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Covid-19 入院患者に対するヒドロキシクロロキンの効果
Effect of Hydroxychloroquine in Hospitalized Patients with Covid-19

The RECOVERY Collaborative Group

背景

ヒドロキシクロロキンとクロロキンは,in vitro での活性と,非対照試験および小規模無作為化試験のデータに基づき,新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の治療薬として提案されている.

方 法

Covid-19 で入院した患者を対象として,可能性のあるさまざまな治療法を通常の診療と比較する無作為化対照非盲検プラットフォーム試験で,1,561 例をヒドロキシクロロキンを投与する群,3,155 例を通常の診療を行う群に無作為に割り付けた.主要評価項目は 28 日死亡率とした.

結 果

中間解析で有効性の欠如が確認されたため,2020 年 6 月 5 日にヒドロキシクロロキン群への登録を終了した.28 日以内の死亡は,ヒドロキシクロロキン群では 421 例(27.0%),通常診療群では 790 例(25.0%)に発生した(率比 1.09,95%信頼区間 [CI] 0.97~1.23,P=0.15).事前に規定したすべてのサブグループで一貫した結果が認められた.この結果は,ヒドロキシクロロキン群の患者は 28 日以内に生存退院する確率が通常診療群の患者よりも低かったことを示唆している(59.6% 対 62.9%,率比 0.90,95% CI 0.83~0.98).ベースライン時に人工呼吸管理を受けていなかった患者のうち,ヒドロキシクロロキン群に割り付けられた患者は,通常診療群に割り付けられた患者よりも侵襲的人工呼吸管理または死亡にいたる割合が高かった(30.7% 対 26.9%,リスク比 1.14,95% CI 1.03~1.27).ヒドロキシクロロキン投与を受けた患者では心臓死に数値上のわずかな超過(0.4 パーセントポイント)がみられたが,主な心不整脈の新規発生率に 2 群間で差はなかった.

結 論

Covid-19 で入院した患者のうち,ヒドロキシクロロキン投与を受けた患者の 28 日死亡率は,通常の診療を受けた患者と比較して低くなかった.(英国研究・イノベーション機構,米国国立衛生研究所ほかから研究助成を受けた.RECOVERY 試験:ISRCTN 登録番号 ISRCTN50189673,ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04381936)

英文アブストラクト(DOI: 10.1056/NEJMoa2022926)