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B.1.351 変異株に対する Covid-19 ワクチン ChAdOx1 nCoV-19 の有効性
Efficacy of the ChAdOx1 nCoV-19 Covid-19 Vaccine against the B.1.351 Variant

S.A. Madhi and Others

背景

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)に対するワクチンの安全性と有効性をさまざまな集団で評価することは不可欠であり,また,南アフリカで最初に同定された B.1.351 系統の変異株(501Y.V2)をはじめ,新たに出現する「懸念される変異株」に対する有効性の調査も不可欠である.

方 法

南アフリカで,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)非感染者を対象として,ChAdOx1 nCoV-19 ワクチン(AZD1222)の安全性と有効性を評価するための多施設共同二重盲検無作為化対照試験を行った.18~64 歳の参加者を,5×1010 個のウイルス粒子を含むワクチンを 21~35 日間隔で 2 回接種する群と,プラセボ(0.9%塩化ナトリウム溶液)を接種する群に 1:1 の割合で割り付けた.2 回目の接種後に 25 例から血清を採取し,元のウイルス株 D614G と B.1.351 変異株に対する抗体価を,偽ウイルス(pseudovirus)中和抗体検査と生ウイルス中和抗体検査で測定した.主要評価項目は,2 回目の接種から 14 日経過以降に検査で確認された,有症状の新型コロナウイルス感染症(Covid-19)に対するワクチンの安全性と有効性とした.

結 果

2020 年 6 月 24 日~11 月 9 日に,HIV 陰性の成人 2,026 例(年齢中央値 30 歳)を組み入れた.1,010 例がプラセボ,1,011 例がワクチンの接種を少なくとも 1 回受けた.B.1.351 変異株に対する耐性は,疑ウイルス中和抗体検査と生ウイルス中和抗体検査のいずれにおいても,ワクチン接種者の血清のほうがプラセボ接種者の血清よりも高かった.主要評価項目の解析では,プラセボ接種者 717 例中 23 例(3.2%)とワクチン接種者 750 例中 19 例(2.5%)が軽症~中等症の Covid-19 に罹患し,有効率は 21.9%(95%信頼区間 [CI] -49.9~59.8)であった.罹患者は計 42 例で,39 例(配列データの得られた 41 例のうち 95.1%)が B.1.351 変異株によるものであり,この変異株に対するワクチンの有効率(副次的評価項目として解析)は 10.4%(95% CI -76.8~54.8)であった.重篤な有害事象の発現率はワクチン群とプラセボ群で均衡がとれていた.

結 論

ChAdOx1 nCoV-19 ワクチンの 2 回接種のレジメンは,B.1.351 変異株による軽症~中等症の Covid-19 に対する防御効果を示さなかった.(ビル&メリンダ・ゲイツ財団ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04444674,Pan African Clinical Trials Registry 登録番号 PACTR202006922165132)

英文アブストラクト(DOI: 10.1056/NEJMoa2102214)