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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

January 27, 2022
Vol. 386 No. 4

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • Covid-19 の重症化予防に用いるレムデシビル
    Remdesivir for Prevention of Covid-19 Progression

    Covid-19 関連症状の発現後 1 週間以内の非入院患者において,レムデシビルを 3 日間投与する治療は,プラセボを投与した場合と比較して入院または死亡のリスクを 87%低くした.レムデシビル群における有害事象の発現率はプラセボ群と同程度であった.

  • トファシチニブによる心血管リスクと癌リスク
    Cardiovascular and Cancer Risk with Tofacitinib

    関節リウマチ患者を対象とした無作為化非劣性試験で,心血管イベントと癌の発生頻度は,トファシチニブの投与を受けた患者のほうが TNF 阻害薬の投与を受けた患者よりも高く,この 2 つのエンドポイントについてトファシチニブの非劣性は確立されなかった.

  • 僧帽弁手術時の三尖弁修復
    Tricuspid Repair in Mitral-Valve Surgery

    変性性僧帽弁閉鎖不全症に対して僧帽弁手術を施行する患者を対象とした無作為化試験で,三尖弁修復を同時に行った場合に,三尖弁逆流に対する再手術,三尖弁逆流の進行,死亡の複合主要転帰のリスクが低下した.三尖弁修復により,恒久的ペースメーカー植込みが行われる頻度が上昇した.

  • イングランドにおける Covid-19 ワクチンの防御効果の期間
    Duration of Covid-19 Vaccine Protection in England

    ChAdOx1-S ワクチンまたは BNT162b2 ワクチンの接種を 2 回(接種間隔:3~12 週間)受けたイングランドの 600 万人超における検査陰性者を対照とする症例対照研究で,接種後 20 週以降も,Covid-19 による入院および死亡に対するワクチンの有効性は高いことが示された.感染に対する防御効果は減弱した.高齢者と背景に危険因子を有する集団では減弱がより大きかった.

  • リンパ腫に対する CD79b 特異的抗体薬物複合体
    CD79b-Specific Antibody-Drug Conjugate in Lymphoma

    びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫の治療成績は 20 年近く向上していない.しかし,R-CHOP 療法のビンクリスチンを,エムタンシンに関連する抗 CD79b 抗体であるポラツズマブ ベドチンに置き換えることで,2 年の時点での無増悪生存割合に R-CHOP 療法を上回る利益が認められ(76.7% 対 70.2%),安全性プロファイルは同様であった.

REVIEW ARTICLE

  • 身体疾患を伴っての高地訪問
    High-Altitude Travel with Medical Problems

    身体疾患を伴っての高地訪問

    高地訪問が増加しつつある.著者らは,高地での生理学的変化,移動前の身体疾患の評価,そして高地頭痛,急な山酔い,高地肺水腫,高地脳浮腫のリスクについて論じている.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 発熱,関節痛,腹部痙攣を呈する男児
    A Boy with Fever, Joint Pain, and Abdominal Cramping

    14 歳の男児が,疲労,発熱,関節痛,腹部痙攣,下痢で入院した.2 週間前まで体調は良好であったが,サマーキャンプの最終日に疲労と発熱が出現した.入院当日,男児は両肩関節,両膝関節の疼痛を訴え,体温は 39.2℃であった.診断のための検査が行われた.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 有棘赤血球性溶血性貧血
    Spur-Cell Hemolytic Anemia

    有棘赤血球性溶血性貧血

    肝硬変が進行している 48 歳の女性が,疲労を訴えて受診した.末梢血塗抹標本で,有棘赤血球を伴った非免疫性の溶血性貧血であることが確認された.有棘赤血球性溶血性貧血の診断がなされた.

INTERACTIVE MEDICAL CASE

  • 上空へ
    Up in the Air

    上空へ

    この双方向性の特集記事では,飛行機の離陸直後に起こる,締め付けるような胸骨下の痛みを訴える 58 歳の男性の症例を紹介する.NEJM.org でご自身の診断・治療技術を試してください.

NEJM QUICK TAKE

  • 関節リウマチに用いるトファシチニブによる心血管リスクと癌リスク
    CV and Cancer Risk with Tofacitinib in RA

    トファシチニブは,関節リウマチの治療薬として FDA に承認されているが,TNF 阻害薬と比較して主要有害心血管イベントと癌のリスクを高める可能性がある.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

  • 変性性僧帽弁閉鎖不全症患者における三尖弁修復
    Tricuspid Repair in Patients with Degenerative Mitral Regurgitation

    変性性僧帽弁閉鎖不全症に対する僧帽弁手術時に,中等度以下の三尖弁逆流を有する患者への三尖弁修復を行うリスクと利益は不明である.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

  • びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫に対するポラツズマブ ベドチン
    Polatuzumab Vedotin for Diffuse Large B-Cell Lymphoma

    びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫に対するポラツズマブ ベドチン

    びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫に対する標準的な R-CHOP 療法(リツキシマブ,シクロホスファミド,ドキソルビシン,ビンクリスチン,プレドニゾン)を受けても,患者の最大 40%が難治化または再発をきたす.レジメンを修正することで,転帰が改善する可能性がある.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE

  • 未来のコロナウイルスワクチン
    The Covid Vaccines of the Future

    未来のコロナウイルスワクチン

    David Morens が,広範囲に予防効果のあるコロナウイルスワクチンを開発する必要性について論じている.