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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

November 11, 2021
Vol. 385 No. 20

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 脳梗塞に対するアルテプラーゼと血管内治療の併用と血管内治療単独との比較
    Alteplase with EVT versus EVT Alone for Stroke

    急性期脳梗塞のアジア人を対象とした試験では,血管内治療(EVT)単独は,EVT 前に血栓溶解を行う通常診療と比較して非劣性であることが示唆されている.欧州人を対象としたこの試験では,EVT 単独の非劣性も優越性も示されなかった.

  • 急性心筋梗塞に対するサクビトリル–バルサルタン
    Sacubitril–Valsartan in Acute Myocardial Infarction

    無作為化試験で,左室駆出率低下,肺うっ血,またはその両方を合併した急性心筋梗塞患者 5,661 例が,サクビトリル–バルサルタン群とラミプリル群に割り付けられた.中央値 22 ヵ月の時点で,心血管系の原因による死亡または新規心不全の発生率に群間で有意差は認められなかった.

  • 進行子宮頸癌に対するペムブロリズマブ
    Pembrolizumab in Advanced Cervical Cancer

    ベバシズマブ併用または非併用で,白金製剤ベースの化学療法を受けている進行子宮頸癌患者を対象に,ペムブロリズマブとプラセボとを比較する無作為化二重盲検試験が行われた.無増悪生存期間の中央値はペムブロリズマブ群 10.4 ヵ月,プラセボ群 8.2 ヵ月であった.2 年全生存率はそれぞれ 50.4%と 40.4%であった.

  • 医療におけるゲノムシーケンシング
    Genome Sequencing in Health Care

    100,000 ゲノムプロジェクトは,癌患者,希少疾患患者,感染症患者のゲノムシーケンシングを行う英国政府のプロジェクトである.希少疾患を有する 4,660 例で行われたパイロット研究では,次の行動に結び付く有用な診断が行われ,新たに関連が示唆される 3 つの疾患遺伝子が同定された.そして,国民健康保険サービスという環境におけるゲノムシーケンシングの,より大規模な実施に向けたロードマップを示している.

REVIEW ARTICLE

  • 環境汚染と心臓
    Pollution and the Heart

    環境汚染と心臓

    環境汚染は心血管危険因子である.世界疾病負担研究(GBD)では,2019 年には,環境汚染は 900 万件の死亡を引き起こし,そのうち心血管系の原因によるものは 60%を超えると推定された.再生可能エネルギー源に移行することで,このような死亡を減らすことができる可能性がある.双方向性の図で,有毒金属曝露に関連する臨床像を示す.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 意識障害と新たな痙攣発作を呈する男性
    A Man with Altered Mental Status and New Onset of Seizures

    38 歳の男性が,意識障害と痙攣を初発したため,救急部で評価された.診察で,不随意の上方視と錯乱が認められた.臨床検査では,白血球増多と乳酸アシドーシスが認められた.診断がなされた.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • スタージ–ウェーバー症候群の眼所見
    Ocular Findings in the Sturge–Weber Syndrome

    スタージ–ウェーバー症候群を有する 62 歳の男性が,右眼圧上昇の評価のため緑内障クリニックに紹介された.身体診察で,結膜血管と上強膜血管の限局性の拡張と蛇行が認められた.

NEJM QUICK TAKE

  • 脳梗塞に対する血管内治療前のアルテプラーゼ静注
    IV Alteplase before Endovascular Stroke Treatment

    脳梗塞に対する血管内治療前のアルテプラーゼ静注

    血管内治療前の静脈内血栓溶解療法は,前方循環閉塞による脳梗塞の一般的な治療である.しかし,このような背景下で血栓溶解が有益であるかは明らかにされていない.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

  • 急性心筋梗塞に対するアンジオテンシン受容体–ネプリライシン阻害
    Angiotensin Receptor– Neprilysin Inhibition in Acute MI

    急性心筋梗塞に対するアンジオテンシン受容体–ネプリライシン阻害

    アンジオテンシン受容体–ネプリライシン阻害薬のサクビトリル–バルサルタンは,症候性心不全患者では,アンジオテンシン変換酵素阻害薬よりも効果的に転帰を改善することが示されている.サクビトリル–バルサルタンが急性心筋梗塞患者の転帰を改善させるかどうかは明らかではない.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

  • 子宮頸癌に対するペムブロリズマブと化学療法の併用
    Pembrolizumab plus Chemotherapy for Cervical Cancer

    抗プログラム死 1(PD-1)モノクローナル抗体のペムブロリズマブは,子宮頸癌患者の単独療法として使用した場合に有効性を示し,毒性は主に低グレードであることが示されている.化学療法に上乗せする治療としての利益の可能性は不明である.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • シェパード–タウナー法を回顧する
    Reflecting on the Sheppard–Towner Act

    シェパード–タウナー法を回顧する

    Jeffrey Baker が,米国の女性と子どもを支えたが,短命に終わった 1921 年の法律について論じている.