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Covid-19 ワクチン接種のアルファ株およびデルタ株の伝播に対する効果
Effect of Covid-19 Vaccination on Transmission of Alpha and Delta Variants

D.W. Eyre and Others

背景

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)の B.1.617.2 変異株(デルタ株)が出現する前,ワクチン接種は,接種したにもかかわらず感染した人からの SARS-CoV-2 の伝播を減少させた.ウイルス量の減少がその機序である可能性がある.ワクチン接種は依然感染リスクを低下させるが,デルタ株に感染した場合ワクチンの接種者と未接種者とでウイルス量が同程度であることから,ワクチン接種が伝播をどの程度防ぐのか疑問が生じている.

方 法

イングランドの接触者検査データを用いて,SARS-CoV-2 に感染した成人発端患者の成人接触者を含む,後ろ向き観察コホート研究を行った.多変量ポアソン回帰モデルを用いて,伝播と,発端患者および接触者のワクチン接種状況との関連を検討し,それらの関連が B.1.1.7 変異株(アルファ株)とデルタ株とでどの程度異なり,また 2 回目の接種後の経過時間によってどのように異なるかを明らかにした.

結 果

発端患者 108,498 例の接触者で検査を受けた 146,243 例のうち,54,667 例(37%)が SARS-CoV-2 の PCR 検査で陽性であった.アルファ株に感染した発端患者では,BNT162b2 ワクチンまたは ChAdOx1 nCoV-19 ワクチン(AZD1222 としても知られる)の 2 回接種は,未接種と比較して,接触者の PCR 陽性率が低いことと独立して関連していた(BNT162b2 ワクチンで補正率比 0.32,95%信頼区間 [CI] 0.21~0.48;ChAdOx1 nCoV-19 ワクチンで補正率比 0.48,95% CI 0.30~0.78).ワクチンに伴う伝播の減少はデルタ株のほうがアルファ株よりも小さく,またデルタ株の伝播の減少は,BNT162b2 ワクチンの 2 回接種後(未接種との比較で補正率比 0.50,95% CI 0.39~0.65)のほうが ChAdOx1 nCoV-19 ワクチンの 2 回接種後(補正率比 0.76,95% CI 0.70~0.82)よりも大きかった.発端患者におけるサイクル閾値(Ct 値)(ウイルス量の指数)のばらつきは,ワクチンに伴う 2 つの変異株の伝播の減少の 7~23%を説明した.デルタ株の伝播の減少はワクチンの 2 回目の接種後経時的に低下し,ChAdOx1 nCoV-19 ワクチンの接種を受けた発端患者では 12 週目までに未接種者と同程度となり,BNT162b2 ワクチンの接種を受けた発端患者では大幅に低下した.接触者におけるワクチンの防御効果も,2 回目の接種後 3 ヵ月間で低下した.

結 論

ワクチン接種に伴う伝播の減少はデルタ株のほうがアルファ株よりも小さく,ワクチン接種の効果は経時的に低下した.発端患者における診断時の PCR Ct 値は,伝播の減少を部分的にしか説明しなかった.(英国保健省ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト(DOI: 10.1056/NEJMoa2116597)