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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

August 27, 2020
Vol. 383 No. 9

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • RET 融合遺伝子陽性肺癌におけるセルペルカチニブ
    Selpercatinib in RET Fusion–Positive Lung Cancer

    RET 融合遺伝子陽性肺癌は,非小細胞肺癌の 1~2%を占める.治療歴のある RET 融合遺伝子陽性肺癌患者では,RET キナーゼ阻害薬セルペルカチニブの投与を受けた患者の 64%で奏効が得られ,未治療の患者では 85%で奏効が得られた.患者の約 1/3 にグレード 3 以上の有害事象が認められた.

  • 甲状腺髄様癌に対するセルペルカチニブ
    Selpercatinib for Medullary Thyroid Cancer

    甲状腺髄様癌を発症した患者では,RET に体細胞変異または生殖細胞系列変異が生じていることが多い.セルペルカチニブは新規の RET 阻害薬である.第 1・2 相試験で,セルペルカチニブにより,治療歴のある患者 55 例中 38 例(69%)と未治療の患者 88 例中 64 例(73%)で奏効が得られた.毒性は主に低グレードであった.

  • 1 型糖尿病児におけるクローズドループシステム
    A Closed-Loop System in Children with Type 1 Diabetes

    クローズドループシステム(人工膵臓とも呼ばれる)は,1 型糖尿病児の血糖の転帰を改善する可能性がある.この 16 週間の試験で,血糖値が目標範囲内であった時間の割合は,クローズドループシステムのほうがセンサー付きインスリンポンプよりも高かった.

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 妊娠性疱疹
    Pemphigoid Gestationis

    30 歳の妊娠女性が妊娠 34 週で痒みを伴う皮疹を訴えて救急部を受診した.生検が行われ,妊娠性疱疹の診断が下された.

CORRESPONDENCE

  • 無症候性SARS-CoV-2感染の自然経過
    Natural History of Asymptomatic SARS-CoV-2 Infection

    クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号での SARS-CoV-2 の集団感染では,感染しているが症状のない患者が同定された.この報告ではこれらの無症候性感染者のうち 96 例の,隔離中の経過が述べられている.隔離中は詳細な観察と,ウイルスの経時的な検査が行われた.

Videos, Images, and Multimedia

REVIEW ARTICLE

  • アテローム性動脈硬化プラークの治癒
    Atherosclerotic Plaque Healing

    アテローム性動脈硬化プラークの治癒

    アテローム性動脈硬化プラークの破綻とびらんにより急性冠症候群が発症する.最初の破綻後のプラークの治癒については,それほど広く研究されていない.プラーク治癒の機序と表現型の特性,臨床事象におけるその役割,ならびに治療上の意義についてまとめられている.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 頭痛と歩行時のバランス障害を呈する女性
    A Woman with Headache and Gait Imbalance

    頭痛と歩行時のバランス障害を呈する女性

    53 歳の女性が,進行する頭痛と歩行時のバランス障害を訴えて受診した.MRI で,右小脳半球の脳実質内に増強病変(2.0 cm×1.8 cm×1.7 cm)が認められた.HIV スクリーニング検査で反応が認められたが,血漿中 HIV-1 RNA は検出されなかった.CD4 陽性 T 細胞数は 39/μL であった.診断のための検査が行われた.

GRAPHIC PERSPECTIVE

  • マイブルースカイ
    My Blue Sky

    マイブルースカイ

    この Graphic Perspective では,Covid-19 パンデミックのさなかに陣痛が始まった看護師の話を紹介する.耳鼻咽喉科医である夫は,入院期間を最小限にしたいと考え病院への出発を遅らせるが,出発が少々遅すぎてしまい…

NEJM QUICK TAKE

  • 糖尿病児の血糖転帰を改善する
    Improving Glycemic Outcomes in Children with Diabetes

    糖尿病児の血糖転帰を改善する

    1 型糖尿病児では,米国糖尿病学会(ADA)が推奨する糖化ヘモグロビンの目標値(7%未満)の達成率は 20%未満である.グルコースに反応してインスリンを自動的に送達するクローズドループシステム(「人工膵臓」)により転帰と QOL が改善する可能性があるが,公表されているデータは限られている.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • 質が不十分である
    Falling Short on Quality

    質が不十分である

    Elizabeth McGlynn が,医療の質を改善するための取組みが成功しないことが多い理由と,今後われわれができることについて論じている.