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ワクチン起因性免疫性血小板減少症/血栓症の臨床像
Clinical Features of Vaccine-Induced Immune Thrombocytopenia and Thrombosis

S. Pavord and Others

背景

ワクチン起因性免疫性血小板減少症/血栓症(VITT)は,重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)に対する,アデノウイルスベクターを用いた ChAdOx1 nCoV-19 ワクチンに関連する新規の症候群である.この症候群の臨床像,予後判定基準に関するデータは不足している.

方 法

2021 年 3 月 22 日~6 月 6 日に英国の病院を受診し,VITT が疑われた患者を対象とする前向きコホート研究を行った.匿名化した電子フォームを用いてデータを収集し,事前に規定した基準に基づき症例を VITT 確定例,VITT ほぼ確実例に分類した.患者のベースライン特性と臨床病理学的特徴,危険因子,治療,予後不良予測因子を明らかにした.

結 果

評価された 294 例のうち,170 例が VITT 確定例,50 例が VITT ほぼ確実例と判定された.全例が ChAdOx1 nCoV-19 ワクチンの 1 回目の接種を受けており,接種後 5~48 日(中央値 14 日)の時点で受診した.年齢範囲は 18~79 歳(中央値 48 歳)であり,性による優位性はなく,同定しうる医学的危険因子もなかった.全死亡率は 22%であった.死亡のオッズは,脳静脈洞血栓症を有する患者で 2.7 倍(95%信頼区間 [CI] 1.4~5.2),ベースラインの血小板数が 50%低下するごとに 1.7 倍(95% CI 1.3~2.3),ベースラインの D ダイマー値がフィブリノゲン当量で 10,000 単位上昇するごとに 1.2 倍(95% CI 1.0~1.3),ベースラインのフィブリノゲン値が 50%低下するごとに 1.7 倍(95% CI 1.1~2.5)上昇した.多変量解析により,ベースラインの血小板数,および頭蓋内出血の存在が死亡と独立して関連することが明らかになり,血小板数 30,000/mm3 未満で,頭蓋内出血を有する患者で観察された死亡率は 73%であった.

結 論

VITT に関連する高い死亡率は,血小板数が低く,頭蓋内出血を有する患者でもっとも高かった.治療法は依然不明であるが,予後予測因子が同定されれば,有効な管理指針となる可能性がある.(オックスフォード大学病院 NHS 基金信託から研究助成を受けた.)

英文アブストラクト(DOI: 10.1056/NEJMoa2109908)