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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

March 4, 2021
Vol. 384 No. 9

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 成人 Covid-19 患者に対するバリシチニブとレムデシビルの併用
    Baricitinib plus Remdesivir for Adults with Covid-19

    Covid-19 入院患者 1,033 例を対象とした試験で,バリシチニブとレムデシビルの併用は,レムデシビル単独と比較して,とくに高流量酸素投与を受けていた患者において回復までの期間が短いことと,15 日目の臨床状態改善のオッズが 30%高いことに関連した.有害事象の頻度は併用療法のほうが低かった.

  • 肝硬変患者に対するアルブミン静注
    Albumin Infusions in Patients with Cirrhosis

    非代償性肝硬変を有し,血清アルブミン濃度 30 g/L 未満の入院患者が,アルブミン濃度を 30 g/L 以上に上昇させるために毎日アルブミンの静注を受ける群と,標準治療を受ける群に無作為に割り付けられた.アルブミンの静注により,感染症,腎機能障害,死亡の発生率は低下しなかった.重篤な有害事象はアルブミン群のほうが多かった.

  • 肝腎症候群に対するテルリプレシンの試験
    Trial of Terlipressin for Hepatorenal Syndrome

    第 3 相無作為化試験で,肝腎症候群 1 型患者 199 例が血管収縮薬のテルリプレシンとアルブミンを併用する群に,101 例がプラセボとアルブミンを投与する群に割り付けられた.テルリプレシン群では,プラセボ群と比較して腎機能が改善したが,死亡率は低下しなかった.また,テルリプレシンは呼吸不全などの有害事象を伴った.

  • 腎細胞癌に対するニボルマブとカボザンチニブの併用
    Nivolumab plus Cabozantinib in Renal-Cell Carcinoma

    未治療の進行腎細胞癌患者を対象とした無作為化試験で,ニボルマブとカボザンチニブの併用は,無増悪生存期間,全生存期間,奏効の確率に関して,スニチニブと比較して有意な利益をもたらした.併用群の患者の 19.7%は,試験薬の 1 剤または両剤を早期に中止した.

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 危険の潜む経過
    A Treacherous Course

    喫煙歴と多量の飲酒歴のある 33 歳男性が,2019 年 9 月に発熱,嘔吐,腹痛,喀血で救急部を受診した.2 日前に倦怠感,発熱,悪寒が出現し,その後,びまん性の腹痛,悪心,胆汁性嘔吐をきたした.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 気管支食道瘻を伴った気管無形成
    Tracheal Agenesis with Bronchoesophageal Fistula

    気管支食道瘻を伴った気管無形成

    在胎 32 週で出生した新生児が呼吸窮迫状態に陥った.気管内挿管は成功せず,出生から 4 時間後に死亡した.バリウムを用いた死後食道造影にて,気管無形成と気管支食道瘻が認められた.

REVIEW ARTICLE

  • びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫
    Diffuse Large B-Cell Lymphoma

    びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫

    びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫(DLBCL)は中悪性度に分類され,リンパ腫全体の約 30%を占める.経験的な併用化学療法を用いた初回治療では,患者の約 65%で治癒が得られ,残りの 20~25%はサルベージ療法により治癒が得られる.特定の遺伝子変異に対応した個別化治療に向けた取組みが続いている.

CLINICAL DECISIONS

  • Covid-19 ワクチンの 2 回目の接種の延期と標準スケジュールとの比較
    Delayed Second Dose vs. Standard Regimen for Covid-19 Vaccine

    Covid-19 ワクチンの 2 回目の接種の延期と標準スケジュールとの比較

    Covid-19 ワクチンの 2 回目の接種を,標準スケジュールで行うか,延期して行うかに関するこの双方向性の特集記事では,事例の提示後,異なるアプローチを推奨する 2 つのエッセイを示す.

NEJM QUICK TAKE

  • 非代償性肝硬変を治療する
    Treating Decompensated Cirrhosis

    非代償性肝硬変を治療する

    肝硬変患者に対するアルブミン静注は,70 年以上前にはじめて行われた.血清アルブミン低値は,肝硬変患者が感染症に罹患した場合の死亡リスクが高いことと関連しており,アルブミン静注によって非代償性肝硬変における全身性炎症反応が軽減することが示されている.しかし,アルブミンの臨床試験では相反する結果が得られている.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • 心血管疾患の負担を軽減する
    Alleviating the Burden of Cardiovascular Disease

    心血管疾患の負担を軽減する

    Gary Gibbons が,動脈硬化性心血管疾患の理解,予防,治療の進歩について論じている.