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ChAdOx1 nCoV-19 ワクチン接種後に認められた血小板第 4 因子に対する病的抗体
Pathologic Antibodies to Platelet Factor 4 after ChAdOx1 nCoV-19 Vaccination

M. Scully and Others

背景

新型コロナウイルス感染症(Covid-19)パンデミック制御の柱は,重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)に対するワクチン接種である.1 年も経たないうちにいくつかのワクチンが開発され,何千万という人に接種が行われた.有害事象の報告は非常に重要な市販後活動である.

方 法

ChAdOx1 nCoV-19 ワクチン(アストラゼネカ社)の初回接種後 6~24 日に症状が現れ,血栓症および血小板減少症が認められた 23 例の知見を報告する.その臨床像,および臨床検査値の特徴に基づき,背景にある新たな機序を同定し,治療上の解釈を検討する.

結 果

2 例を除いて,血栓が生じる可能性のある既往歴や薬剤の使用歴はなかった.22 例が急性血小板減少症および血栓症(主に脳静脈洞血栓症)を発症し,1 例は血小板減少症のみを発症し,出血の症状があった.全例,受診時のフィブリノゲン値は低値または正常値で,D ダイマーが高値であった.血栓性素因や向血栓性因子は認められなかった.抗血小板第 4 因子(PF4)抗体の検査は,22 例が陽性(うち 1 例は境界域 [equivocal]),1 例が陰性であった.23 例の病態生理的特徴に基づき,これらの症状の初発時には,血栓症の症状が進行するリスクがあることから血小板輸血は避け,ヘパリン以外の抗凝固薬の投与と免疫グロブリン静注療法を検討することを推奨する.

結 論

SARS-CoV-2 に対するワクチン接種は,Covid-19 パンデミックの制御に不可欠である.ChAdOx1 nCoV-19 ワクチンの接種後には,ヘパリン療法とは無関係に,病的な PF4 に依存する症候群が発生する可能性がある.治療上の解釈に基づくと,このまれな症候群を速やかに同定することが重要である.

英文アブストラクト(DOI: 10.1056/NEJMoa2105385)