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Covid-19 ワクチン接種を完了した医療従事者におけるブレイクスルー感染
Covid-19 Breakthrough Infections in Vaccinated Health Care Workers

M. Bergwerk and Others

背景

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)に対する BNT162b2 メッセンジャー RNA ワクチンの高い有効性にもかかわらず,まれなブレイクスルー感染が医療従事者などで報告されている.ブレイクスルー感染の特徴を明らかにし,また,ブレイクスルー感染および感染性の相関要因を明らかにするためのデータが必要とされている.

方 法

イスラエル最大の医療センターで,症状(軽症を含む)を有する,または感染曝露があった医療従事者に広範な評価を行い,ブレイクスルー感染を同定した.評価には疫学的調査,繰り返し行う逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法,抗原検出迅速診断検査(Ag-RDT),血清学的検査,ゲノム解析などが含まれた.ブレイクスルー感染の相関要因を症例対照解析で評価した.SARS-CoV-2 が検出される前の 1 週間(感染周辺期)の抗体価が得られたブレイクスルー感染者と,非感染者対照 4~5 例をマッチさせ,一般化推定方程式を用いて症例・対照間の幾何平均抗体価と,2 群の抗体価比を予測した.感染性については,中和抗体価と N 遺伝子の増幅サイクル数(Ct 値)との相関も評価した.

結 果

ワクチン接種を完了し,RT-PCR のデータを入手しえた医療従事者 1,497 例のうち,39 例で SARS-CoV-2 ブレイクスルー感染が確認された.症例患者における感染周辺期の中和抗体価は,マッチさせた非感染者対照よりも低かった(症例対照比 0.361,95%信頼区間 0.165~0.787).感染周辺期の中和抗体価が高いほど,より低い感染性(より高い Ct 値)と関連した.ブレイクスルー症例の大部分は軽症または無症状であったが,19%では 6 週間を超えて症状が持続した.検査した検体の 85%で B.1.1.7 変異株(アルファ株)が認められた.症例患者の 74%は,感染中のある時点で高いウイルス量(Ct 値<30)を示したが,これらの患者のうち,同時に行った Ag-RDT で陽性を示したのは 17 例(59%)のみであった.二次感染は確認されなかった.

結 論

ワクチン接種を完了した医療従事者において,SARS-CoV-2 によるブレイクスルー感染の発生は,感染周辺期の中和抗体価と相関していた.ブレイクスルー感染は,大部分が軽症または無症状であったが,持続する症状も認められた.

英文アブストラクト(DOI: 10.1056/NEJMoa2109072)