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Covid-19 に対する BCG ワクチン接種
2023 年 4 月 27 日
BCG Vaccination against Covid-19カルメット–ゲラン菌(BCG)ワクチンは,全体的な抗ウイルス免疫を増強する可能性がある.無作為化比較試験で,医療従事者に BCG ワクチンまたはプラセボの接種が行われた.BCG ワクチンは新型コロナウイルス感染症(Covid-19)のリスクを減少させなかった.
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介護施設における職員の Covid-19 検査と転帰
2023 年 3 月 23 日
Covid-19 Staff Testing and Outcomes in Nursing Homes高度介護施設を対象とした大規模研究では,職員に対する新型コロナウイルス感染症(Covid-19)サーベイランス検査が多いほど,入居者における Covid-19 症例と Covid-19 関連死の臨床的に意味のある減少と関連していた.
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幼児に対する Covid-19 ワクチン
2023 年 2 月 16 日
Covid-19 Vaccine in Young Children5 歳未満の小児において,BNT162b2 ワクチン 3 μg の 3 回接種に免疫原性が認められ,5 歳以上の小児にみられるものと同様の局所反応と全身性事象と関連していた.
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Covid-19 に対するペグインターフェロンλ
2023 年 2 月 9 日
Pegylated Interferon Lambda for Covid-19インターフェロンは,早期の抗ウイルス免疫を刺激することができる.このプラットフォーム試験では,ペグインターフェロンλの早期の単回投与は,Covid-19 の重症化の減少と関連していた.
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Covid-19 に対する VV116 とニルマトレルビルとの比較
2023 年 2 月 2 日
VV116 versus Nirmatrelvir for Covid-19中国で,軽症~中等症の Covid-19 患者を対象に行われた試験において,VV116(レムデシビルの類似経口薬)は,ニルマトレルビル+リトナビルと比較して,持続的な臨床的回復が得られるまでの期間に関して非劣性であった.
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2 価ワクチンのブースター接種によるオミクロン株の中和
2023 年 1 月 19 日
Omicron Neutralization with Bivalent Vaccine Boost祖先株とオミクロン株 BA.1 系統の両方の塩基配列をもつ 2 価の mRNA ワクチンの免疫原性は,BA.1 に対して,祖先株特異的なワクチンよりも高い中和抗体価を誘導した.
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Covid-19 に対する VV116 とニルマトレルビルとの比較
2022 年 12 月 28 日
VV116 versus Nirmatrelvir for Covid-19中国で,軽症~中等症の Covid-19 患者を対象に行われた試験において,VV116(レムデシビルの類似経口薬)は,ニルマトレルビル+リトナビルと比較して,持続的な臨床的回復が得られるまでの期間に関して非劣性であった.
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学校における全員マスク着用義務を解除する
2022 年 11 月 9 日
Lifting Universal Masking in Schoolsボストン大都市圏の学区におけるマスク着用義務の解除は,州全体のマスク着用方針廃止後 15 週のあいだに,児童生徒および職員 1,000 人あたり 44.9 例の Covid-19 症例の追加と関連した.
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カタールの小児および思春期児における Covid-19 ワクチン
2022 年 11 月 2 日
Covid-19 Vaccine in Children and Adolescents in Qatar5~11 歳の小児に対する BNT162b2 ワクチン 10 μg による Covid-19 に対する防御効果は小さめであり,急速に減弱した.12~17 歳の思春期児に対する BNT162b2 ワクチン 30 μg による防御効果は,小児よりは大きく,持続的であり,12~14 歳のほうが,15~17 歳よりも効果は大きく持続的であった.
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カリフォルニア州の刑務所におけるオミクロン株に対する防御効果
2022 年 10 月 26 日
Protection against Omicron in California PrisonsCovid-19 感染歴がなく,ワクチン未接種の人は,オミクロン株感染のリスクがもっとも高く,デルタ株出現後の感染歴があり,mRNA ワクチンを 3 回接種している人は,防御効果がもっとも高かった.
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生後 6 ヵ月~5 歳児における mRNA-1273 ワクチン
2022 年 10 月 19 日
mRNA-1273 in Children 6 Months to 5 Years of Age生後 6 ヵ月~5 歳児を対象とした無作為化プラセボ対照試験で,mRNA-1273 ワクチンは安全であることが示され,誘導された抗体応答は,若年成人で誘導された抗体応答と同程度であった.
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オミクロン株対応 mRNA ワクチンブースター接種の免疫原性
2022 年 9 月 16 日
Omicron-Containing mRNA Vaccine Booster Immunogenicity2 回目のブースター接種として接種した場合,武漢株 Wuhan-Hu-1 とオミクロン株(BA.1)に由来する配列を含む 2 価ワクチンは,BA.4/5 系統に対して,武漢株 Wuhan-Hu-1 ワクチンよりも高い中和抗体価を誘導した.
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オミクロン株急増中の Covid-19 に対するニルマトレルビル
2022 年 8 月 24 日
Nirmatrelvir for Covid-19 during the Omicron Surgeイスラエルで 2022 年にニルマトレルビルの臨床使用が開始された際,この研究の適格患者(40 歳以上)の大部分(78%)は,SARS-CoV-2 に対する免疫を獲得していた.ニルマトレルビルの利益は,65 歳以上の,Covid-19 が重症化するリスクがもっとも高い患者に認められた.
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Covid-19 外来患者に対する 3 つの薬剤の転用
2022 年 8 月 18 日
Three Repurposed Drugs for Outpatient Covid-19過体重または肥満の Covid-19 外来患者を対象とした試験で,3 つの薬剤(メトホルミン,イベルメクチン,フルボキサミン)のいずれを転用しても,重篤な Covid-19 のリスクは低下しなかった.
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小児における BNT162b2 ワクチンのオミクロン株に対する防御効果
2022 年 7 月 20 日
BNT162b2 Protection against Omicron in Children5~11 歳児の BNT162b2 ワクチン接種に関するシンガポールのデータから,オミクロン株が優勢であった期間中に,BNT162b2 ワクチンの接種により SARS-CoV-2 感染と Covid-19 関連入院のリスクが減少した.
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5~11 歳児における Covid-19 ワクチン接種
2022 年 6 月 29 日
Covid-19 Vaccination in Children 5 to 11 Years of AgeBNT162b2 ワクチンの 2 回接種は,持続期間が 2 日以下の主に低グレードの局所副反応を伴い,検査で確認されたオミクロン株感染および有症状の Covid-19 に対して 50%近い防御効果をもたらした.これはデルタ株感染に対する防御効果よりも低かった.防御効果は小児の年齢が低いほど大きかった.
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母体のワクチン接種と乳児における Covid-19
2022 年 6 月 22 日
Maternal Vaccination and Covid-19 among Infants生後 6 ヵ月未満の,Covid-19 により入院した乳児を症例,Covid-19 を有さず入院した乳児を対照としたこの研究では,症例群のほうが,母体が妊娠中に mRNA ワクチンの接種を受けている割合が少なかった.乳児の Covid-19 による入院の予防における母体のワクチン接種の有効率は,全体では 52%であり,また,デルタ株流行期のほうがオミクロン株流行期よりも高かった.
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Covid-19 における過去の感染とワクチン接種
2022 年 6 月 15 日
Previous Infection and Vaccination in Covid-19カタールで行われた研究で,SARS-CoV-2 オミクロン株 BA.1 および BA.2 による有症状感染の予防と,重症,重篤,致死的 Covid-19 の予防における,過去の感染,ワクチン接種,およびその両方の有効性が評価された.
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SARS-CoV-2 に対する自然免疫とハイブリッド免疫
2022 年 5 月 25 日
Natural and Hybrid Immunity to SARS-CoV-2イスラエルの研究者らは,ワクチンの 2 回接種,3 回接種,過去の SARS-CoV-2 感染(ワクチン未接種での感染,接種前の感染,接種後の感染)が,その後の SARS-CoV-2 感染および重症 Covid-19 への進行に及ぼす影響を調査した.過去の免疫付与イベント(ワクチン接種または感染)には防御効果があることが確認されたが,すべての防御効果は経時的に減弱した.
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年長小児における mRNA-1273 ワクチンの有効性
2022 年 5 月 11 日
Efficacy of mRNA-1273 Vaccine in Older Children第 2・3 相試験のパート 1 で,mRNA-1273 ワクチン 50 μg の安全性と免疫原性が示された.パート 2 では,6~11 歳の約 4,000 例がワクチンまたはプラセボの接種を 2 回受け,中央値で 82 日間追跡された.有害作用は主に軽度であり,99%で免疫原性が認められ,18~25 歳における結果と同様であった.デルタ株流行期におけるワクチンの有効率は 88%であった.
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スパイク蛋白サブユニットワクチンの有効性と安全性
2022 年 5 月 4 日
Efficacy and Safety of Spike Protein Subunit VaccineZF2001 は,SARS-CoV-2 スパイク蛋白の縦列反復二量体受容体結合ドメインと,水酸化アルミニウムのアジュバントから成るワクチンである.第 3 相試験で,5 ヵ国の参加者 28,904 例が,ZF2001 の 3 回接種とプラセボの接種に無作為に割り付けられた.6 ヵ月間の追跡後,有症状の Covid-19 の予防における有効率は 76%,重症~重篤なCovid-19 の予防における有効率は 88%,死亡の予防における有効率は 87%であった.副反応の大部分は局所反応であり,グレードは低く,一過性であった.
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植物由来の SARS-CoV-2 ワクチンの有効性
2022 年 5 月 4 日
Efficacy of a Plant-Based SARS-CoV-2 Vaccineアジュバントを添加した植物由来のウイルス様粒子ワクチンの 2 回接種に関する,24,000 例超が参加した試験において,有症状の Covid-19 の予防における有効率は 69.5%,中等症~重症 Covid-19 の予防における有効率は 78.8%であった.ワクチン接種者の 80%超に局所または全身の有害作用が生じたが,大部分は軽度であり,短期間で消失した.
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Covid-19 の予防に用いる 2 つのモノクローナル抗体
2022 年 4 月 20 日
Monoclonal Antibodies for Prevention of Covid-19この無作為化対照試験では,SARS-CoV-2 感染リスクが高い成人における Covid-19 の予防に,AZD7442(SARS-CoV-2 スパイク蛋白を標的としたモノクローナル抗体である,チキサゲビマブとシルガビマブの併用療法)が評価された.AZD7442 は有症状の Covid-19 の予防に約 77%の有効性を示した.
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オミクロン株に対する 4 回目のワクチン接種の防御効果
2022 年 4 月 13 日
Protection against Omicron by a Fourth Vaccine Doseイスラエルでは,2022 年 1 月 3 日に BNT162b2 ワクチンの 4 回目接種が開始された.2 月 18 日の時点で,4 回目接種者では,接種後 7~30 日の時点で,3 回接種者と比較して感染が 45%減少,有症状の感染が 55%減少,入院が 68%減少,Covid-19 関連死が 74%減少した.
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イスラエルにおける 4 回目のワクチン接種の有効性
2022 年 4 月 5 日
Efficacy of a Fourth Vaccine Dose in Israelイスラエルでは,2021 年後半にオミクロン株の感染拡大によって Covid-19 が増加し,2022 年 1 月初旬に BNT162b2 ワクチンの 2 回目のブースター接種が承認された.この論文では,60 歳以上のイスラエル人における 4 回目の接種の有効性を報告している.2 回目のブースター接種後 4 週目における重症 Covid-19 の発生率は,3 回接種の 3.5 分の 1 であった.
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小児および思春期児におけるオミクロン株に対するワクチンの有効性
2022 年 3 月 30 日
Vaccine Effectiveness against Omicron in Children and AdolescentsBNT162b2 ワクチンを評価した試験で,12~18 歳の思春期児では,デルタ株優勢期間中の Covid-19 による入院の予防における有効率は 90%を超えていたが,オミクロン株優勢期間中は,Covid-19 による入院の予防における有効率は 40%,重篤な Covid-19 の予防における有効率は 79%であった.5~11 歳の小児の入院予防における有効率は 68%であった.
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早期 SARS-CoV-2 感染に対する回復者血漿
2022 年 3 月 30 日
Convalescent Plasma for Early SARS-CoV-2 Infection有症状の早期 SARS-CoV-2 感染患者に回復者血漿を投与する多施設共同二重盲検試験で,1,225 例が,症状発現後 9 日以内に回復者血漿の投与を受ける群と,対照血漿の投与を受ける群に無作為に割り付けられた.入院にいたる Covid-19 関連疾患進行の頻度は,回復者血漿の投与を受けた患者のほうが有意に低かった.
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早期 Covid-19 に対するイベルメクチン
2022 年 3 月 30 日
Ivermectin for Early Covid-19一般に使用されている複数の治療薬が Covid-19 の治療に検討されている.二重盲検無作為化プラセボ対照試験で,Covid-19 の症状発現後 7 日以内に投与されたイベルメクチンは,いかなる臨床的利益も示さなかった.
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BNT162b2 ワクチンのブースター接種の有効性と安全性
2022 年 3 月 23 日
Efficacy and Safety of BNT162b2 Boosterワクチンの有効性を示した無作為化ピボタル試験の延長で,BNT162b2 ワクチンの 2 回接種を受けた成人約 10,000 例が,3 回目の接種を受ける群と,プラセボの接種を受ける群のいずれかに割り付けられた.局所反応の頻度は高かったが,軽度であり,一過性であった.中央値で 2.5 ヵ月の追跡期間中に,SARS-CoV-2 感染はワクチン群の 6 例,プラセボ群の 123 例で確認され,ワクチンの有効率は 95.3%であった.
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カタールにおけるオミクロン株に対するブースター接種
2022 年 3 月 9 日
Booster Vaccination against Omicron in Qatarカタールの BNT162b2 ワクチン接種コホートにおける,35 日間追跡後の有症状のオミクロン株感染の発生率は,ブースター接種者で 2.4%,ブースター未接種者で 4.5%であった.mRNA-1273 ワクチン接種コホートでは,ブースター接種者で 1.0%,ブースター未接種者で 1.9%であった.
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オミクロン株に対するワクチンのブースター接種の効果
2022 年 3 月 2 日
Vaccine Boost Effects on Protection against Omicronイングランドで行われた大規模症例対照研究で,初回免疫で使用されたワクチンの種類にかかわらず,オミクロン株に対する免疫は非常に低く,2 回目の接種後 20 週の時点で,デルタ株に対する免疫よりも低かった.mRNA ワクチン(BNT162b2 または mRNA-1273)によるブースター接種で有効率は約 65~70%まで上昇したが,防御効果は 10 週間で減弱した.
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南アフリカにおけるオミクロン株は拡大がより早く,重症度は低い
2022 年 2 月 23 日
More Rapid Spread, Less Severe Disease with Omicron in South Africaオミクロン株が最初に同定された南アフリカ・ハウテン州では,ワクチン未接種の居住者の 2/3 が SARS-CoV-2 血清陽性であり,感染歴を有することが示された.オミクロン株は,検出後わずか 1 ヵ月でピークに達したが,症例数に比して,入院と死亡が増加することはなかった.この変化が,多数の人にすでに存在していた免疫に関連しているのか,ウイルスの特徴に関連しているのかは不明である.
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SARS-CoV-2 感染回復後のワクチン接種
2022 年 2 月 16 日
Vaccination after Recovery from SARS-CoV-2 Infectionイスラエルの後ろ向きコホート研究で,Covid-19 ワクチン接種前に SARS-CoV-2 に感染し回復した 149,032 例が,回復後にワクチンを接種したか,未接種のままであったかで再感染率を検討するため,270 日間追跡された.再感染率は,未接種者では 1 日 100,000 人あたり 10.21 例,接種者では 2.46 例であった.
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ワクチン接種および過去の感染による Covid-19 に対する防御
2022 年 2 月 16 日
Covid-19 after Vaccination and Previous Infection35,000 人超の医療従事者のコホートで,BNT162b2 ワクチンを 2 回接種した人には,その接種間隔にかかわらず Covid-19 に対する高い防御効果が認められたが,その効果は 6 ヵ月後に減弱し始めた.感染歴があり,ワクチン接種を受けた人では,感染歴なしでワクチン接種を受けた人に比べて,免疫の有効性と持続性(1 年超)が認められた.
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Covid-19 に対するニルマトレルビル+リトナビル
2022 年 2 月 16 日
Nirmatrelvir plus Ritonavir for Covid-19ニルマトレルビルは,SARS-CoV-2 に活性を示すメインプロテアーゼ阻害薬であり,薬物動態増強薬であるリトナビルと併用される.二重盲検プラセボ対照試験で,重症化リスクの高い Covid-19 患者にニルマトレルビル+リトナビルが症状発現後 5 日以内に投与された場合に,Covid-19 関連入院または死亡のリスクは 87.8%低下した.
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単回接種の Ad26.COV2.S ワクチンの最終解析
2022 年 2 月 9 日
Final Analysis of Single-Dose Ad26.COV2.SAd26.COV2.S ワクチンの単回接種の有効性を評価した無作為化試験で,中等症~重症・重篤 Covid-19 の予防におけるワクチンの有効性は,接種後 14 日目以降は 56.3%,接種後 28 日目以降は 52.9%であった.防御効果はブースター接種なしで 6 ヵ月以上持続した.接種は軽度~中等度の副反応を伴った.
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Covid-19 ワクチンブースターの免疫作用
2022 年 1 月 26 日
Immune Effects of Covid-19 Vaccine Boosters現在承認されている Covid-19 ワクチンの接種を完了した参加者が,同種ワクチンまたは異種ワクチンのブースター接種を受け,15 日目と 29 日目に免疫応答が測定された.同種ブースターでは中和抗体価が 4~20 倍に上昇したのに対し,異種ブースターでは 6~73 倍に上昇した.
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Ad26.COV2.S ワクチンによる初回免疫後のブースター接種の効果
2022 年 1 月 19 日
Effects of Boosters after Ad26.COV2.S Vaccination434 例を対象とした試験で,最初の Ad26.COV2.S ワクチン接種後 3 ヵ月の時点で,ブースター接種なし,または Covid-19 ワクチンとして承認されている Ad26.COV2.S ワクチン,mRNA-1273 ワクチン,BNT162b2 ワクチンのいずれかによるブースター接種の効果が検討された.すべてのワクチンで中和抗体価と T 細胞応答が増加したが,増加は mRNA ベースのワクチンである mRNA-1273 と BNT162b2 のほうが大きかった.
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思春期児における BNT162B2 ワクチンの有効性
2022 年 1 月 12 日
Effectiveness of BNT162B2 Vaccine in Adolescents検査陰性者を対照とする症例対照研究デザインを用いた研究で,思春期児における BNT162B2 ワクチンの,Covid-19 に関連する入院,ICU 入室,生命維持の予防における有効性が評価された.症例 445 例,対照 777 例のうち,症例患児の 180 例が ICU に入室し,そのうちワクチン接種を完了していたのは 2 例のみであった.死亡した 7 例はいずれもワクチン未接種の症例患児であった.
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ノースカロライナ州における Covid-19 ワクチンの有効性
2022 年 1 月 12 日
Covid-19 Vaccine Effectiveness in North Carolinaノースカロライナ州の住民 1,000 万人超を対象とした解析で,3 つの Covid-19 ワクチンは,接種後 9 ヵ月間にわたり,入院予防と死亡予防に関して非常に有効であった.感染に対する防御効果の経時的な減弱は,免疫の低下とデルタ株の出現の両方によるものであった.
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イングランドにおける Covid-19 ワクチンの防御効果の期間
2022 年 1 月 12 日
Duration of Covid-19 Vaccine Protection in EnglandChAdOx1-S ワクチンまたは BNT162b2 ワクチンの接種を 2 回(接種間隔:3~12 週間)受けたイングランドの 600 万人超における検査陰性者を対照とする症例対照研究で,接種後 20 週以降も,Covid-19 による入院および死亡に対するワクチンの有効性は高いことが示された.感染に対する防御効果は減弱した.高齢者と背景に危険因子を有する集団では減弱がより大きかった.
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Covid-19 ワクチン接種とデルタ株の伝播
2022 年 1 月 5 日
Covid-19 Vaccination and Delta Transmissionイングランドで行われた研究で,SARS-CoV-2 に感染した患者の接触者で PCR 検査を受けた約 146,000 例のうち,37%が SARS-CoV-2 陽性であった.アルファ株の伝播率は,発端患者がワクチン接種を 2 回受けている場合,未接種の場合よりも低かった(BNT162b2 ワクチンで補正率比 0.32).ワクチンの防御効果は経時的に減弱し,デルタ株よりもアルファ株に有効であった.
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Covid-19 の重症化予防に用いるレムデシビル
2021 年 12 月 22 日
Remdesivir for Prevention of Covid-19 ProgressionCovid-19 関連症状の発現後 1 週間以内の非入院患者において,レムデシビルを 3 日間投与する治療は,プラセボを投与した場合と比較して入院または死亡のリスクを 87%低くした.レムデシビル群における有害事象の発現率はプラセボ群と同程度であった.
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Covid-19 の早期外来治療におけるモルヌピラビル
2021 年 12 月 16 日
Molnupiravir for Early, Outpatient Treatment of Covid-19Covid-19 の治療では,外来で投与可能な経口薬が必要とされている.第 3 相二重盲検無作為化対照試験で,Covid-19 の症状発現後 5 日以内の,ワクチン未接種の患者に対する,低分子抗ウイルス薬モルヌピラビルの評価が行われた.29 日目までに Covid-19 の進行により入院した割合は,モルヌピラビル群(6.8%)のほうがプラセボ群(9.7%)よりも低かった.
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Covid-19 に対する NVX-CoV2373 ワクチンの有効性
2021 年 12 月 15 日
Efficacy of the NVX-CoV2373 Vaccine against Covid-19NVX-CoV2373 は,安定化させた遺伝子組換え全長スパイク蛋白三量体から成るワクチンであり,サポニンをベースとしたアジュバントとともに 3 週間隔で 2 回接種する.無作為化試験で,約 20,000 例がこのワクチンの接種を受け,約 10,000 例がプラセボの接種を受けた.Covid-19 に対するワクチンの有効率は 90%であり,反応原性(副反応)は他の Covid-19 ワクチンと同様であった.
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成人の全年齢層にわたる Covid-19 ワクチンのブースター接種の効果
2021 年 12 月 8 日
Covid-19 Vaccine Booster Effects across Age Groupsイスラエルで行われた 16 歳以上のワクチン接種完了者 470 万人の研究で,ブースター接種を受けた人は,受けなかった人と比較して,検査で確認された Covid-19 の発生率が約 10 分の 1 であった.60 歳以上では,重症 Covid-19 の発生率は 17.9 分の 1,死亡率は 14.7 分の 1 であった.
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イスラエルにおける Covid-19 による死亡率に対するブースター接種の効果
2021 年 12 月 8 日
Effect of Booster on Mortality Due to Covid-19 in Israelイスラエルにおける研究で,年齢が 50 歳以上で,5 ヵ月以上前に BNT162b2 ワクチンの 2 回目の接種を受けていた 843,208 例のうち,ブースター接種を受けた人では,Covid-19 による死亡率がブースター接種を受けなかった人よりも 90%低かった.研究期間は 54 日間で,副反応は記録されなかった.
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ニューヨーク州における Covid-19 ワクチンの有効性
2021 年 12 月 1 日
Covid-19 Vaccine Effectiveness in New York StateBNT162b2 ワクチン,mRNA-1273 ワクチン,Ad26.COV2.S ワクチンの,2021 年 5 月~8 月における有効性の評価が行われた.初期の防御効果は高かったが,デルタ株が急増し,公衆衛生上の対策が緩和された後にわずかに減衰した.入院に対する防御効果は高いまま持続した.
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退役軍人における mRNA ワクチンの有効性
2021 年 12 月 1 日
Efficacy of mRNA Vaccines in the VA440,000 人近い退役軍人が含まれる観察研究で,BNT162b2 ワクチンと mRNA-1273 ワクチンのいずれも,感染,入院,Covid-19 による死亡の予防に非常に有効であった.感染リスクは,mRNA-1273 ワクチンのほうが BNT162b2 ワクチンよりも約 21%低かった.追跡期間にはアルファ株優勢期間,デルタ株優勢期間が含まれた.
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5~11 歳における BNT162b2 Covid-19 ワクチン
2021 年 11 月 9 日
BNT162b2 Vaccine against Covid-19 in 5-to-11-Year-Olds5~11 歳児における BNT162b2 ワクチンについて,第 1 相試験で以降の試験で検討する用量が決定され,10 μg を 21 日間隔で 2 回接種する第 2・3 相試験が開始された.重篤な有害事象は認められなかった.高い中和抗体価が誘導され,2 回目の接種後 7 日目以降のワクチン有効率は 90.7%であった.
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Covid-19 ワクチンを接種したイスラエル人における免疫の減衰
2021 年 10 月 27 日
Waning Immunity among Covid-19–Vaccinated Israelisイスラエルでは,6 月中旬に Covid-19 が再流行したため,ワクチンの接種月に応じた Covid-19 に対する免疫の調査が行われた.ワクチン接種完了者の,2021 年 7 月 11 日~31 日の期間における,検査で確認された SARS-CoV-2 感染および重症 Covid-19 に関するデータが収集された.感染および重症 Covid-19 の相対的発生率と絶対的発生率は,全年齢群で,2 回目の接種後時間とともに増加した.
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早期 Covid-19 に対するソトロビマブ
2021 年 10 月 27 日
Sotrovimab for Early Covid-19現在進行中の無作為化第 3 相試験において,Covid-19 の症状発現から 5 日以内の外来患者に,ソトロビマブ(SARS-CoV-2 を標的とするモノクローナル抗体)またはプラセボが投与された.あらゆる原因による入院または死亡の発生率は,ソトロビマブの投与を受けた患者のほうがプラセボの投与を受けた患者よりも低かった(1% 対 7%).
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イスラエルにおける BNT162b2 ワクチン接種後の心筋炎
2021 年 10 月 6 日
Myocarditis after BNT162b2 Vaccine in Israelイスラエル保健省のデータベースにおいて,ワクチン接種者 500 万人超の中から,心筋炎の確定例またはほぼ確実例が 136 例同定された.完全接種者における2 回目の接種後の,ワクチン未接種者と比較した心筋炎発症の率比は 2.35 であり,リスクは 16~19 歳の男性でもっとも高かった.
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Covid-19 mRNA ワクチン接種後の心筋炎
2021 年 10 月 6 日
Myocarditis after Covid-19 mRNA Vaccineイスラエルの大規模医療システムで BNT162b2 mRNA ワクチンの接種を受けた 250 万人超において,初回接種後 42 日の心筋炎発症率は 100,000 人あたり 2.13 例であり,16~29 歳の男性でもっとも高かった(100,000 人あたり 10.69 例).心筋炎症例の大部分は軽症または中等症であった.
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カタールにおける SARS-CoV-2 に対するワクチンの防御効果の減衰
2021 年 10 月 6 日
Waning Vaccine Protection against SARS-CoV-2 in Qatarカタールの 90 万人超で,検査陰性者を対照とする症例対照研究が行われた.BNT162b2 ワクチンの SARS-CoV-2 感染に対する有効性は,2 回目の接種後 1 ヵ月でピークの 77.5%に達し,その後低下して,5~7 ヵ月は約 20%となった.しかし重篤な Covid-19 に対する防御効果は,2 回目の接種後少なくとも 6 ヵ月間は 90%を超えていた.
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イスラエルにおける Covid-19 に対する免疫の減衰
2021 年 10 月 6 日
Waning Covid-19 Immunity in Israelイスラエルで行われた,BNT162b2 ワクチンを 2 回接種した 4,000 人近い医療従事者の縦断研究で,スパイク結合 IgG 抗体と中和抗体の抗体価は低下し,とくに,男性,65 歳以上,免疫抑制状態にある人では低下の程度がより大きかった.肥満者は,非肥満者よりも抗体価が高かった.
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外来患者に対するカシリビマブとイムデビマブ
2021 年 9 月 29 日
Casirivimab and Imdevimab in Outpatients第 3 相プラセボ対照プラットホーム試験で,SARS-CoV-2 感染症急性期の外来患者に対する,カシリビマブとイムデビマブ(REGEN-COV)の 2,400 mg または 1,200 mg の単回静注が評価された.この 2 つの抗体を組み合わせた製剤の投与を受けた患者は,プラセボの投与を受けた患者よりも Covid-19 関連入院の発生率が低く,回復が早かった.
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ChAdOx1 nCoV-19 ワクチンの第 3 相試験
2021 年 9 月 29 日
Phase 3 Trial of the ChAdOx1 nCoV-19 Vaccine米国,チリ,ペルーで,32,000 例を超える人々が参加した ChAdOx1 nCoV-19 ワクチンの無作為化二重盲検プラセボ対照第 3 相試験では,重篤な副反応の発現率は低く(ワクチン起因性免疫性血栓性血小板減少症は 0 例),ワクチンの有効性は 74%であった.有効性はさまざまな人口統計学的サブグループで認められた.
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米国の医療従事者におけるワクチンの有効性
2021 年 9 月 22 日
Vaccine Effectiveness among U.S. Health Care Personnel検査陰性者を対照とする症例対照研究で,SARS-CoV-2 ワクチンの接種を受けた医療従事者の症例 1,482 例と対照 3,449 例が評価された.症状を伴う Covid-19 の予防における有効性は,BNT162b2 ワクチンが 88.8%,mRNA-1273 ワクチンが 96.3%であった.有効性は,年齢別(50 歳未満または 50 歳以上),人種・民族別,基礎疾患別,患者との接触の程度別のサブグループにおいても同程度であった.
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盲検期終了時点における mRNA-1273 ワクチンの有効性
2021 年 9 月 22 日
Efficacy of mRNA-1273 Vaccine at End of Blinded Phase観察者盲検プラセボ対照試験の中間解析に基づき,mRNA-1273 ワクチンは 2020 年 12 月に緊急使用が承認された.試験参加者に結果を知らせ,プラセボの接種を受けた参加者にはワクチン接種が提案された.試験の盲検期終了の時点で,mRNA-1273 ワクチンの Covid-19 の予防における有効性は 93.2%,重症 Covid-19 の予防における有効性は 98.2%であった.新たな安全性の問題は確認されなかった.
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イスラエルにおける Covid-19 ワクチンの 3 回目の接種
2021 年 9 月 15 日
Third Dose of Covid-19 Vaccine in Israelイスラエルでは,BNT162b2 mRNA ワクチンの 2 回接種を完了している 60 歳以上の住民 100 万人超が,2021 年 7 月 30 日から 3 回目の接種(ブースター接種)を受けている.8 月 31 日の時点で,検査で確認された Covid-19 感染の発生率は,ブースター群では非ブースター群の 11.3 分の 1 であり,重症 Covid-19 の発生率は 19.5 分の 1 であった.
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追跡期間 6 ヵ月での BNT162b2 ワクチンの有効性
2021 年 9 月 15 日
BNT162b2 Vaccine at 6 Months of Follow-up16 歳以上の参加者 44,165 例と,12~15 歳の参加者 2,264 例を対象とした多国間観察者盲検無作為化試験において,BNT162b2 ワクチンの有効性は,6 ヵ月の追跡期間中,Covid-19 に対して 91%,重症 Covid-19 に対して 97%であった.ベータ株が広がっていた南アフリカでは,ワクチンの有効性は 100%であった.ワクチンによる遅発性毒性は認められなかった.
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医療の場における Covid-19 ワクチンの有効性
2021 年 9 月 8 日
Covid-19 Vaccine Effectiveness in Medical Settings米国の 187 病院への入院 41,552 件,221 の救急部または緊急診療所への受診 21,522 件の解析が,検査で陰性であった人を対照とする test-negative デザインを用いて行われた.mRNA ベースのワクチン(2 回目の接種後 14 日以上経過)は,入院,ICU 入室,緊急受診にいたった SARS-CoV-2 感染に対する有効性が高く,それぞれ 89%,90%,91%であった.
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mRNA Covid-19 ワクチン BNT162b2 の安全性
2021 年 8 月 25 日
Safety of the BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine170 万人を超える人々において,BNT162b2 ワクチンの接種は,心筋炎(リスク比 3.24),リンパ節腫脹,虫垂炎,帯状疱疹のリスク増加と関連することが示された.一方 Covid-19 は,心筋炎(リスク比 18.28),心膜炎,不整脈,深部静脈血栓症,肺塞栓症,心筋梗塞,頭蓋内出血,血小板減少症のリスク増加と関連することが示された.
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すべてのコロナウイルスに対する広域中和抗体
2021 年 8 月 18 日
Broadly Neutralizing Antibodies against All Coronaviruses2002~03 年に SARS-CoV-1 感染から回復した人々は,最長 17 年間中和抗体を有することが確認されている.そのような人々に SARS-CoV-2 に対する BNT162b2 ワクチンを接種したところ,SARS-CoV-2 のすべての「懸念される変異株」だけでなく,コウモリとセンザンコウで検出された種類のコロナウイルスに対しても中和能を示す高力価の抗体が誘導された.すべてのベータコロナウイルスに対する免疫が獲得できるかもしれない.
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高リスク Covid-19 に対する回復者血漿
2021 年 8 月 18 日
Convalescent Plasma for High-Risk Covid-19Covid-19 の症状発現後 7 日以内に救急部を受診し,帰宅可能と判断された患者が,回復者血漿の投与を受ける群とプラセボの投与を受ける群に無作為に割り付けられた.回復者血漿は疾患の進行を抑制しなかった.
ORIGINAL ARTICLE
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ワクチン起因性免疫性血小板減少症/血栓症
2021 年 8 月 11 日
Vaccine-Induced Thrombocytopenia and Thrombosis英国で,ChAdOx1 nCoV-19 ワクチンの 1 回目の接種後,中央値で 14 日の時点で受診し,ワクチン起因性免疫性血小板減少症/血栓症(VITT)が確定またはほぼ確実とされた 220 例において,VITT の表現型が明らかにされた.半数が脳静脈洞血栓症を有し,その 1/3 は頭蓋内出血も有していた.死亡率は 22%であった.免疫グロブリン静注療法で VITT を改善できる可能性がある.
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思春期児における mRNA-1273 ワクチン
2021 年 8 月 11 日
The mRNA-1273 Vaccine in Adolescents12~17 歳の思春期児約 3,700 例を対象として,mRNA-1273 ワクチンまたはプラセボを注射する試験が行われた.2 回のワクチン接種により高い中和抗体価が誘導され,副反応プロファイルは他の年齢群で認められたものと同様であった.ワクチン非接種群における Covid-19 の発生率は低すぎたため防御効果を評価できなかったが,ワクチンを接種した参加者では Covid-19 は発生しなかった.
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2 つの抗体を組み合わせた製剤の皮下注射と Covid-19
2021 年 8 月 4 日
Subcutaneous Antibody Combination and Covid-19SARS-CoV-2 感染者の家庭内接触者は,感染のリスクがある.発端患者の感染が検出されてから 4 日以内に,家庭内接触者に 2 つの抗 SARS-CoV-2 モノクローナル抗体を組み合わせた製剤の皮下注射を 1 回行ったところ,曝露後 28 日間の感染リスクが 2/3 低減した.
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中等症の Covid-19 患者に対する抗凝固療法
2021 年 8 月 4 日
Anticoagulation in Moderate Covid-19無作為化試験で,中等症の Covid-19 患者が,治療用量のヘパリンによる抗凝固療法を受ける群と,通常治療の血栓予防を受ける群のいずれかに割り付けられた.21 日目まで臓器サポートなしで生存退院する確率は,治療用量の抗凝固療法のほうが通常治療の血栓予防よりも高かった.
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重篤な Covid-19 患者に対する抗凝固療法
2021 年 8 月 4 日
Anticoagulation in Critically Ill Patients with Covid-19無作為化試験で,重症 Covid-19 患者が,治療用量のヘパリンによる抗凝固療法を受ける群と,通常治療の薬剤による血栓予防を受ける群のいずれかに割り付けられた.治療用量での抗凝固療法は,院内生存率も,21 日目までの心血管系または呼吸器のサポートを受けていない日数も改善しなかった.
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医療従事者におけるブレイクスルー Covid-19
2021 年 7 月 28 日
Breakthrough Covid-19 in Health Care WorkersCovid-19 に対するワクチン接種を完了し,2021 年 1 月 20 日~4 月 28 日の期間中にすべての検査結果が得られた医療従事者 1,497 例のうち,39 例でブレイクスルー感染が検出された.感染した医療従事者は軽症または無症状であり,感染周辺期の中和抗体価が非感染者よりも低かった.
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SARS-CoV-2 デルタ株に対するワクチンの有効性
2021 年 7 月 21 日
Vaccine Effectiveness against Delta Covid-19 VariantSARS-CoV-2 の B.1.617.2 変異株(デルタ株)がインドで急増し,世界中で拡大している.検査陰性者を対照とする症例対照研究で,BNT162b2 ワクチンの 2 回接種後の有効性は B.1.1.7 変異株(アルファ株)に対して 94%,デルタ株に対して 88%であり,ChAdOx1 nCoV-19 ワクチンについてはそれぞれ 74%と 67%であった.ワクチンの 1 回接種後の防御効果が低かったことから,2 回の接種が必要である.
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Covid-19 に対するバムラニビマブとエテセビマブの併用
2021 年 7 月 14 日
Bamlanivimab plus Etesevimab for Covid-19重症 Covid-19 のリスクが高い外来患者 1,035 例を対象とした第 3 相試験で,SARS-CoV-2 を標的とするモノクローナル抗体 2 剤の併用投与を受けた患者は,プラセボの投与を受けた患者と比較して,ウイルス量が有意に減少し,重症化する割合が有意に低かった.
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チリにおける不活化 SARS-CoV-2 ワクチン
2021 年 7 月 7 日
Inactivated SARS-CoV-2 Vaccine in Chileチリで,1,020 万例の参加者が含まれる全国前向きコホート研究が行われ,中国で開発された 28 日間隔で 2 回接種する不活化 SARS-CoV-2 ワクチンの有効性が推定された.完全接種者(2 回目の接種後 14 日以上経過)における有効率は,Covid-19 に対して 65.9%,入院に対して 87.5%,ICU 入室に対して 90.3%,死亡に対して 86.3%であった.
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NVX-CoV2373 ワクチンの安全性と有効性
2021 年 6 月 30 日
Safety and Efficacy of NVX-CoV2373 Vaccine15,000 例を超える参加者を対象とした第 3 相試験で,SARS-CoV-2 の遺伝子組換えナノ粒子ワクチン NVX-CoV2373 を 21 日間隔で 2 回接種したところ,Covid-19 に対するワクチンの有効率は 89.7%であった.反応原性(副反応)は全体的に軽度で一過性であり,有害事象の発現頻度とグレードは低かった.
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mRNA ワクチンによる Covid-19 の予防と症状の抑制
2021 年 6 月 30 日
Covid-19 Prevention and Attenuation with mRNA Vaccines医療従事者,第一対応者,その他のエッセンシャルワーカー 3,975 例を対象とした研究において,承認済みの 2 つの mRNA ワクチンの SARS-CoV-2 感染に対する有効率は,完全接種者で 91%であった.2 つのワクチンは,接種を完了しているにもかかわらず感染した人のウイルス RNA 量,発熱,罹病期間を抑制した.
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小児多臓器炎症症候群の治療
2021 年 6 月 16 日
Treatment of MIS-C観察コホート研究で,小児多臓器炎症症候群(MIS-C)に対する免疫調節療法として,免疫グロブリン静注療法(IVIG),IVIG+グルココルチコイド投与,グルココルチコイド単独投与が比較検討された.3 つの治療法のいずれかの優越性を示すエビデンスは見出されなかったが,データが増えるにつれ有意差が生じる可能性もある.
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小児多臓器炎症症候群 ― 初回治療と転帰
2021 年 6 月 16 日
MIS-C ― Initial Therapy and Outcomes小児多臓器炎症症候群(MIS-C)を呈し,2020 年 3 月 15 日~10 月 31 日の期間に入院した 21 歳未満の入院患者のサーベイランスデータの解析で,免疫グロブリン静注療法(IVIG)+グルココルチコイドによる初回治療は,IVIG 単独による初回治療と比較して心血管機能障害のリスクが低いことと,補助療法が行われる割合が低いことと関連していた.
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Covid-19 肺炎に対するトファシチニブ
2021 年 6 月 16 日
Tofacitinib for Covid-19 PneumoniaCovid-19 肺炎で入院した患者が,症状発現後中央値で 10 日の時点で,トファシチニブの投与を受ける群とプラセボの投与を受ける群に無作為に割り付けられた.28 日時点での死亡または呼吸不全のリスクは,トファシチニブ群のほうが低かった.
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12~15 歳の思春期児における Covid-19 ワクチン BNT162b2 の接種
2021 年 5 月 27 日
BNT162b2 Vaccination against Covid-19 in 12-to-15-Year-Old Adolescents12~15 歳の思春期児を対象とした BNT162b2 ワクチンの無作為化試験で,2,260 例がワクチンまたはプラセボの接種を受けた.この試験の 12~15 歳の参加者と,並行試験の 16~25 歳の参加者とで,同程度の SARS-CoV-2 抗体価が誘導された.感染歴のない参加者において,ワクチン接種者では Covid-19 と診断された症例はなかったのに対し,プラセボ接種者では 16 例認められた.
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南アフリカにおける B.1.351 に対する NVX-CoV2373 ワクチンの有効性
2021 年 5 月 5 日
NVX-CoV2373 Vaccine Efficacy against B.1.351 in South Africa南アフリカで行われた無作為化第 2 相試験では,SARS-CoV-2 感染が確認された参加者を対象として,NVX-CoV2373 ナノ粒子ワクチンとプラセボとが比較された.参加者の 30%はベースラインで血清抗体陽性であった.全体でのワクチンの有効率は 49.4%であり,分離株の 90%超が B.1.351 変異株と同定された.
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妊娠女性における mRNA Covid-19 ワクチンの安全性
2021 年 4 月 21 日
mRNA Covid-19 Vaccine Safety in Pregnant PersonsCDC のワクチン安全性監視システムである「ワクチン接種後体調チェッカー v-safe」と,v-safe の妊娠登録,ワクチン有害事象報告システム(VAERS)の予備的データからは,mRNA Covid-19 ワクチンの接種を受けた妊娠女性における明らかな安全性シグナルは示されなかった.母体,妊娠,新生児の各転帰の特徴をより明らかにするためには,さらにデータが必要である.
ORIGINAL ARTICLE BRIEF REPORT
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Ad26.COV2.S ワクチンの Covid-19 に対する有効性
2021 年 4 月 21 日
Ad26.COV2.S Vaccine Efficacy against Covid-19Ad26.COV2.S は,非増殖型ヒトアデノウイルス血清型 26 をベクターとし,膜融合前の状態で安定化させた SARS-CoV-2 のスパイク蛋白を産生する遺伝子配列を組み込んだワクチンである.4 万人近い人を組み入れた無作為化試験で,ワクチンの有効率は,中等症~重症・重篤な新型コロナウイルス感染症(Covid-19)に対して 66%,重症・重篤 Covid-19 に対して 85%であった.南アフリカではじめて同定された変異株に対する有効率は,中等症 Covid-19 に対して 64%,重症・重篤 Covid-19 に対して 82%であった.
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ChAdOx1 nCoV-19 ワクチン接種後の血栓性血小板減少症
2021 年 4 月 16 日
Thrombotic Thrombocytopenia after ChAdOx1 nCoV-19 VaccinationChAdOx1 nCoV-19 ワクチンの初回接種後 6~24 日に症状が現れ,異常な血栓形成が主に脳静脈に認められた 23 例を Scully らが報告している.この症候群は,ヘパリン療法とは無関係に,抗血小板第 4 因子抗体によって引き起こされた.この症候群を早期に認識し,血小板輸血を回避することが治療上の鍵となる.
ORIGINAL ARTICLE BRIEF REPORT
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ChAdOx1 nCoV-19 ワクチンと免疫性血栓性血小板減少症
2021 年 4 月 9 日
ChAdOx1 nCoV-19 and Immune Thrombotic Thrombocytopeniaこの報告では,医療従事者を対象とした ChAdOx1 nCoV-19 ワクチン接種後に出現した,非常にまれであるが生命を脅かす病態が記述されている.初回接種後 10 日以内に,5 例に血小板減少症と血栓症が認められた.これには最悪の転帰をたどった脳静脈洞血栓症も含まれた.原因と思われるのは血小板活性化能をもつ抗血小板第 4 因子(PF4)抗体であり,免疫グロブリン静注療法が治療法となる可能性がある.
ORIGINAL ARTICLE
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ChAdOx1 nCoV-19 ワクチン接種後の血栓症
2021 年 4 月 9 日
Thrombosis after ChAdOx1 nCoV Vaccinationこの症例シリーズでは,ChAdOx1 nCoV-19 ワクチン接種後に生じた,非常にまれであるが生命を脅かす病態が報告されている.初回接種後 5~16 日以降に,血小板減少症,播種性血管内凝固症候群,血栓症に一致する症状が接種者の一部に出現した.最悪の転帰をとった脳静脈洞血栓症の 1 例も含まれた.血小板活性化能をもつ抗血小板第 4 因子(PF4)抗体が原因と思われ,免疫グロブリン静注療法が治療法となる可能性がある.
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B.1.351 変異株に対する ChAdOx1 nCoV-19 ワクチンの有効性
2021 年 3 月 16 日
Efficacy of the ChAdOx1 Vaccine against the B.1.351 Variant南アフリカで行われた二重盲検無作為化試験で,ChAdOx1 nCoV-19 ワクチンの 2 回接種は,南アフリカで出現した SARS-CoV-2 の変異株 B.1.351 に対する有効性が低いことが示された.プラセボ接種者の 3.2%とワクチン接種者の 2.5%が Covid-19 に罹患した.罹患者は計 42 例で,39 例が B.1.351 変異株によるものであった.入院または死亡にいたった例はなかった.
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重症 Covid-19 肺炎に対するトシリズマブ
2021 年 2 月 25 日
Tocilizumab in Severe Covid-19 Pneumonia重症 Covid-19 肺炎で入院した患者を対象とした無作為化試験で,438 例が抗インターロイキン-6 受容体モノクローナル抗体トシリズマブまたはプラセボの投与を受けた.トシリズマブの使用により,プラセボと比較して 28 日目の臨床状態が有意に良好となることも,死亡率が低くなることもなかった.
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重症 Covid-19 におけるインターロイキン-6 受容体の阻害
2021 年 2 月 25 日
Interleukin-6 Receptor Blockade in Severe Covid-19新たに ICU に入室し,呼吸または血圧のサポートを必要とした患者を対象とした無作為化試験で,インターロイキン-6 受容体阻害薬のトシリズマブとサリルマブが,標準治療と比較検討された.臓器サポートを受けていない日数の中央値はトシリズマブ群で 10 日,サリルマブ群で 11 日,標準治療群で 0 日であった.
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イスラエルにおける mRNA ワクチン BNT162b2 の有効性
2021 年 2 月 24 日
Effectiveness of the BNT162b2 mRNA Vaccine in Israelイスラエルの大規模な医療提供組織に加入している 600,000 人近い人で,ワクチン接種後の SARS-CoV-2 感染,有症状の Covid-19,Covid-19 による入院,重症化,死亡の追跡が行われた.初回接種後 14~20 日目の死亡の予防におけるワクチンの有効性は 72%と推定され,2 回目の接種後 7 日以上経過した時点での入院は 87%減少した.これらの結果は無作為化試験で報告された結果と同様であった.
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アデノウイルスベースの Covid-19 ワクチン
2021 年 1 月 13 日
Adenovirus-Based Covid-19 Vaccineアデノウイルスを用いたワクチン(Ad26.COV2.S)の第 1・2a 相試験で,参加者が 2 つの年齢群に分けられ,低用量ワクチン,高用量ワクチン,プラセボのいずれかの投与を 1 回または 2 回受けた.ワクチンによって参加者の大部分で注射部位の局所反応が生じ,ワクチンを接種したすべての群で高力価の中和抗体が誘導された.さらに T 細胞応答が認められた.
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Covid-19 患者に対する受動免疫療法
2021 年 1 月 13 日
Passive Immunotherapy in Patients with Covid-193,000 例超の Covid-19 入院患者のうち,抗体価の高い回復者血漿を投与された患者は,抗体価の低い回復者血漿を投与された患者と比較して 30 日死亡率が低かった.抗体価の高い回復者血漿の効果は,人工呼吸管理を受けていなかった患者のサブグループでもっとも高かった.
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Covid-19 の感染初期における回復者血漿
2021 年 1 月 6 日
Convalescent Plasma in Early Covid-19 InfectionCovid-19 を発症し,SARS-CoV-2 感染が確認されてから 3 日以内の高齢者に,抗体価の高い回復者血漿またはプラセボが投与された.Covid-19 が進行した割合は,回復者血漿が投与された患者では 16%であり,プラセボが投与された患者(31%)の約半分であった.
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Covid-19 予防のためのワクチン mRNA-1273
2020 年 12 月 30 日
mRNA-1273 Vaccine to Prevent Covid-19モデルナ社と米国国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が共同で製造した,SARS-CoV-2 スパイク蛋白をコードし,脂質ナノ粒子に内包された mRNA を用いたワクチン mRNA-1273 の 2 回の注射により,接種者の 94%で Covid-19 に対する防御効果が得られた.ワクチンの有害作用は軽度の一過性の局所反応であり,発熱,頭痛,疲労などの全身性有害作用の発現率は低かった.
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医療施設のスタッフにおける抗体と SARS-CoV-2 感染
2020 年 12 月 23 日
Antibodies and SARS-CoV-2 Infection in Health Workers医療施設で無症状・有症状のスタッフが SARS-CoV-2 検査を受け,血清抗体陽性・陰性別に追跡された縦断的研究で,抗スパイク IgG 抗体または抗ヌクレオカプシド IgG 抗体の存在は,その後 6 ヵ月間の SARS-CoV-2 再感染リスクが大幅に低いことと関連した.
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Covid-19 入院患者に対する LY-CoV555
2020 年 12 月 22 日
LY-CoV555 in Hospitalized Patients with Covid-19Covid-19 入院患者を対象としたプラットフォーム試験において,レムデシビルによる治療を受けていた患者 314 例のうち,モノクローナル抗体 LY-CoV555 の投与を受けた患者は,プラセボ投与を受けた患者と比較して 5 日目の肺機能は良好ではなかった.試験は無益性のため中止された.
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Covid-19 肺炎に対するトシリズマブ
2020 年 12 月 17 日
Tocilizumab in Covid-19 Pneumonia無作為化試験で,Covid-19 肺炎で入院した患者(56.0%がヒスパニック系またはラテン系,14.9%が黒人,12.7%がアメリカインディアンまたはアラスカ先住民)にトシリズマブまたはプラセボが投与された.人工呼吸管理または死亡のリスクはトシリズマブ群で 12.0%,プラセボ群で 19.3%であった.トシリズマブにより生存は改善しなかった.
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SARS-CoV-2 感染初期に対する抗体カクテル
2020 年 12 月 17 日
Antibody Cocktail in Early SARS-CoV-2 Infection抗 SARS-CoV-2 抗体カクテルが,PCR 検査による Covid-19 確認後 3 日以内の患者に投与された.ベースライン時に抗体陰性であった患者では,投与は迅速なウイルス排除と関連し,受診を必要とする頻度がより低いことと関連する可能性を示した.ベースライン時に抗体陽性であった患者では,効果はそれほど顕著ではなかった.
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成人 Covid-19 患者に対するバリシチニブとレムデシビルの併用
2020 年 12 月 11 日
Baricitinib plus Remdesivir for Adults with Covid-19Covid-19 入院患者 1,033 例を対象とした試験で,バリシチニブとレムデシビルの併用は,レムデシビル単独と比較して,とくに高流量酸素投与を受けていた患者において回復期間が短いことと,15 日目の臨床状態改善のオッズが 30%高いことに関連した.有害事象の頻度は併用療法のほうが低かった.
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mRNA ベースの SARS-CoV-2 ワクチンの安全性と有効性
2020 年 12 月 10 日
Safety and Efficacy of an RNA-Based SARS-CoV-2 VaccineSARS-CoV-2 スパイク蛋白をコードする RNA 分子を含有するワクチンを,3 週間隔で 2 回注射する試験が行われた.2 回目の注射後,中央値 2 ヵ月間の追跡期間中に,プラセボ接種を受けた 162 例とワクチン接種を受けた 8 例が Covid-19 を発症した.副作用は主に軽度~中等度の注射部位の疼痛と腫脹であった.
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Covid-19 に対する抗ウイルス薬の転用
2020 年 12 月 2 日
Repurposed Antiviral Drugs for Covid-19Covid-19 入院患者に対し,4 つの抗ウイルス薬,すなわちレムデシビル,ヒドロキシクロロキン,ロピナビル,インターフェロンβ-1a の転用を検討する WHO Solidarity 試験の中間結果が報告された.全死亡率,人工呼吸管理の開始,入院期間に対する効果が比較されている.
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Covid-19 予防のためのヒドロキシクロロキンの試験
2020 年 11 月 24 日
A Trial of Hydroxychloroquine to Prevent Covid-19スペインで行われた,PCR 法で確認された Covid-19 患者の無症状の接触者を対象とした試験で,ヒドロキシクロロキンの使用と通常診療との比較が行われた.ヒドロキシクロロキンによる曝露後治療は,陽性患者に曝露した健康な人の SARS-CoV-2 感染および症候性 Covid-19 を予防しなかった.
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Covid-19 に対する回復期血漿
2020 年 11 月 24 日
Convalescent Plasma in Covid-19Covid-19 による重症肺炎を有する成人入院患者が,回復期血漿投与群とプラセボ投与群に 2:1 の割合で無作為に割り付けられた.30 日目の時点で臨床状態に 2 群間で有意差は認められなかった.全死亡率はプラセボ群 11.43%,回復期血漿群 10.96%であり,この差は統計学的に有意ではなかった.
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航空母艦における SARS-CoV-2 の伝播
2020 年 11 月 11 日
SARS-CoV-2 Transmission on an Aircraft Carrier2020 年 3 月,セオドア・ルーズベルト号の乗組員 1 例が SARS-CoV-2 に感染していることが確認された.その後数週間で 1,271 例(乗組員の 27%)が検査で陽性と判定され,その大部分(77%)は臨床検査で診断された時点で症状がなかった.23 例が入院し,1 例が死亡した.
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海兵隊員における SARS-CoV-2 の伝播
2020 年 11 月 11 日
SARS-CoV-2 Transmission among Marine Recruits米海兵隊の新兵が 2 週間の自宅隔離を行った.この期間の終了後,0.9%が重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)に感染していることが確認された.2 回目の隔離は大学のキャンパスで監視下に 2 週間行われ,この期間中に新たに 1.9%が感染し,その大部分は無症状であった.
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Covid-19 に対する中和抗体療法
2020 年 10 月 28 日
Neutralizing-Antibody Therapy in Covid-19第 2 相試験で,中和抗体 LY-CoV555 の単回静注を 2,800 mg の用量で受けた Covid-19 外来患者では,プラセボ投与を受けた患者と比較して,ウイルス量がベースラインから大きく減少した.入院の頻度は抗体治療を受けた患者のほうが低かった(1.6% 対 6.3%).
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Covid-19 に対するトシリズマブ
2020 年 10 月 21 日
Tocilizumab in Covid-19発熱,肺浸潤,酸素投与の必要性のうち,2 つ以上を有する Covid-19 患者を対象とした無作為化比較試験で,トシリズマブの有効性が検証された.トシリズマブの投与は,疾患進行,酸素投与の中止,死亡のいずれにも有意な効果はなかった.
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RNA ベースの Covid-19 ワクチンの第 1 相試験
2020 年 10 月 14 日
Phase 1 Trial of an RNA-based Covid-19 Vaccine18~55 歳の成人と 65~85 歳の成人を対象に,脂質ナノ粒子で製剤化した,三量体 SARS-CoV-2 受容体結合ドメインをコードするヌクレオシド修飾 RNA ワクチンを 3 週間隔で 2 回接種したところ,高い抗原結合抗体とウイルス中和抗体価が誘導された.反応原性(副反応)は中等度であり,一過性であった.大規模試験が進行中である.
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Covid-19 患者に対するヒドロキシクロロキン
2020 年 10 月 8 日
Hydroxychloroquine in Patients with Covid-19英国で,Covid-19 で入院した成人患者 4,716 例のうち,ヒドロキシクロロキン投与を受けた患者の 28 日死亡率は,通常の診療を受けた患者と比較して低くなかった.
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Covid-19 に対するレムデシビル ― 最終報告
2020 年 10 月 8 日
Remdesivir for Covid-19 — Final ReportCovid-19 で入院した成人 1,062 例を対象とした無作為化二重盲検試験で,レムデシビルは回復までの期間の短縮に関してプラセボよりも優れていた(10 日 対 15 日).29 日目までの死亡率の推定値は,レムデシビルで 11.4%,プラセボで 15.2%であった.レムデシビルの利益は,ベースライン時に低流量酸素吸入を受けていた患者でもっとも明らかであった.
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より高齢の成人における Covid-19 に対する mRNA ワクチン
2020 年 9 月 29 日
mRNA Vaccine against Covid-19 in Older Adults55 歳以下の成人で Covid-19 ウイルスに特異的な抗体および T 細胞を誘導したモデルナ社の mRNA-1273 ワクチンは,より高齢の成人(71 歳以上の人も含む)の小規模集団においても,同様に高レベルの中和抗体応答と CD4 T 細胞応答を誘導した.
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SARS-CoV-2 の組換えナノ粒子ワクチン
2020 年 9 月 2 日
SARS-CoV-2 Recombinant Nanoparticle Vaccine組換え SARS-CoV-2 スパイク蛋白ナノ粒子ワクチンを 0 日目と 21 日目に三角筋に投与したところ,5μg と 25μg の両用量で免疫原性が認められた.サポニンをベースとしたアジュバントとともに投与した場合,いずれの用量でも免疫原性は同等であり,副反応はほとんどあるいはまったくなく,誘導された中和抗体価は回復期血清中の中和抗体価よりも高かった.
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SARS-CoV-2 に対する液性免疫応答の持続性
2020 年 9 月 1 日
Durable Humoral Response to SARS-CoV-2アイスランドの住民を対象とした大規模な研究で,感染後 4 ヵ月以内に液性免疫応答は低下しなかったこと,感染者の 44%は定量的 PCR による診断を受けていなかったこと,感染致死率は 0.3%であったことが明らかになった.
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非ヒト霊長類における mRNA ベースの Covid-19 ワクチン
2020 年 7 月 28 日
mRNA–Based Covid-19 Vaccine in Nonhuman PrimatesSARS-CoV-2 スパイク蛋白をコードする mRNA ベースのワクチンをアカゲザルに 2 回注射したところ,高い中和抗体と Th1 CD4 T 細胞応答が誘導された.ワクチンを接種したアカゲザルの鼻腔内と気管内にウイルスを曝露させた 2 日後,気管支肺胞洗浄液中と鼻汁中にウイルス複製は検出されなかった.
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Covid-19 に対するヒドロキシクロロキンの単独投与とアジスロマイシンとの併用との比較
2020 年 7 月 23 日
Hydroxychloroquine with or without Azithromycin in Covid-19Covid-19 が確認されたか疑われる患者を,ヒドロキシクロロキン+アジスロマイシン併用,ヒドロキシクロロキン単独投与,通常の治療のいずれかに無作為に割り付けた.主要転帰は 15 日の時点での臨床状態とし,7 段階の順序尺度で評価した.主要転帰に群間で有意差は認められなかった.
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Covid-19 患者に対するデキサメタゾン治療
2020 年 7 月 17 日
Dexamethasone Treatment in Covid-19Covid-19 で入院した患者にデキサメタゾンによる治療を行ったところ,患者が受けていた呼吸補助のレベルが高いほど,通常治療よりも 28 日死亡率が低くなった.これはデキサメタゾンの有効性と感染の段階とのあいだに相関がある可能性を示している.
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SARS-CoV-2 ワクチン候補の免疫原性
2020 年 7 月 14 日
Immunogenicity of a Candidate SARS-CoV-2 VaccineSARS-CoV-2 の mRNA をベースとした,同ウイルスのスパイク蛋白をコードする新しいワクチンを健康な成人ボランティアに 2 回接種したところ,高力価のウイルス中和抗体が誘導された.ウイルス特異的 T 細胞応答も誘導された.暫定的な知見として,1 回の注射あたりの用量は 100μg で免疫応答を最大化し,ワクチンの副反応を最小化することが示された.
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小児多臓器炎症症候群
2020 年 6 月 29 日
Multisystem Inflammatory Syndrome in Children小児多臓器炎症症候群は Covid-19 との関連が認められている.ニューヨーク州からの報告で,ニューヨーク州保健局によるこの症候群の定義を満たした患児 99 例の記述的分析により,臨床像,合併症,転帰が要約されている.
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米国の小児における多臓器炎症症候群
2020 年 6 月 29 日
Multisystem Inflammatory Syndrome in U.S.Children多臓器炎症症候群を発症した,米国 26 州の 21 歳未満の患児の疫学と臨床経過について報告する.多くの患児は,症候群発症の少なくとも 1~2 週間前に SARS-CoV-2 に感染した.年齢の中央値は 8.3 歳で,73%は生来健康であった.
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Covid-19 に関する迅速なゲノムワイド関連解析
2020 年 6 月 17 日
Nimble GWAS on Covid-193 月,イタリアとスペインで重症 Covid-19 患者の入院件数がピークを迎えているときに,この 2 国およびその他の国の研究者から成るグループが検体の採取・解析を行い,重症 Covid-19 に関連する 2 つの染色体座位を同定した.
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Covid-19 予防薬としてのヒドロキシクロロキン
2020 年 6 月 3 日
Hydroxychloroquine for Covid-19 Prophylaxisこの二重盲検無作為化試験では,SARS-CoV-2 に高リスク曝露または中リスク曝露した無症状の 821 例が,曝露後 4 日以内にヒドロキシクロロキン投与を受ける群とプラセボ投与を受ける群に割り付けられた.Covid-19 に一致する疾患の予防における利益は認められなかった.
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Covid-19 に対するレムデシビルの 5 日間投与と 10 日間投与との比較
2020 年 5 月 27 日
Remdesivir for 5 Days or 10 Days in Covid-19Covid-19 により肺炎と低酸素血症をきたしているが,人工呼吸管理にはいたっていない患者を対象としてレムデシビルの静脈内投与 5 日間コースと 10 日間コースとを比較した無作為化試験で,投与期間と転帰との関連に有意差を認めなかった.
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Covid-19 の黒人患者と白人患者
2020 年 5 月 27 日
Black Patients and White Patients with Covid-19後ろ向きコホート研究で,ルイジアナ州の医療システムのデータが解析された.その加入者集団は 31%が非ヒスパニック系黒人である.Covid-19 で入院した患者の 76.9%,Covid-19 で死亡した患者の 70.6%が黒人であった.患者のベースライン特性で補正すると,黒人であることは院内死亡率がより高いこととは関連しなかった.
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Covid-19 に対するレムデシビル ― 予備的報告
2020 年 5 月 22 日
Remdesivir for Covid-19 — Preliminary ReportCovid-19 で入院した成人 1,063 例を対象とした無作為化二重盲検試験で,10 日間のレムデシビルの静脈内投与は,回復までの期間の短縮に関してプラセボよりも優れていた.14 日までの死亡率の推定値はレムデシビル群で 7.1%,プラセボ群で 11.9%であった.
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血管新生と Covid-19
2020 年 5 月 21 日
Angiogenesis and Covid-19Covid-19 で死亡した患者 7 例の剖検肺には,インフルエンザで死亡した患者の肺やドナーから提供されたが移植されなかった非感染肺と比較して,大量の重積血管新生(intussusceptive angiogenesis)が認められた.
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Covid-19 患者におけるヒドロキシクロロキンの観察研究
2020 年 5 月 7 日
Observational Study of Hydroxychloroquine in Covid-19ニューヨーク市のある病院に入院した Covid-19 患者 1,376 例のうち,59%がヒドロキシクロロキンの投与を受けた.投与が選択された患者はより重症であった.患者のベースライン特性で補正後,ヒドロキシクロロキンの使用と挿管または死亡とのあいだに有意な関連は認められなかった(ハザード比 1.04,95%信頼区間 0.82~1.32).
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RAAS 阻害薬と Covid-19 のリスク
2020 年 5 月 1 日
RAAS Inhibitors and Risk of Covid-19レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬を服用している患者は Covid-19 のリスクが高いという懸念があり,それはアンジオテンシン変換酵素 2 がこのウイルスの受容体であるためである.この研究は,降圧薬の一般的な 5 つのクラスのいずれかを服用している患者で,Covid-19 の検査で陽性となる確率や重症化する確率は上昇しないことを示した.
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レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系拮抗薬と Covid-19
2020 年 5 月 1 日
Renin–Angiotensin–Aldosterone System Blockers and Covid-19イタリア北部で行われた住民ベースの症例対照研究で,アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬とアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)の使用は Covid-19 患者ではより多いことを示した.これは心血管疾患の有病率がより高いためであった.しかし,ACE 阻害薬と ARB が Covid-19 リスクに影響を及ぼすというエビデンスは認められなかった.
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Covid-19,心血管疾患,薬物療法
2020 年 5 月 1 日
Covid-19, Cardiovascular Disease, and Drug TherapyCovid-19 と診断され入院した患者 8,910 例のデータが解析された.心血管疾患は院内死亡リスクの上昇と関連した.アンジオテンシン変換酵素阻害薬の使用,アンジオテンシン受容体拮抗薬の使用は,いずれも院内死亡リスクの上昇とは関連しなかった.
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高度看護施設における症状発現前の SARS-CoV-2 感染
2020 年 4 月 24 日
Presymptomatic SARS-CoV-2 in a Nursing Facility著者らは 1 高度看護施設における SARS-CoV-2 の伝播状況を調査し,症状に基づくスクリーニングの妥当性を評価した.検査で陽性であった入居者の半数以上は検査の時点で無症状であった.症状のある入居者に限定した感染制御対策は,伝播を防ぐには十分ではなかった.
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アイスランドにおける SARS-CoV-2
2020 年 4 月 14 日
SARS-CoV-2 in Icelandアイスランドでは,SARS-CoV-2 のウイルス検査,接触者追跡調査,社会的距離確保(ソーシャルディスタンシング)対策を適時に実施したものの,感染が拡大している.しかし 2020 年 3 月 13 日~4 月 4 日の期間には,感染者の割合に増加はみられなかった.
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重症 Covid-19 に対する未承認薬レムデシビルの人道的使用
2020 年 4 月 10 日
Compassionate-Use Remdesivir for Severe Covid-19重症 Covid-19 の患者群が,未承認薬の人道的使用(コンパッショネートユース)プロトコルに基づいてレムデシビルの投与を受けた.酸素療法の状況の改善が 68%で認められ,追跡期間中央値 18 日の時点で,全死亡率は 13%であった.
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Covid-19 ― シアトルの ICU における初期の経験
2020 年 3 月 30 日
Covid-19 — Early ICU Experience, Seattle臨床医らと研究者らが,シアトル地域にある 9 ヵ所の病院の ICU に入室した最初の 24 例について報告している.臨床症状,治療,転帰の,鍵となる側面が述べられている.
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1 長期療養施設における Covid-19 集団発生
2020 年 3 月 27 日
Covid-19 Outbreak at a Long-Term Care Facility2020 年 2 月 28 日,シアトル地域の公衆衛生当局は,長期療養施設で Covid-19 感染が 1 件発生したという報告を受けた.調査により,その施設に関連する感染者が,入居者,ヘルスケア従事者,訪問者合わせて 167 例同定された.入居者 101 例のうち,1/3 以上で死亡が確認された.
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重症 Covid-19 に対するロピナビル・リトナビル経口投与
2020 年 3 月 18 日
Oral Lopinavir–Ritonavir for Severe Covid-19中国の研究者らが,SARS-CoV-2 に感染した成人の Covid-19 患者 199 例の治療を目的に行ったロピナビル・リトナビル投与の非盲検無作為化臨床試験の結果を報告している.主要エンドポイントは臨床的改善までの期間であった.
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中国における Covid-19 の特徴
2020 年 2 月 28 日
Characteristics of Covid-19 in Chinaこの研究では,新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の今回の集団発生の最初の 2 ヵ月間に,中国全土で検査により確認された患者集団から抽出した 1,099 例における,Covid-19 の臨床的特徴を報告する.
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2019-nCoV の初期の感染の動態
2020 年 1 月 29 日
Early Transmission Dynamics of 2019-nCoV著者らは,中国の武漢市において新型コロナウイルスに感染したことが確認された最初の 425 症例を疫学的に解析する.この解析では疫学的な倍加時間と基本再生産数を推計し,持続的なヒト–ヒト感染の明らかな証拠を提示している.