアンジオテンシン受容体拮抗薬の使用,さらに最近では,ナトリウム–グルコース共輸送体 2(SGLT2)阻害薬の使用が推奨されている.しかし治療を行っても CKD 進行のリスクは依然存在する.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • 肥満のパンデミックを見直す
    Reframing the Obesity Pandemic

    肥満のパンデミックを見直す

    Shiriki Kumanyika が,肥満とそれに関連する健康への脅威に対処するための,米国および世界の戦略について論じている.